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たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(続ー3)三つ峠山 

2022年12月26日 | 心に残る思い出の山

続き

朝食は急かされもせず気楽だった。今朝も納豆が出たり家庭的な献立である。棚に富士を背にして俳優・大木実(おおき・みのる)に似た先代の写真。富士を眺める長谷川恒夫さんの写真が有りそれぞれ線香の煙が揺れていた。一言二言、説明すると隣の部屋へ行きテレビを観ているので話好きでは無いのだろうと思っていたのだが話をして見ればそんな事は無かった。

先代は終戦後、帰国するとこの宿を受け継ぐと共に富士に魅せられ以来、時々の姿をカメラに納め写真集を出版していたそうで棚から数冊のそれを見せて下さった。「中村さんも写真を撮られるのですか?」とお聞きすると版画や絵を手掛けているとの事。 

長谷川恒夫さんは前述した屏風岩を練習場に、ここを定宿としていたらしい。話は尽きなかったが未だ山頂を踏んでいないので席を立つと慌てて隣の部屋へ行き持って来た物は中村さんが描かれた三つ峠の絵葉書だった(冒頭の写真)

 

ザックは小屋に預けカチンカチンに凍った地面を踏んで開運山頂上へ。「今日は暖かい」と中村さんは仰っていたが(足元を見れば素足)山頂は吹き付ける風が冷たくカメラを持つ手が悴む。雄さんの言葉をかりればカネングリンでそう永いは出来ない状態で直ぐに山頂を辞したが何よりも嬉しかったのは富士は勿論、南アルプス連山、八ヶ岳、丹沢の山並みが実によく見えた事である。三つ峠山は三座同定の教科書と言えようか。

宿泊した三つ峠山荘

左から赤石岳 悪沢・小河内・塩見

観音岳・甲斐駒・大岩山

霊峰富士 右に小さく大室山、その右に足和田山~毛無山

奥秩父の山並み

 

    

 

 

 

「雪の三つ峠山もいいですよ、是非またお出かけ下さい」と玄関先まで出て見送って下さった中村さんにお礼を言って往時休んだ八十八大師の広場で一息入れ後は出発点迄一気に下った。体調不良で苦しめられた往路も良く寝られたせいか思ったより楽に戻る事が出来た。私達が間違えた道の入り口には「危険・入るな」の工事の看板が置かれていた。思い出の山を綴ったものですしお忙しい時期でも有りますのでコメントはどうぞ無理をなさらずに。

 


(続ー2)21年前の三つ峠山

2022年12月25日 | 心に残る思い出の山

続き

アルピニスト長谷川恒夫もクライミングの練習していた屏風岩

故・長谷川恒夫氏はフンザのナジール・サビール氏を伴い過酷なウルタル二峰を目指すが雪崩に遭い43歳で帰らぬ人となった日本屈指のアルピニストだ。 ナジール・サビール氏と言えば一緒にワインを飲み交わした高崎での一夜が思い出される。

 

この写真は何時のものかは知らないが偶々見つけた屏風岩

巨岩が覆い被さる様に聳え立つ屏風岩に着くと谷を隔てて今夜泊まる三つ峠山荘が左上に、四季山荘と富士見山荘が右上に見え私達の足音が届いたのか大型犬の太い鳴き声が聞こえて来る。

分岐点を左に取り急崖に取り付けられたアルミの階段で一汗かいて三つ峠山荘に休憩を含めて15時15分に到着(12時15分出発)。 「どのルートから来られたのですか?」「達磨石からです」「それが本来の登山道です。かなり急ピッチでしたね」と小屋のご主人、中村さんはお茶の用意をしながら驚いていた。そうだろうか、バテバテだったので、かなり休憩も取ってきたはずなのに。

「今日の宿泊者はTさんご夫婦だけですから一番良い部屋を用意しておきました」と通された部屋は富士山が真正面に見える一号室だった。夕食までの一時、私は炬燵で日没が迫る気配を眺めていた。

富士の雪の輝きが衰え、やがて闇に沈むと変わって町の灯りが輝き始めた。冬季のため風呂は閉ざされていたが山上の湯で汗を流し風呂上りにそんな光景を眺めながらイッパイやれたら、これこそ至上の喜びと言えよう。気が付くと何時寝てしまったのか私は夢うつつだった。家庭的な夕食を頂き19時、炬燵に横になると私はそのまま朝まで本当に良く寝た。

 

 

未だ仄暗さが残る早朝、眠い目をこすりながらカーテンを開けると丹沢の山並みの上が朝焼けの気配を見せていた。富士山の山肌が朝焼けに染まる迄のじれったさ・・・ご来光間近な胸のときめき・・・やがて迎えた日の出・・・待ってましたと白雪の衣を脱ぎ棄てた瞬間・・・次いで負けじとばかり山体を紅く染める南アルプス・・・     

長い時間、私を焦らしたドラマの終わりは数分間で幕を閉じ後は今日も好転を約束する青空が眩しく広がった。  未だ続きますのでコメント欄はお休みです。


閑話休題・ホワイトクリスマス

2022年12月24日 | 

今日は「続・三つ峠山」のはずでしたが降雪というイレギュラーが有りましたので、こちらを優先する事に致します。

  

何時も行っている図書館のツリー、MERRY 

目覚めたら銀世界、モノクロの世界って落ち着きますね

積雪3㎝と言ったところでしょうか

 

サザンカはこの初雪をどう思っているのでしょう。戸惑い?それとも喜び?

葉が守ってくれるのと得意顔の万両

ヤツデって滴を頭の天辺に付ける? 

 

綿帽子を被って澄まし顔のヤツデ

負けるな、クリスマスローズ

雪の時期も花の時期も存在感ある枝垂れ桜

お梅さん!綺麗な花を咲かせ実を成らすためには、こんな試練も必要なんだって

コメント欄はお休み致します


21年前の三つ峠山(1785m)シモバシラノ花

2022年12月23日 | 心に残る思い出の山

2001年12月17日・18日

今回は小屋泊まりなので早朝に出発。登山口に11時に着いた。途中、父が毎年、講を欠かさなかったと言う高尾山を右に見た。交通の便も発達していなかった当時 ❝何故わざわざ❞ と疑問は残るが私の名前に残された一字に父の信仰の深さが読み取れる。

都留市より三つ峠山を望む(三つ峠とは峠が三つ有るのではなく三つのピーク(開運山・御巣鷹山・木無山)の集まりで古くは「三嶺」と言われていた) 今は簡単に登れる登山道も有る様だが私達は敢えて古道を歩く事にした。

11時30分出発。雲一つなく晴れ渡り風もなく天候は申し分ない。かれこれ30分歩いただろうか。道はかなりの急坂だ。達磨石迄こんなに掛かるのだろうか? 足跡は有るが道も切り株も真新しい。何かオカシイと思いながら植林地の中の九十九折れを上へ上へと目指した。前方で作業員がお弁当を広げていたので尋ねると三つ峠の登山道は橋を渡って直ぐ右との事だった。此処は作業道でこのまま行っても三つ峠には着かないと言う。なんて事!

「新しい橋まで戻るんだよ」と言う声を背にちょっと格好悪い形でその場を引き返す事に。55分も無駄な時間を費やしてしまったが作業員に出会わなかったらどうなっていた事か。

出発は12時15分になってしまった。登山道ともつかぬ道を一登りした所に梵字の刻まれた達磨石があった。一旦、林道に出て直ぐ樹林帯に入ると、のっけからの急登で5分と経たない内に息切れを起こすほどだ。山頂まで高度差836m、覚悟はしていたが寝不足と先ほどのロスが大分応えている。

 (1)  (2)

(1)は達磨石から少し上がった所、ここに登山口を示す看板が (2)は大曲り

此処も昔は信仰登山として栄えたのだろう。道の両脇の苔むした石積みがそれを物語る。何度かのターンを繰り返してベンチを見つけた私。「休めだってよ」とさっさとリュックを置き座り込んだ。先ほど迄、谷間に響いていたチェンソーの音も遠のき静けさの中、無駄足だった植林帯では全く聞こえていなかった野鳥の澄んだ声が今は賑やかに山にコダマしている。

戦後、日本の政府は利益優先で自然林を伐採し杉やヒノキを奨励した。結果色々な意味でバランスが保たれていた自然が壊され山崩れや水不足と言うツケを受ける様になってしまった。近年、漸く目が覚め論議が交わされる様になっては来たが実際には一歩も踏み出していないのが実情ではないだろうか。

再び尾根上の林の中を急登していく。道はしっかりしているが相変わらず急登の連続だ。股除き大曲り馬返しを歩く道中、行く手に富士山が見え隠れしている。黙々と歩く私に「隣の山と目の高さが同じになって来たぞ」と雄さんが励ました。

時折、歩みを止め乍ら呼吸を整え歩いて行くと表情豊かな石仏群が散在する八十八大師の小広場に着いた。標高は既に1600m。此処からは三つ峠本峰に突き上げる岸壁の下をほぼ水平にトラバースして行けばいいだけだ。

この石仏群八十八体は文久期の頃、近隣の信者によって寄進されたものだそう。

八十八大師のベンチで休憩

冷たい空気が淀む谷あい。まるで冷蔵庫の中に入った様な寒さだ。そこで一度は見てみたかったシモバシラをついに見つけた。

 

 

   

 

様々な形で枯れ茎に花を咲かせるシモバシラ。周辺の枯葉を取り除くだけで割れてしまいそうな程それは脆いガラス細工だった。

近くに茶店跡が在ったが跡と言うのは漂う空気にも寂しさが有るものだ。此処からは霊峰富士が美しい。嘗て信仰で登った人たちはお茶を飲みお団子を頂きながら目の前の富士山を眺めた事だろう。

続きますのでコメント欄はお休みです。


未だ楽しめる散歩道

2022年12月22日 | 

乾燥した日が続くので喉に違和感を感じる私にとって今日の雨は恵みの雨になりました。ただ余り長くは続かず午後は晴、明日から暫く晴が続く様です。

今日も他所の家のお庭に目を向け乍ら歩いていますと道に面した所に色んな花を見つけました。

バラってどうしてこんなに元気なのでしょう。ここの主は手入れが良いとみえて葉が生き生きしてますね。

花の名前は知りませんが、この花もエネルギーに満ち溢れていますね~

 

サザンカの紅白

役目を終えたユリ科(?)の蕾は音叉を思い出してしまいます

 

オレンジと黄色のこの2枚はキンレンカのお仲間さん?

マユミが未だビッシリ付いていました。放って置くと暴れん坊将軍! 庭の垣根を超え道路にはみ出して未だ伸びたそうな勢いでした。コメント欄はお休み致します。