まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

小耳にはさむ

2003年07月10日 21時39分00秒 | 日々雑感
昔、ユーミンが喫茶店で隣の席の会話に耳をそばだてるという話を聞いたことがある。

カップルや友達同士の会話から作詞のヒントを得るのだとか。

ホントかどうか知らないけど。

わたしは主に自転車で行動するのだが、

すれ違いざまに一瞬耳をかすめる会話というのは妙に気にかかる。

「そのときだけだって思ったじゃないの、あたしも・・・」

何が?

「びっくりしたわよー、聞いたときは!」

何を?

「だから、相手にしちゃ駄目なのよ」

誰を?

もしも隣を歩いていたのなら意図的に歩調を合わせて、もう少し聞き耳を立てることができる。

しかし、自転車と言うのは本当に少しの間にすれ違ってしまうのだ。

だからひどく気にかかるのだろうか。

じゃあ、わたしが見知らぬ他人の会話に興味があるかというと、実はそんなにないんである。

よくひとりでランチを食べに行くのだが、

他人の会話を聞きたくないので開店直後か閉店前に行くくらいだ。

しかし、たまに混んでいる時間に行ってしまうことがある。

そんなとき、中年女性の集団と隣り合わせに座ったら最悪である。

面白いっちゃあ面白いのだが、下らないっちゃくだらない会話が延々続く。

子供の成績、あるいは孫自慢、近所のうわさ話から姑の悪口、

果ては芸能人がどうしたこうした・・・

食ってる間に喋ってんだか喋ってる間に食ってんだか。

この前、極めつけの下らない会話を聞かされた。

せまい店でテーブルが近いから、耳でもふさがない限り会話は聞こえてくる。

40代後半から50代後半といった三人連れだったのだが

中のひとりの娘が離婚するとかしたとかそんな話をしていた。

「やっぱりね、親は干渉すべきよ。大事に育ててきた娘が可哀想な思いするの、嫌だもの。

駄目だと思ったら反対すべきよ」

馬鹿みたい、と思うのは結婚が家と家との結びつきと考えるか

一組の男女の結びつきと考えるかの違いだろうか。

確かに、結婚は本人同士だけのことではないかもしれない。

親戚付き合いや親の老後のことだってある。

しかし、まずは二人のことだろう?

親の方が見る目があって、うまくいかない結婚を見抜くことが出来たにしても

それをやめさせることで子供を守ってどうする。もう「子供」じゃないのに。

大事なのは失敗に気付いたときに本人がどう対処するかなんじゃないの。

そのときにひとりではどうにもならず、助けを求められたなら

やむなく親は助けてやってもいいけれど。

親の役目って、子供を危険から守って大事に育てるだけじゃなくて

自分で考えて身を守る方法を教えることだと思うんだけど。

だって、一生守ってやれるわけじゃないんだし。

いずれ残される子供にひとりで生きる術を教えてやらなかったら、その方が可哀想でしょ。

なーんて、人の会話に興味がないと言っておきながら長々日記を書くのでした。