まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

悪寒

2003年10月04日 22時08分00秒 | 日々雑感
前に、わたしには人を見る目があると自慢げに書いたが

それは洞察力のなせるわざというより「勘」のようなものではないかと思えるときがある。

ある休みの日に駅の近くで信号待ちをしていた。

平日の昼間だが、大勢の人が同じ場所で立ち止まっていた。

間に数人をはさんで女子高生がひとり立っていた。

その姿を見たときなんともいえない嫌な気分になった。

その女子高生の全身から、だらしなく堕落した気配が漂っていた。

見ればスカートの丈こそ今風に短いが、髪も黒いし髪形だって普通である。

濃い化粧をしているわけでもないし口汚い言葉で話しているわけでもない。

もっとひどい様子をした女の子なんていくらでもいる。

すさんでいるというのとも違う、何かこう言葉では説明できないような嫌悪感を

なぜか彼女から感じた。

もうすぐ信号が青に変わるというとき、彼女がいきなりその場に唾を吐いた。

普通、女の子は道路で唾を吐いたりしない。

まして衆人環視の前で。

いきがって吐いているのとも違う、ただれた感じの吐き方だった。

ああ、やっぱりこの子はこういう子だったんだとめまいさえ覚えたわたしは

もう彼女のほうを向けなかった。

怖くて。