似て非なる名前

仕事から帰ると父がビールを飲みながら一人でご飯を食べていた。

わたしが帰る頃の父は大抵、酔っ払いである。

母は用事でちょっとどこぞへ行ったらしい。

テレビで「オーストラリアの珍獣」というような番組をやっている。

「あ、この動物なんて言うんだっけ」

知っているけど名前が出てこないので父に聞いた。

「ウォンテッド」

なんか違うような。確かにそういう感じの名前ではあるのだけど・・・。

そのうちナレーターが「ウォンバットが」と言ってくれたので正しい名前が分かった。

そうそう、ウォンバット。

子グマみたいなウォンバットは有袋類である。巣穴を掘って身を守るという。

父と二人、なるほどね～などと感心しつつ見ていたのだが

それでこれはなんていう名前だっけ、と父が聞くので

「ウォンバットだよ」と教えたら

「黄金バット？」

これはギャグだな、とその時は思った。

でも母にこの話をしようと思って

「テレビにウォンバットが出てたらね・・・」と言いかけると

「黄金バット？」

やっぱりそう聞こえるらしい。


※新しく載せた写真は、左が仲良しのＫさん、真ん中が上司のＫさん、右がわたし。