まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

その時代には見えないこと、変わらないこと

2023年07月29日 13時21分50秒 | 日々雑感
大きな企業の不正が発覚すると、その体質があぶりだされるのは毎度のことで

「ワンマン」「誰も逆らえない」「降格人事」など言われるけれど

逆にそうじゃない企業のほうが少ないと思う。

というより、これからは違うと思うけれど

昭和から平成くらいまでにかけて大きくなった会社というのは

「恐怖政治」のような体制だったから大きくなったのではないかと思うのだ。

今、不正で騒がれている企業も『朝礼で企業の思想を読み上げていく』様子を

元従業員が「刑務所のような光景」と語っているけれど

わたしの勤務先だって、会議ともなれば企業理念を大声で唱和したりする。

こういうことに違和感を持ち続けていく人と、慣れてしまう人と

はじめから、会社はそういうところだと思って疑問を持たない人と。

わたしの勤務先も、どこかの営業所に「上層部」の人が突然やってきて、あれこれ指摘を受けると

瞬く間に「指摘事項改善を徹底しましょう」という指令が本部から流れてくる。

指摘の内容は「雑草」「ガラスの汚れ」などなど。

結構、どうでもいいことなんだ。

結果、除草剤も使用するけど、自社の敷地内だけであって街路樹には使わない。

除草剤を使わなければ炎天下の下、草むしりをさせられる人が出てくるんだろうなあ。

今はいないみたいだけど、営業成績のことで怒鳴る上司だっていたし

(わたしは怒鳴られていない。なぜなら非正規雇用で取るに足らない存在だから)

夜中まで残って仕事をするのが当たり前、という風潮さえあった。

こういう組織に従うのも大変だけど、組織に組み込まれたくなくて

非正規雇用の道を選んでも、まったく従わないわけにもいかず

しかも同じような仕事をしても給料はやたらと安いという憂き目にも合う。

どこの企業もあぶりだせば、ろくでもない体質があぶりだされるのだけど

同僚はみんないい人だったりして、組織ってなんだろうなあとしみじみ思う。

一握りの、恐怖体制を敷く経営陣が悪いのか

おかしいことに声を上げない(上げられない)従業員が彼らを助長させるのか。

何十年後か百年後か、「ひどい時代があったんだね」って言われることだけは確かだ。

わたしたちが、歴史を学んだ時に「なんで誰も声をあげなかったんだろうね」って思ったように。
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