一字違いは大違い

商品整理をしていたら、３歳くらいの女の子が近くでおもちゃを見ていた。

「あら、なにが欲しいのかしら？」と話しかけるとぴゅーっと逃げた。

ちっ、逃げられたか、と思っていると、すこし離れたところから

「ママ、お姉ちゃんがいたんだよ。可愛いお姉ちゃんだったよ」

まあ。

嬉しくなってちらっと見ると、向こうも気付き

「あ、ママ、可愛いお姉ちゃんいたよ」

恥ずかしくなって隠れると

「可愛いお姉ちゃん、いなくなっちゃった。あ～あ」

あれ？ちょっと待てよ。

連発してる言葉の頭がたまに「か」じゃなくて「こ」に聞こえるぞ。

初めからわたしの勘違い？逃げたこともつじつまが合うし・・・

どっちだったんだ！？

酔ってないけど

会社の飲み会のときは、大体いづみちゃんが送ってくれる。

彼女はほとんど飲めないので、乾杯の一杯のあとはずっとジュースだ。

駐車場を出てすぐ、パトカーがいるのに気付いた。

わたし達の車が出ると、ずっとついて来る。

同乗者はわたしと美香（２３歳・じゃニーズ命）で、二人ともさほど飲んでいない。

「うわ～ついてくる～」

ちょっといづみちゃんはびびっていた。

「いいじゃん、飲んでないんだし」

など言っているうちに

「前の車、止まって下さい」

え～～～～っ！！

窓が開いた瞬間、警官はいづみちゃんが素面だって気付いたらしい。

「あ、お迎えですか。いや、だいぶ寄ってたもんですから」

熟後と言ってくれ

バイトのミユキ（１６歳・身長１４６ｃｍ）が

「あと、何年くらい生きるのかなぁ」と言う。

なにを寝ぼけたことを、と思いつつ

「あと７０年くらいじゃない？」と、適当に答える。

「まだまだあるなぁ。そんなに生きなくてもいいな、４０歳ぐらいまででいいかな」

そんなこと言わないでくれ、遠い話じゃないんだ。

「なに言ってんの、４０からが楽しいんじゃん」

「あ、老後の楽しみってやつですか」

４０歳は老後じゃな～い！

詰まっていた物

プリンターが壊れた。

ウチのプリンター、コピー兼用で結構大きくて重い。

面が広いのでその上に母が色んな物をのせる。

この人は上に物が置けるところには全て置く人で、

テレビの上に花瓶を置くのはやめてくれと言ってもきかないし

写真立てやらお茶の缶まで置いている。

で、「紙詰まり」表示が出て作動しなくなったので

「鉛筆でも入っちゃったかと思って逆さに振ってみたの」。

そんなもん詰まるか。大体、振ったからって出てくるのか？

修理から戻ってきたとき電気屋さんが言った。

「５００円玉が詰まってました」

ど～にもこ～にも

母は宵っ張り。

毎日、午前２時過ぎまで起きている。

ちょっとした書類の整理を除けば、あとは趣味に没頭しているのだ。

「押し花」　「ペン習字」　「写真の整理」・・・。

当然というか、入浴時間も遅い。

いつもは12時頃入るのに、夕べは珍しく10時前に入った。

で、いつものごとく夜更かしして１時頃、なんだかお風呂に入る気配がする。

（風呂、入ったんじゃない？）と、部屋で思っていたら大きな声がする。

「あれ、なんでお湯が少ないの？」

（さっき入ったからだよ）

「あらやだ、お風呂入ったんだっけ！」

（やっと気付いたか）

「や～だ、裸になっちゃったよ～」出てきたと思ったら、「お父さん、またお風呂入っちゃたよ～」

報告に行くなよ、夜中なんだから。

おまけに追い炊きのガス、点けっぱなしだし・・・。