新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月9日のニュース

2014-10-10 07:34:14 | コラム
韓国問題と村上春樹で不必要に賑やかだった:

韓国中央地検の産経の加藤前支局長を在宅起訴したニュースを、私は地検は起訴にまで持ち込んだ以上無罪とする意図はないと思って聞いていた。加藤前支局長も検察での尋問にそういう意図を見たと言っていた。彼が元にした朝鮮日報が不問に付されたことからは「何が何でも加藤前支局長だけは」との意図があるかと思えるのだ。

夜8時からのBSフジに出演した韓国の法律面に詳しいという高弁護士は「韓国では通例第一回公判までに1ヶ月、一審判決までに8ヶ月を要する」と指摘したのにはやや驚かされた。加藤前支局長は」出国禁止は3ヶ月毎に延長と聞かされたとも言っていた。同弁護士はさらに「中央地検は司法省の管轄下にあるので司法ではなく行政に属し、裁判所が司法であり過去の司法の判断には名誉毀損を有罪としない例もあった」とも述べていたのが印象的だった。

高弁護士は「中央地検は大統領府の強い意向というか意思表示を受けて、起訴に持って行かざるを得ない立場にあったのだろう」とも推測していた。私はこのような状態にある国を「起訴とは民主主義国家にもあるまじき所業」として強く非難してもほとんど無意味ではないのかと思って聞いていた。同じ番組に出ていた曾野綾子さんは「他の国では何でもありと思っている方が無難」と指摘されたが、我が国の基準で韓国を非難しても詮ないことだと痛感させられた一件だった。

何れにせよ、韓国ではこと日本となれば国際関係の軋轢などよりも相手を叩くことに専念し、大統領への中傷は許さないという姿勢を見せていた。私はこの起訴が「韓国とは如何なる国で、如何なる対日感情を持つ国か」をあらためて我々に向かって明らかにした案件だと痛感している。

村上春樹が今年もノーベル文学賞の選に漏れた。残念だとは思う。だが、マスコミ、特にテレビは大いなる期待感を見せて朝から晩の8時まで空騒ぎ(失礼!)していたのは寧ろ滑稽だったと思って見ていた。私はある国文学者から今年も受賞の可能性は低いと春頃に聞かされていたので、彼の予測を信じてほとんど期待していなかった。選に漏れるとの予測の根拠は記憶が正しければ「過去に村上春樹のように長い間候補に挙げられていると見られていた作家が受賞した例は希だ」だった。

正直に言えば、私は村上春樹の本は一冊も読んでいないし、如何なる分野に属する小説家で歩かすらの知識もなかった。だが、彼が海外では彼の小説は多くの国の原語に翻訳され非常に人気がある作家ということくらいは承知していた。私は彼が前出の国文学者から「スリップストリーム」(=slipstream)に属し、この言葉が1989年に出来た言葉だと教えて貰っている。これは「伴流」即ち「レーシングカーの後方に出来る低気圧で空気抵抗の小さい区域」を意味するとジーニアスにあるにある。

因みに、彼の解説には「これは貴方を忽ちのうちに大変奇妙な感覚に陥らせるタイプの作品である。貴方がまともな感受性を持った人間であるならば20世紀に暮らしているせいで、奇妙な感覚に陥らされると同様に」とあるが、何のことか直ちに理解できただろうか。