新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

小渕優子経産相問題

2014-10-19 09:35:20 | コラム
松島みどりだけに終わるのかと思ったが:

私は松島みどりが閣僚に任命された時に「問題を残す人事だ」と朝日新聞出身であること以外に何ら具体的でも論理的でもない根拠で危ういと感じたものだった。

民主党のレンホーが勝ち誇ったかのように松島法相をうちわ(なのだろう)問題で責め立てた時には「如何にも民主党らしい揚げ足取りで、国会審議を遅延させる古き悪しき時代の彼等の手法の再現か」と鷹揚に構えてみていた。ところが、案に相違して彼等はマスコミが「末は女性初の総理か」と囃し立てた小渕優子経産相の政治資金報告書の矛盾を暴き出し、彼女がそれを認めだしたのには「何と言うことか」と情けなくまた不愉快にさせてくれた。

私にはその矛盾というか誤記載?を何年もそのままにして過ごしてきたことは理解しにくいし、ご当人が例によって例の如くに「調査する」と述べていたのも「またか」と思わせられただけだった。何でこのような事態を見抜けずに(事前に調査できずに)任命してしまったのかも、単に杜撰と言って片付けられない失態かと思わずにはいられなかった。

このような杜撰な会計処理は何も小渕優子だけに限られた事案でもないと疑いたいが、民主党が持ち出せたと言うことは自民党側でもその気になって調査していれば未然に防げた問題ではなかったのかという気もする。だが、未然に防いでおけば良いという問題ではなく、かかる事態を生じさせた小渕側が責められても仕方がないと思うのだ。ないしは、小渕の事務所では承知の上で行っていた処理ではないのかと疑いたくなる。

ご信頼申し上げている公認会計士・S氏によれば「甘いの一言」であると。「ご当人の問題であり、周囲の責任ではない」と言われた。だが、民主党他の野党は安倍内閣の責任を追及するのは解らないでもないが、内閣を陥れて何を得るのだろうか。まさか民主党は政権に復帰を企んでいるのではあるまいな。

アメリカという国

2014-10-19 08:28:45 | コラム
オバマ大統領とアメリカが抱える矛盾と責任:

オバマ大統領の支持率が就任以来最低の40%にまで落ち込んだことは既に扱った。私はこれでは彼の無力化が進んでいくだけかと思って眺めている。以下にその根拠を述べていこうと思う。

アメリカという国はこれまでに何度も指摘してきたように、外部からは「(人種を含めて)差別がある国」とする傾向がある。私はその状況を「縦と言うよりも横一列に多くの階層が並んでいる国で、その複数の階層を横に貫通する串がない国」と形容してきた。その多くの層の中には、嘗ては少数民族(minority)とされたアフリカ系、ヒスパニック、中国や韓国系、を多く抱えるアジア系、イスラム系等の階層(塊)があり、その間での移動は極めて希であり、そこからの社会的ないしは政治・経済的に所属する階層を離れての身分の垂直上昇は甚だ難しいと捉えている。

換言すればアッパーミドルから上の階層に属する、アメリカの人口全体の数パーセントを占めるに過ぎない富裕層に属する家庭に生まれなければ、年間の学費が5万ドル(約500万円)を苦もなく支出できる家庭に生まれなければ、経済や政治を支配する地位や身分に上り詰めることは非常に困難なのである。

数万人の社員を雇用しアメリカを支えているような大手企業の経営の中枢を占める者たちの圧倒的多数は、上記のような高額の学費を必要とする東部のIvy Leagueの大学や西部のStanfordのような大学出身者で当たり前のようにMBAやPh.D.という学位の所有者である。勿論、そういう階層に属さない者たちにもビジネススクールや法科大学院の出身者はいる。だが、私は寡聞にしてそういう人たちが経営の中枢にいる例を余り知らない。

オバマ大統領はこのような富裕層が入学する大学を経てHarvardの法科大学院出身の弁護士である。私はこの学歴を見れば立派な富裕層出身の政治家であると思ってしまう。しかし、彼は民主党が推した大統領候補であり、共和党を候補者を二度も破って大統領に選ばれている実力者だ。私は彼を支持する層が所謂富裕層であるとは聞いていない。上記のそれ以外の層であると聞かされている。

即ち、極論的に言えば大統領は「アメリカを実質的に支配していながら人口としては絶対多数ではないものの経済界を支配している者たちの上に、今や白人層を超えると見られている以前は少数民族といわれた者たちの支持によって立ち、彼等を統治せねばならない任務を背負っている」のであると考えている。しかも、オバマ大統領はオバマケアと言い新移民法と言い、支持層のための政策を講じて行かざるを得ず、それが反対派には全面的に支持されてはいないのである。矛盾ではないか。

故に支持率が高まらないのだと見える。私はこれほどの単純な矛盾を抱えていても彼は世界最強且つ最大の国の大統領として国内のみならず全世界的な難関と難問に立ち向かっていかねばならない指導者なのである。しかし、彼が如何に努力してこれまでに見せてきた政治・経済・軍事・外交面の手腕と実績では、彼が対峙するロシアのプーチン大統領、大国の中国の習近平、イスラム国等を圧倒するのは容易ならざる業としか思えない。

私はもそもそもクリントン政権以降の民主党政権は我が国に対して全面的に好意的だったとは思っていない。その表れの一つがTPP交渉問題であるとも思っている。だが、今や世界の情勢はアメリカの以前にも増した強力な指導力を必要とする緊急事態にある。オバマ大統領の資質を云々していられる悠長な時ではない。私は彼自身が世界の大局を読み切って、毅然として難局に対処してくれる以外に事態を好転させる方法はないと思う。彼の奮起を願うだけだ。

私は彼を選んだアメリカの国民もその責任に相応しい行動をしてくれると期待する以外あるまいとも思っているのだが。現在の世界情勢は彼等の選択の結果であると自覚して欲しいのだ。