新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3日夜のキリンカップサッカー

2016-06-04 07:53:43 | コラム
試合相手の選択を誤ったのかと思った:

何と形容して良いのか迷ってしまう結果の対ブルガリア戦だった。テレ朝の松木と中山の掛け合い漫才が五月蠅くて何度か「消音」にして観戦したので、あるいはチャンとしたフル代表メンバー出来たのかどうかを聞き漏らしたのかも知れない。だが、あれが我が方よりもFIFAの当てにならないランクが上とはとても思えない相手だった。試合開始4分であわやオフサイドかと思わせたほど見事に裏を取った岡崎の先取点でブルガリアが調子を崩したのかも知れないかとは思ったが、余りに手応えを感じさせなかった。やる気があるのかと疑いたくなったほど、気力を感じさせなかった。

前半に取った4点は何れも綺麗に流れの中でのもので、文句の付けようもない見事だった。この試合の為の短期間の練習であれほど上手くなったのか、あの出来こそが彼らの秘めたる実力だったのか、あるいはブルガリアが弱すぎたのかの何れかか、あるいは全部だったのかが解らないほど綺麗な得点だったし、良い出来だったと素直に褒めても良いだろう。

特に本田を使わなかった場合に、というか香川を単独で使えばどういう結果になるかに非常に興味があった。果たせるかな、香川は生き生きとして走り回り、対抗馬として期待するなどとマスコミが戯言を言う清武までもが伸び伸びとしていたのは収穫だっただろう。それだけではない、前半は前にいた者たちが実に良く動いてブルガリアがキープしたかと思えば直ちに当たりに行って忠実に反撃の芽を摘んでいたのは大変結構なことだった。それが監督の方針だったのか、彼らが忠実にやるべき事をやっただけなのかは知らないが、良い出来だった。偶々ではないことを祈る次第だ。

前半は褒めることだけで、全く文句なく見ていられた。長友も漸く彼らしい正確なセンタリングで香川に2点目を取らせたし、堅実に守って見せて再三チャンスを演出した。私がこれまで不正確なクロスしか上げられないと評価してこなかった酒井宏樹が見違えるほど正確に蹴って見せたし、キープ力も付いてきたし、守りにも手抜かりがなかったのは収穫だっただろう。長谷部は安定していたし、吉田麻也も良く走って上がり2点も取ったのは良かったが、彼をあれほどフリーにした相手は何をやっていたのだろうか。森重は守備だけの人としては評価出来るだろうし、柏木も良かった。ところで、小林というのは何処かにいたのかな?

後半になって香川がどう見ても彼の当たり方が悪くて腰を痛めて後退した辺りから、従来の日本代表のサッカーに戻ってしまい、3点が取れただけに終わったのは残念だった。矢張り香川を引っ込めて宇佐見は兎も角、私が全く評価していない金崎と原口(何故か監督さんがこの両名を使いたがるのだ)を出した為に、前半の綺麗なパス回しが出来なくなり、忠実に前線で当たることもしなくなったのは頂けなかった。疲れたなんていうのは理由にならない。

しかも、監督さんが何で出したのか解らない川島の判断が悪く、2点も献上したのは酷評したい。川島がPKを止めたのを褒めたい向きもあるだろうが、彼は西川や東口よりは劣る過去の人だと、私は決めつけたい。ここでも女子代表と同じ事で気になったのは、世代交代が軌道に乗っていないこと。後半になって出てきた遠藤等も含めてJリーグだけで育った者たちは「あのレベルでは通用するが」の域を出ていない。海外で経験を積ませないと(積んでくる意欲がないと)現状のままでは使えないことを立証してしまった気がする。

海外に行った場合の難しさは「周りが上手いから上手く使って貰えるが、周りがそれほどでもない日本代表に入ると」となってしまうことだろう。香川と本田がその格好の悪い(?)例だろう。当たられることの危険さはドイツでそれなりにやって実績がある内田が壊れたきりになっているのが参考になるだろう。

昨夜は我が国の代表に見られる「当たられ弱さ」が不思議なほど出なかったし、寧ろ当たり勝っていることさえあったのは結構だった。私は我が国の連中が当たられ弱いことの原因の一つに「我が国の審判が神経質にと言うか余りにも忠実に反則を細かく取り過ぎるので、当たられることを経験出来ないし、迂闊に当たって反則を取られないようなフェアープレー(?)に徹したサッカーを教えられてきたこと」があると固く信じている。ラグビーやフットボールのように始めから当たられることを前提に鍛えてあれば話は別だが、何となく体幹が鍛え抜かれていない気がする。

何れにせよ、昨夜見事に綺麗に点を沢山取って勝ったのは良かった。良い出来だったと再び素直に褒めて終わる。

ハリルホジッチさん、あのまま本田を使わないでもう一試合やってみませんか。