新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月27日 その3 英連合王国について

2016-06-27 17:01:28 | コラム
英国のことをほとんど知らなかったと大反省:

これは、私が1991年に休暇を取ってノースウエスト航空(現デルタ航空)に貯めてあったマイレージを使って、初めてヨーロッパを回ってUK(英連合王国)を訪れた際に出会った、某大船社のロンドンに駐在しておられた欧州担当常務が明らかに謙虚に反省を込めて言われたことである。初めてUKに入った私には非常に印象的だった。UKに対する対抗意識が非常に強いアメリカに馴れきっていた私は「UK何するものぞ」的な感覚もあって入国したので、一層その印象は強烈だった。因みに、私は1995年に2度目にUKに入ったのが最後である、アメリカには50回以上も行っていたが。

そう聞かされた後の数秒間に考えてみれば「UKには王室があり、エリザベス女王がおられるが、君臨すれども統治せずであり」、「ロンドンは歴史と伝統がある古き良き都であるが薄汚れ、食べ物が不味く、アメリカとは異なる英語を話すがアメリカ式英語でも用は足りる」程度の認識しか持ち合わせておらず、単なる物見遊山能ような感覚で入ったので、多少反省させられた。

常務氏も言うなれば軽い気持ちで赴任され、いざ入ってみれば余りにもこの国のことを知らなかったと大反省して極力見聞を広めるように国内と担当地区のヨーロッパを回って見聞を広められたと語っておられた。当方も休暇中にも勉強をするとは予期していなかったので些か当惑したが、一般論として我が国ではUKを有り難がりその英語を敬っている割には「英国とは」という知識の底が浅いのかなどと考えていた。そんなことを考えていたが、食卓にあった北海で獲れたサーモンは絶品だった。

1972年にアメリカの会社に転身するまでは寧ろUKの大手製紙会社との交流の方が多かったので、少しは彼らのことは承知していた。中でも印象的だったのは「イングランドなどという言葉を使うな。我々は”United Kingdom of Great Britain”から来たのだから”UK”と言え」や「日本に来て先ず『アメリから来ましたか?』と尋ねられるのが最も不愉快」であるとか「当日の最後の見込み客との話し合いの後の夕食の時間までは最短でも90分は空けること。その間に”Wash and shave (またはchange)”をする必要がある」とか、”Where can I wash my hands?”のような表現を用いる人種である等を学んではあった。言うなれば尊大であるが、それほど有り難がる必要がある人たちだとは思わなかった。

言うなれば、私のUKについての知識はこの程度で、ごく普通の同胞の方と異なるものではないと思う。尤も、アメリカについての一般の方々の知識も対UKとさして変わっていないと思うが。であるから、今回のUKの離脱劇には何ら予測するに足る判断の材料の持ち合わせもなく、単純に「閃き」だけで準備?していたのだった。そうである以上、マスコミももっと信頼するに足る情報を流して欲しいし、テレビにご登場願う権威者(?)でも「全く予想していなかった」と堂々と反省弁を述べられるような方は避けて欲しいのだ。私には「UKの事情には通じていなかった」と言ったのと同じに聞こえるので。

6月27日 その2 AIIB(中国)と鳩山由紀夫と我が国

2016-06-27 08:13:45 | コラム
中国は鳩山を使って日米関係を切り崩したいだけなのか:

私は中国の狙いはそんなところだけにあるとは思っていません。中国の艦船が連日のように我が国の尖閣諸島近海のEEZに進入したと報じられています。過日、河添恵子氏は「中国は沖縄の獲得どころか我が国を属国化する狙いが」と指摘されました。妙に説得力がありました。

その野望を抱く中国の誘いにオメオメと乗ってAIIBの顧問役就任を受けるとは、彼をBAKAなどと言えば本物のバカに失礼でしょう。「蟻の一穴から」と良く言われますが「鳩の一巣から」我が国に危険が迫りつつあるのではないかと、私は例によって悲観的になっています。

UKがEU離脱を決定すると

2016-06-27 07:12:52 | コラム
EU離脱の決定には悪いことしかないのか:

23日のUKの国民投票の結果が判明して以降、我が国ではマスコミ自体と政府関係者、有識者、専門家、評論家がこの問題を採り上げて深刻且つ真剣に論じてきた。言うなればメデイア揃い踏み状態だ。勿論、このような世界を揺るがすような大きな問題というのか、事案というのか案件というのか知らないが、に関しては、ただ単に感性だけで論じる私には深いことは解らないので、それを一所懸命に拝聴し拝読してきた。

結果的に良く解らないままに解ったことは「UKの国民がEUを離脱と決めたことには何らの経済性も利点も強みもないことである」ようだった。そこで生じた疑問は「では世界で最も優れていて我が国の多くの方が尊敬した止まない紳士の国である英国(誤った表記だと思う、あれは英連合王国でありイングランドはその中の一つ)の過半数の国民が、そのような危険極まりないことに走ったのだろうか」ということ。私には良く解らなかった。少しは何らかの良い面か利点があるかないかを、私は知らせて欲しいのだが。

多くの所謂識者の方々が事が終わって言われたことが「予想していなかった」であるとか「英国民の良識に期待していた」という類いの反省の弁に近いことが多かった。私は彼らがUKの多くの下層の国民が他のEU圏内やイスラム教国等から多くの移民と難民が移住乃至は流入し、下層の職を奪ってしまったことをご承知でないはずはないと思った。それを知っておられれば、アメリカで誰が何の理由でトランプ氏を支持したかを、何故お考えにならなかったのかと不思議に感じた。

惑わせられ、迷わせられるのは罪なき一般大衆である。事が終わってから反省の弁を述べられても困るだろう。UKの国民投票の結果の負の影響と思われることが既にスコットランドでも起きているし、EU圏内にも「うちも離脱するか?」と検討を始めた国もあると報じられている。私はこういうマスコミ報道に感謝している。それは、あの結果がそこまで影響するのだと知ることが出来たからである。マスコミ報道にも偶には役に立つものもあったなどと言えば怒られるかな。

余談だが、2番目の文節に「何らの経済性も利点も強みもないこと」としたのは、本来カタカナ語であればここで「何のメリットもない」となるのだが、”merit”にはそういう意味はないので、典型的な「言葉の誤用」であり、私は使わないし、使いたくなかったのである。”merit”をOxfordで見れば”the quality of being good and of deserving praise, reward or admiration”があり、2番目に”a good feature that deserves praise, reward or admiration”とある。この何処にカタカナ語の「メリット」の意味があるのか。これは「経済性」か「優位性」か「価値」の意味で使われている。我が国の先人は何処で解釈を誤ったのだろう。