新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月12日 その3 無駄な抵抗だと承知の上で

2017-02-12 15:28:54 | コラム
カタカナ語排斥論者は嘆く:

近頃、政治家に加えてマスコミというか評論家や著名人がしきりに使われるカタカナ語に「ウインウイン」がある。あらためて言うまでもないが、その意味はジーニアス英和にもあるように「(交渉などで)双方が満足できる」ことだ。だが、ここには困ったことに使い方に誤りがあるのだ。それは“win win”はOxfordには“only before noun”であって形容詞となっていることだ。カタカナ語ではほとんど名詞として使われている。

私はカタカナ語排斥論者だが「どうお使いになろうとご随意に。但し、それは英語ではなく我が国で何処かの通信社が創り出したか、先人が苦心して編み出した純粋の日本語であるとお心得を」と言って来た。だから、件名は敢えて「無駄な抵抗」としたのだ。

私は我が国でカタカナ語を濫用するか、創り出す方々の語彙の広さには尊敬すべき点があると思っているともずっと言ってきた。私はお恥ずかしながら22年以上もアメリカの会社の一員として働きながら、こういう表現があるとは承知していたが“win win”などという難しい表現を使う機会などなかった。使えた記憶がある表現は“It appears we are in no-win situation.”だけだった。これは当に反対で「決して勝つ見込みのない」か「うまくいきそうにない」とジーニアス英和に出ている。しかも、チャンと“situation”という名詞の前で使っていた。

もうこれくらいで良いだろう。格好が良いと思ってカタカナ語を幾ら使っても私の知ったことではないが、“win win”は形容詞であって名詞の前に置くべき言葉であることくらいは、政治家もマスコミの方々も知っていてくれないのでは如何なものかと思う。この程度が我が国の科学としての英語教育の成果では情けないではないか。そんな連中が小学校から英語を学ばせようというのも困ったものだと思うが。

2月12日 その2 トランプ大統領の評価を急がないことにした

2017-02-12 13:53:19 | コラム
未だ正体不明であると思う:

私がトランプ大統領について限りなく残念に思うことは「私が22年半懸命に勤めて(努めて?)きた良い国であるアメリカにあの様な大統領が出てきたというか、アメリカ人はトランプ氏を選んでしまった」ということ。ずっと指摘したような「彼が無知であるかないか」ではない。就任以来あれほどの混乱を国内外に生じさせて、仮令彼の不動産業界で培ってきた作戦の駆け引きだったとしても、それにどれほどの得があるのかと思うのだ。

私は40年間営業担当として取引先以外にも誰であっても誠心誠意で尽くしてきたし、“trust relationshipの確立”を目指して小細工や駆け引きを避けることを重要視してきた。信頼関係を確立出来れば、そこから先はお互いに腹蔵なき意見交換が出来て、取引額も順調に伸びていった。トランプ大統領の手法はそれとは大分異なる点が多々あるし、駆け引きと認められるやり方が多い。最高権力者は駆け引きや小細工を避けてくれればと思うのだ。

だが、先ほども愚息の1人と語り合ったのだが、「未だトランプ大統領の評価を定めるのは時期尚早で、これから先に如何なる姿勢で(大駆け引きをするか否かも含めて)中国以下と接していくかを見守っていくしかないのではないか」を結論とした。私にはトランプ様は22年半のアメリカ製造業の会社勤務では見たこともない指導者で、ただただ戸惑っている間に述べてきた私の独自の懐疑的な意見と見解があった。それは未だ「疑い」の段階であり、知識不足とか無知とは断定は出来ない。

私はアメリカの最高権威者である大統領が、あれほど大小取り混ぜた駆け引きというか、戦略を駆使するのは好みではない。普通に正面から行かれれば良いだけのこと。信頼関係の樹立か確立を正攻法で目指して欲しかった。私の生涯最良の上司だった副社長は別名を“big spender”と呼ばれ、常に「そんなに豪華な接待をしてくれては」(ある購買部長さんは“too much hospitality”に終わったらどうするの?と私に問いかけてきたこともあった)と言ったほど、言わばトランプ大統領のこの度の安倍総理の歓待と似たやり方をしていた。

そして、その思い切った経費の使い方で日本のお客様を歓待し、その後の誠心誠意のつき合い方で真の意味の信頼関係を確立していったものだった。その直向きさは日本のお客様には理解して頂けた。それと、トランプ大統領方式とは違うと思うのだ。事実、評論家や専門家は懸命にあの歓待の裏を読もうとしているではないか。そこがトランプ様の損なところだ。未だ正体が現れていないのだ。

トランプ大統領が安倍総理をあそこまで厚遇することが「純粋に気が合う他国の総理大臣だから」なのか「後々借り勘定になって負担となり、安倍総理が何らかの形で義理を果たすように追い込むのが狙いか」などは外野から解る訳はない。即ち、現時点では時間をかけてトランプ大統領の真の(狙いとしていた)政治姿勢が見えてくるまでは(私の英語の表現は“reveal his true identity”)は「待ち」の姿勢を採るしかないと思う。

彼がアメリカファーストと純粋の愛国の精神から大統領令を発して7ヶ国を閉め出すとか、NAFTAをものともせずに関税をかけると声高に主張されるのが、知らぬが故に言うのか、駆け引きか、真意かはこれから見えてくることだと思うのだ。大統領が自国の為に色々と策を立てるのは普通のことだろう。だが、現時点では私の心中では「困った人が大統領になったな」と見るのがやや支配的な感がある。だが、断定は時期尚早であって欲しい。


Englishの簡単な表現

2017-02-12 10:31:41 | コラム
簡単な表現集:

“Well put.”
解説)俗な言い方を採れば「言えてる!」だろうが、「上手い表現だ」とする方が正確だろう。一寸聞いただけでは何のことか解らないだろうと思う。“Let me put it this way.”と言えば「私に言わせて貰えばこうなります」となるので、“put”の使い方の例として覚えておくと役に立つだろう。即ち「言う」の意味で使われるのだ。

“Let’s sit down to have a chat.”
解説)「座って話をしよう」ではなく、「話し合おうぜ」と言いたい時に使われる。“chat”と言ってはいるが、往々にしてそれほど簡単に話が終わらないのだ。即ち、「重要な話しがあるから一寸来い」と考えても良いかも知れない場合があった。しかし、本当に「一寸話をしようぜ」と言いたくても使える表現。

“What time do you have?”
解説)これで「今何時ですか」と尋ねているのだ。普通は“What time is it now?”と教えられているだろうと思う。それでも確かに“通じる”のだが、彼らは時間とは自分のものであると認識しているので、自分の都合で動くことが多い。故に「貴方の時間は?」と尋ねるのだ。ところで、“You have time?”だと「時間があるかい?」となってしまうので、英語はややこしい。

“Nice meeting you.”または“It was very nice to have met you.”
解説)前者はかなり略式だが、こういう事をいきなり言われることはあるだろう。後者は言わば正式な表現で、学校教育で教えそうなものだと思っている。何れも「お目にかかれて良かったです」なのだが、初対面で一寸挨拶をした程度でも“Nice meeting you.”と言われることがあると思う。なお、私は個人的に“meet”は目下か自分よりも年少の相手に使う言葉で、“see“を使って“I am pleased to see you.”が無難だと心得ているが。

“Nice talking to you.”
解説)これも略式だが「良い話が出来たね」か「話し合えて良かった」と別れ際に言う台詞。強いて言えば「今日はどうも」辺りか。軽く握手でもしてから、こう言って別れれば格好良いぜ。正式には何と言えば良いかは適当にお考え願いたい。

“So what?”
解説)こう言われるのは余り芳しくないと思う。折角一所懸命に何か助言をしたとか、意見なり考えを述べた時に「それがどうした?」か「それだからどうだって言うのか」と切り返されたのだから。何か気に入らないことを言われた際に、こう言って見れば良いような表現だ。

“So far, so good.”
解説)「これまでの所、まあまあ何とか上手く行っている」か「ここまでは調子は悪くはない」といった意味で使われる。何事も断定的に言うしかない英語の表現としては珍しく曖昧だ。だが、曖昧なるが故に使えるのだ。例えば“How is your big project going?”と訊かれた時に、こう言えば良いのだ。その前に「よくぞお尋ね下さいました」として“Good thing. You asked.”とでも言えば面白いか。

“Let put this matter behind us.”
解説)「この件はこれで終わりにしようぜ」という意味だ。初めて“put it behind us”を聞いた時には一瞬迷った。だが、前後の関係とその自分たちが置かれた局面と「語感」で何とか判断出来た。上手いことを言うものだが、簡単なと言うべきかやさしい言葉で結構複雑なことを言えるのがEnglishのイヤらしさなのだと思う。