新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月3日 その2 トランプ大統領のbehavior

2017-02-03 19:11:33 | コラム
人差し指で指さしていた:

トランプ大統領の傍若無人としか見えない振る舞い(掲題では敢えて“behavior”と英語にしたが)には余り好感を持てなかった。更に、随分長い間アメリカ人の世界から離れていたせいか、ついウッカリしていて気付かなかったが、3日の午後の何処かの局に出ておられた日大芸術学部・佐藤綾子教授(心理学)が指摘しておられて思い出した。それはトランプ大統領が人差し指を突き出して誰かを指されるのは「アメリカ人の世界では絶対にやってはならない礼儀作法違反である」と教えられていたこと。それ故に在職中は5本指を出すとか、手をそのまま差し出すとか十分過ぎるほど気を遣っていた作法である。

その言わば「マナー違反」をこともあろうにアメリカ大統領が公共の電波を使用して(テレビ中継が入っているのを意識してもか?)堂々とやられるとは、外国人の私でさえ気にしていたことを無視されたとは、寧ろ驚きである。もしかすると、お好みだったプロレスの試合の場での振る舞いも、大統領としての威厳も同じことで何をやっても良いのだとでもご認識かとすら考えさせられた。素直に「あれはおかしい」と言いたい。

一事が万事この調子で、アメリカ新大統領が何をどうご認識で、どのように振る舞うかも大統領の権限のうちであるかとでもお考えかと迷わせられる。くどくなるが、日米間の自動車摩擦問題にでもなりそうな、イヤ意図的にその方向に誘導されている発言辺りを聞いていれば、正直なところまたもや彼の正体を見失いそうで不安な気がしてくる。

古い話を思い出したが、1975年頃に当時の私の上司が事態を正確に認識で出来ていないことを、彼の部下が“You are missing the point.”と真っ向から指摘し、それでも解って貰えなくて追いかけて言ったことが、“You are confusing yourself.”だった。「アメリカ人は流石に上手いことを英語で言えるものだ」と感心した記憶がある。この二つの台詞を、そのままトランプ大統領に献上したい。更に「マナー違反は意識的ですか」とも伺いたい。

トランプ大統領の正体の分析の補足

2017-02-03 10:31:27 | コラム
ビジネスマンの範疇には入れが:

私は彼トランプ氏の言葉遣いが乱暴な点と、就任式の際に見せたコートの前を開けたままの着方とか、衒ってやっているのかと疑いますが、礼儀作法の粗暴さは感心出来ません。そういうおかしな点を全てぎ落として判定すれば、あれでも一寸型破りのアメリカのビジネスパーソン範疇に入れても良いかと思います。但し、数人しか会ったことがないアメリカの不動産業界の副社長級でも、もう少し洗練されたマナーでした。

余談の部類に入るかと思いますが、紙パから完全撤退し林産物と不動産業の会社になってしまったWeyerhaeuserの現在のCEOは不動産部門の人だそうです。私には会う機会もなかった人ですが、あの会社の人にトランプ氏のような不作法者がいるとは考えられません。

ゲーム感覚ではないかと疑いたくなるような、いきなりハッタリをかましてくる辺りは、私がお世話になった製造業のエリートたちでは考えられませんし、論旨の展開の理論的ではないのも、一寸気になります。銀行・証券業界ではあり得ない服装の粗雑さも気になります。アメリカのビジネスマンの服装学は「紳士」と我が国一般的に信じられているUKよりも遙かに厳格です。その厳しさは銀行・証券業界の基準が基になっています。

その服装学はジョン・モロイという人が著した“A New Dress for Success”(邦題「出世する服装」)が聖典になっています。私がサンフランシスコのfinancial districtで見かけた人たちの洗練された着こなしと物腰とはほど遠いのがアメリカの大統領では困っちゃうな、ではありませんか。