無知と疑える材料が多過ぎる:
10日のPrime Newsでも司会の反町に問われた甘利元大臣は暫く逡巡してから「知らないと思わせる点が多々あるが、あるいは知っていて知らん振りをしているのかと思わせることも・・・」と断定を避けたものの、無知論に傾いているかのような印象だった。
私も選挙キャンペーン中から「本当に無知か、あるいは何もかも承知で知らない振りをして暴言や妄言を吐いているのかの判断が難しいが、どちらかと言えば前者に限りなく近いと思わせる」と論じてきた。
実際に大統領に就任してからの言動を見ていれば、トランプ氏は物事を知らないと見るよりもその知識(と経験の幅)は極めて限定されているというのが正確かと思うようになった。極論をいえば「個人経営の不動産業者のオウナー社長がまかり間違って大統領になってしまったのだから、政治・経済・軍事・外交・海外事情・貿易業務の実態等々に精通していなくても何ら不思議ではない」のだと考えるようになった。
実は、私自身で「大統領として心得でいるべきでもご存じでないことは、百戦錬磨で経験も知識も豊富な側近たちから必要に応じてブリーフィングを受けて補って行かれれば何とかなるのではないか」などとおかしなことを言っていた。また、誰だったか(デーブ・スペクター?)は「彼は他人が言うことに耳を傾けまい」とも言っていた。これはあり得ることだと思っていた。
私は22年以上のアメリカの会社勤務で多くの最高責任者、副社長、副社長兼事業本部長、マネージャー等に接してきたし、ある日突然何処からともなく現れて着任してきた偉い人たちに出会ってきたし、一緒に仕事もしてきた。だが、ただの一度も「俺は新任でこの部門の仕事の実態を知らないので、これから一所懸命に勉強するから宜しく。色々教えてくれ」などと言われたことはない。
だが、彼らは着任して3日もすれば昨日までその仕事をしてきたかのように、何から何までこちらが聞きたいほど精通しているところを見せるのだ。一体全体何時の間にそこまで仕込んだのかと驚倒させられた人物もいた。だが、部下たちは誰も驚かない「当たり前だ。彼がこの中で最も年俸が高いのだから」と言うだけだった。それがアメリカだ。そうなのであり、上司は全知全能で、全てを知っていてその部下たちを管理・監督して運営するのだ。その全知全能になるためには恐らく何日も不眠不休で勉強していると察してきた。
屡々評論家や有識者の方々は「トランプ大統領の周囲にいる側近(aides)が必要があるか、ご下問があったときにご進講申し上げるだろうから、その知識不足は補えるのでは」というようなことを言っておられた。だが、アメリカ合衆国の最高責任者である大統領が「マテイス君。尖閣諸島関連の安保のことを教えてくれ」と言うだろうか。あり得ないだろうピーター・ナヴァロが「大統領、中国は一つって意味お解りですか」としゃしゃり出るだろうか。ゴールドマンサックス出身者を呼んで「為替の知識を教えろ」と言うだろうか。
本来ならば、トランプ氏は大統領当選が確定した日から不眠不休で英語で言う“home work”に勤しんでいなければならなかったはずだ。それでこそ大統領だ。だが、遺憾ながら、私には未だにトランプ大統領が諸般の事情に何処まで通じておられるかは解りようがない。ここまで来れば、トランプ大統領の知識の深さや幅を論じるよりも、彼自身の器量の大きさの問題ではないかと思うのだ。
10日のPrime Newsでも司会の反町に問われた甘利元大臣は暫く逡巡してから「知らないと思わせる点が多々あるが、あるいは知っていて知らん振りをしているのかと思わせることも・・・」と断定を避けたものの、無知論に傾いているかのような印象だった。
私も選挙キャンペーン中から「本当に無知か、あるいは何もかも承知で知らない振りをして暴言や妄言を吐いているのかの判断が難しいが、どちらかと言えば前者に限りなく近いと思わせる」と論じてきた。
実際に大統領に就任してからの言動を見ていれば、トランプ氏は物事を知らないと見るよりもその知識(と経験の幅)は極めて限定されているというのが正確かと思うようになった。極論をいえば「個人経営の不動産業者のオウナー社長がまかり間違って大統領になってしまったのだから、政治・経済・軍事・外交・海外事情・貿易業務の実態等々に精通していなくても何ら不思議ではない」のだと考えるようになった。
実は、私自身で「大統領として心得でいるべきでもご存じでないことは、百戦錬磨で経験も知識も豊富な側近たちから必要に応じてブリーフィングを受けて補って行かれれば何とかなるのではないか」などとおかしなことを言っていた。また、誰だったか(デーブ・スペクター?)は「彼は他人が言うことに耳を傾けまい」とも言っていた。これはあり得ることだと思っていた。
私は22年以上のアメリカの会社勤務で多くの最高責任者、副社長、副社長兼事業本部長、マネージャー等に接してきたし、ある日突然何処からともなく現れて着任してきた偉い人たちに出会ってきたし、一緒に仕事もしてきた。だが、ただの一度も「俺は新任でこの部門の仕事の実態を知らないので、これから一所懸命に勉強するから宜しく。色々教えてくれ」などと言われたことはない。
だが、彼らは着任して3日もすれば昨日までその仕事をしてきたかのように、何から何までこちらが聞きたいほど精通しているところを見せるのだ。一体全体何時の間にそこまで仕込んだのかと驚倒させられた人物もいた。だが、部下たちは誰も驚かない「当たり前だ。彼がこの中で最も年俸が高いのだから」と言うだけだった。それがアメリカだ。そうなのであり、上司は全知全能で、全てを知っていてその部下たちを管理・監督して運営するのだ。その全知全能になるためには恐らく何日も不眠不休で勉強していると察してきた。
屡々評論家や有識者の方々は「トランプ大統領の周囲にいる側近(aides)が必要があるか、ご下問があったときにご進講申し上げるだろうから、その知識不足は補えるのでは」というようなことを言っておられた。だが、アメリカ合衆国の最高責任者である大統領が「マテイス君。尖閣諸島関連の安保のことを教えてくれ」と言うだろうか。あり得ないだろうピーター・ナヴァロが「大統領、中国は一つって意味お解りですか」としゃしゃり出るだろうか。ゴールドマンサックス出身者を呼んで「為替の知識を教えろ」と言うだろうか。
本来ならば、トランプ氏は大統領当選が確定した日から不眠不休で英語で言う“home work”に勤しんでいなければならなかったはずだ。それでこそ大統領だ。だが、遺憾ながら、私には未だにトランプ大統領が諸般の事情に何処まで通じておられるかは解りようがない。ここまで来れば、トランプ大統領の知識の深さや幅を論じるよりも、彼自身の器量の大きさの問題ではないかと思うのだ。