新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月22日 その2 トランプ政権下のアメリカを論じれば

2017-02-22 14:59:23 | コラム
トランプ大統領の下のアメリカ:

22日は私的な事情これあり多忙なので取り急ぎ、簡単なことだけを。

トランプ大統領の日頃の乱暴な言葉遣いは彼の支持層であるブルーカラーやプーアホワイト等以下の層に向けて語りかける都合上、上品な言葉を使うよりも要するに「良いとか、悪いとか」のような表現か“fake news”のようにマスコミを批判する等の誰が聞いても解るような言葉ばかりを使っていると解釈すれば良いのだというのが、二人の意見というか見解でした。その点は私にも納得がいく説明で、何時のことだったか大統領就任後にアメリカ大統領として公式に語った時の英語は語彙も十分であり、それなりの品格も備えていたと聞こえました。

また、トランプ大統領は選挙キャンペーン中に打ち上げた公約をそのまま大統領令何なりで実行に移しているのは忠実で良いのだが、それらが全て実際に承認された訳でもなく、苦戦しているのも間違いない事実だということ。オバマケアも差し止めるとは言ったものの、その下にある者たちだけで3,000万人もあるのが実態だけに、それが国会を通るにしても今年ちゅうはあり得まいということでした。

要するに、共和党が多数派であっても、彼を支持しない一派が党内にある以上、大統領令を発行しても7ヶ国からのアメリカ入国禁止令が法廷闘争に遭ったようなものだということ。中国に厳しい姿勢を採っているのもそれなりの評価は得ても、中国を敵対視した後に何が起きるかを考えておられるのかと思うと、手放しという訳にも行くまいと思うと二人とも見ていた。

また、政権移行テイームが未だ完全に機能しておらず、閣僚に空席が残ったままであるのもさることながら、中央官庁の幹部である官僚が数千人埋め切れておらず、実務が滞っているのはかなり大きな問題である。また、各国への大使の発令も出来ていないのも実態。現に、駐日本大使もケネデイー大使が帰任したままのはずだ。この状態で何時までやっていくのか知らぬが、外交の面では好ましくない状態であろう。

また、我が国でトランプ氏はペンシルベニア大のビジネススクールである“Wharton School”出身のMBAであるように報じられているが(私もそう信じ込んでいました)、実態はあのIvy Leagueの大学の4年生を卒業しているだけのようであると、少し驚きの話しも聞かされた次第。

このままに推移せんか、4年の任期は、途中で弾劾(Impeachment)にでも遭わない限り、やり通せるだろうが、そこまでで終わる可能性がかなり高いと見られている由。ただ、皮肉な見方をすれば、あれだけ公約したことを言いたい放題とも見えるようなやり方で次から次へと打ち出していけば、「あれは良いじゃないか」か「面白いじゃないか」とばかりに支持する層があるのも間違いないところかとの見方もあるだろうと。

話題は未だ他にもあったが、それは何れ別の機会に。

アメリカが変わって行き始めた

2017-02-22 08:01:52 | コラム
トランプ大統領がアメリカを変える気だ:

トランプ氏が大統領就任以降、テレビでも新聞でも雑誌等の定期刊行物を見て、トランプ大統領が話題になっていないことがない日が続いている。そこには専門家、アメリカ事情通、大学教授、学者、通信社等のマスメデイアOB、政治家等々が登場して蘊蓄を傾け、裏表の事情等々を語っておられる。だが、誰も断定的なことを言うのを避けておられる印象は否定できない。また、幾ら承っても未だにトランプ大統領の正体は私には見えてこないし、ポピュリズム的なのかどうかも良く解らない。

しかしながら、私にも良く解ってきたことがある。トランプ大統領の政策の下に私が長年慣れ親しんでいたアメリカが確実に変わっていく方向にあるということ。先ず顕著なことは、色々と揉めている大統領令による7ヶ国というのか、イスラム教徒の排斥にも等しいように見える入国禁止令の発動と、不法移民の強制(なのかな)の送還がある。これはアメリカの歴史で自由にか大らかにか、移民を受け入れてきたアメリカが終わるのかと思わせてくれる。だが、それが良い変化なのか否かは私には解らない。

選挙キャンペーンの大きな旗印だった「アメリカファースト」と“Make America great again”とは、どうやら保護主義貿易であり、自国内で生産することしか認めない産業政策であり、“job”(何度でも言うが「雇用」と訳すのは誤りである)の増大であって、「自国さえ良ければ他の国のことなど知らないと言っているに等しい」ように聞こえるし、世界の警察官の職も辞すると表明したと見える。

これらの政策を精一杯善意で解釈すれば「これまでは世界のため皆のために国を挙げて努力してきたが、その間に我が国は全世界に食い物にされて経済的にも軍事的にも芳しからざる状態に陥った。この状態を看過することは出来ないので、この状態を脱して“Make America great again”のためには形振り構ってはいられない」との固い決意の表明だということになる。

その大目的の為には、“fake mass media”如きが何を言おうと右翼といわれるBreitbart News Networkの元会長・Stephen Bannonを使い、Mattisに国防を委ね、ロシアと何があったか知らぬがエクソンモービルのRex Tillersonを国務長官に任じるという布陣で臨んできたのだ。閣内不一致などという風評も、ものともしない姿勢だともいわれている。

私には中国に厳しい姿勢で対処し、一時は中国からの輸入品には45%だったかの関税を賦課するなどと言っておられたし、我が国に対しても30~40年も前の貿易摩擦の頃のような姿勢でトヨタを批判して見せたかと思えば、自国の劣悪な労働力の質独り善がりのスペックの設定のために輸出市場を失ったことを知らずに、自動車の輸入を制限するという意味のことを言い出す「無知」としか思えないようなことを言って恥じないと見える。

私は批判するが、他国の大統領様が打ち出された施政方針である以上、一個人としては黙って見ているしかないと思う。しかし、あの様な“America First”で“Make America great again”の向こうに何が待っているか、世界がアメリカにどう対応するかは、座して見ているしかないのかと思う。まさかトランプ大統領は試行錯誤で突き進み、如何なる結果が出るかを見てから次の手を考えるのでないと思うが、アメリカも世界も変わってしまうように思える。

取り敢えず残念なことは、私が親しんできたアメリカは徐々にではなく、一気に変わって行き始めているとしか見えないことだ。いや、トランプ様は本気で変えて見せようとされているのかも知れない。彼が変えようとする(変える?)アメリカを世界の他の国が素直に受け入れるのだろうか。