“slang”とはどのような言葉か:
厄介な言葉で「俗語」のことであるし「隠語」でもあり「符丁」とも言えると思う。これが我が国で最も広く誤解されている言葉である。思うに、学校の英語教育ではこういう種類の言葉があるとは教えていないのだろう。何が厄介なのかと言えば、残念なことにslangと未だ解説していない「汚い言葉」と訳されているswearwordとを混同しておられる方が誠に多いのである。日本語を考えても「俗語」や「隠語」や「符丁」を下品だとは言わないだろう。要するにslangとswearwordを混同しないことだ。
これらの二つを同じものだと誤解か誤認識すると、アメリカ人は「下品なスラングを多用する」と蔑視する方向に進む結果になってしまうのだった。かの大作家松本清張氏が「アメリカ兵が下品なスラングで話し始めた」と書いておられたのは良い(悪い?)例であるし、明らかな誤りである。兵隊たちやトランプ大統領の支持層のような人たちは確かにswearwordを多用する傾向がある。松本清張は“スラング”とスゥエアーウワードを識別できるほどの英語を理解していなかったのだと断じておく。
ここでもOxfordにはslangを何と言っているかを見てみよう。“Very informal words and expressions that are more common in spoken language, especially used by a particular group of people, for example, children, soldiers, criminals, etc.”とある。ジーニアスには「特定の社会や職業の通用語、専門用語。隠語、符丁、合い言葉」とある。「何だ、犯罪者も使うのならば下品ではないか」と言いたいだろうが、それは次回に予定しているswearwordの解説を読めば解って貰えると思う。
slangの例を挙げて見よう。
Uncle Sam =アメリカの連邦政府かアメリカ人を意味する。
I don’t care for booze. 「酒は嫌いだ」という意味だ。このboozeは「アルコール飲料」の意味でかなり広く使われている。
cop=「警官」なのだが、その謂われは警官のバッジが銅製なので、“copper”(「カパー」であって残念ながら「コッパー」ではない、念のため)を短縮したと聞いたことがあった。アメリカでの発音は「カップ」となると心得ておくべし。だから、Oxfordは犯罪者が使うとしているのかも知れない。
cabby or cabbie=「タクシーの運転手」。タクシーは“taxi cab”というから“cab”を縮めたのだろう。
goodies =お菓子かキャンディーのこと。
pop=古い言い方では炭酸系飲料だが、現代ではsoft drinkの代わりに使われている。
Give me a buzz.=「口語」のところでも例として採り上げた。「電話をくれ」なのだが“buzz”が俗語である。この代わりに“ring”を使っても同じことになるので、ringも俗語に入れて良いだろう。勿論、正式には“call”と言うべきだ。
gas=ガソリンで、元は“gasoline”なのは言うまでもあるまい。故に、gas stationとなる。「ガソリン・スタンド」は和製英語だから「会話」では使わないように。
the Big Apple =ニューヨークのこと。
telly =「テレビ」を意味するも俗語。
gotcha=こういう例も挙げておこう。(相手が言うことが)「解った」であり、誰かを「見付けた」ないしは「捕まえた」という意味にも使う。I’ve got you.を短縮した形。これは上品ではない部類だろう。「ガッチャマン」のことではない、念の為。
私は以下の硬貨の俗称もslangと考えているのだが。
buck=ドルである。10㌦ならば複数の“s”を付けねばならない。
quarter=25セント。すなわち、4分の1である。
dime=10セントなのだが、“a dime”とすると否定的に使って“I don’t care a dime about that matter.”で「そんなことちっとも気にしない」となって、ややidiom的な感も。
nickel=5セントになる。
penny=1セントである。
厄介な言葉で「俗語」のことであるし「隠語」でもあり「符丁」とも言えると思う。これが我が国で最も広く誤解されている言葉である。思うに、学校の英語教育ではこういう種類の言葉があるとは教えていないのだろう。何が厄介なのかと言えば、残念なことにslangと未だ解説していない「汚い言葉」と訳されているswearwordとを混同しておられる方が誠に多いのである。日本語を考えても「俗語」や「隠語」や「符丁」を下品だとは言わないだろう。要するにslangとswearwordを混同しないことだ。
これらの二つを同じものだと誤解か誤認識すると、アメリカ人は「下品なスラングを多用する」と蔑視する方向に進む結果になってしまうのだった。かの大作家松本清張氏が「アメリカ兵が下品なスラングで話し始めた」と書いておられたのは良い(悪い?)例であるし、明らかな誤りである。兵隊たちやトランプ大統領の支持層のような人たちは確かにswearwordを多用する傾向がある。松本清張は“スラング”とスゥエアーウワードを識別できるほどの英語を理解していなかったのだと断じておく。
ここでもOxfordにはslangを何と言っているかを見てみよう。“Very informal words and expressions that are more common in spoken language, especially used by a particular group of people, for example, children, soldiers, criminals, etc.”とある。ジーニアスには「特定の社会や職業の通用語、専門用語。隠語、符丁、合い言葉」とある。「何だ、犯罪者も使うのならば下品ではないか」と言いたいだろうが、それは次回に予定しているswearwordの解説を読めば解って貰えると思う。
slangの例を挙げて見よう。
Uncle Sam =アメリカの連邦政府かアメリカ人を意味する。
I don’t care for booze. 「酒は嫌いだ」という意味だ。このboozeは「アルコール飲料」の意味でかなり広く使われている。
cop=「警官」なのだが、その謂われは警官のバッジが銅製なので、“copper”(「カパー」であって残念ながら「コッパー」ではない、念のため)を短縮したと聞いたことがあった。アメリカでの発音は「カップ」となると心得ておくべし。だから、Oxfordは犯罪者が使うとしているのかも知れない。
cabby or cabbie=「タクシーの運転手」。タクシーは“taxi cab”というから“cab”を縮めたのだろう。
goodies =お菓子かキャンディーのこと。
pop=古い言い方では炭酸系飲料だが、現代ではsoft drinkの代わりに使われている。
Give me a buzz.=「口語」のところでも例として採り上げた。「電話をくれ」なのだが“buzz”が俗語である。この代わりに“ring”を使っても同じことになるので、ringも俗語に入れて良いだろう。勿論、正式には“call”と言うべきだ。
gas=ガソリンで、元は“gasoline”なのは言うまでもあるまい。故に、gas stationとなる。「ガソリン・スタンド」は和製英語だから「会話」では使わないように。
the Big Apple =ニューヨークのこと。
telly =「テレビ」を意味するも俗語。
gotcha=こういう例も挙げておこう。(相手が言うことが)「解った」であり、誰かを「見付けた」ないしは「捕まえた」という意味にも使う。I’ve got you.を短縮した形。これは上品ではない部類だろう。「ガッチャマン」のことではない、念の為。
私は以下の硬貨の俗称もslangと考えているのだが。
buck=ドルである。10㌦ならば複数の“s”を付けねばならない。
quarter=25セント。すなわち、4分の1である。
dime=10セントなのだが、“a dime”とすると否定的に使って“I don’t care a dime about that matter.”で「そんなことちっとも気にしない」となって、ややidiom的な感も。
nickel=5セントになる。
penny=1セントである。