新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月15日 その2 監督・コーチによる暴力的指導

2018-09-15 17:10:32 | コラム
パワー・ハラスメントなどという英語の熟語はない:

マスコミが余りにも「パワー・ハラスメント」だと騒ぎ立てるので、偶々機会があった日大フェニックスのライスボウル三連覇の頃のOBに「監督・コーチによる暴力的指導」についての見解を問いかけてみた。あの頃のフェニックスに在籍して者たちは50歳前後になると思う。

彼の意見は「自分たちが高校から大学にかけての頃には確かにそういう指導法があった。だが、現在のこの時期になって未だにそういう手法を用いている人たちは『時代が変わったということを認識できていないのだ』と思う。認識不足だ。仮令自分たちがそういう環境下で育ってきたにしても、現在に至ってもそういう指導をしているのは明らかに誤りである」と明快であった。

同じ関東大学リーグの一部の他の大学のOBの中には、例の小林信也が指摘した通りにこういう指導法を必要悪のように見ている一派もある。だが、今やマスコミ報道を見ている限りでは恰も「パワー・ハラスメント」という刑法にでも新たに定められた法律違反があるかのようだ。そんなことはあるまいし、しかも何故か彼らは何でもかんでも「パワー・ハラスメント」か「パワハラ」で括ってしまっている。カタカナ語にしたら何でも通用するとでも思っているようだだが、それはおかしなことだ。

私には何故誰にでも(私でも)納得出来るように、例えば「権力者による理不尽な圧力」といったような表現が出来ないのか不思議としか思えない。暴力だと言って批判し、非難するのであれば「時代の変化を認識できていない時代遅れの指導法」といったような解りやすい決めつけ方をしらどうかと言ってやりたい。カタカナ語排斥論者の私としては「何故パワーハラスメントなどというおかしな言葉を使うのか」と批判するのだ。マスメディアには日本語を粗末にして貰いたくない。

トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争

2018-09-15 14:11:18 | コラム
我が道を行くトランプ大統領の政策はどのような結果となるのか:

今週の初めにワシントン州在住の昔の同僚、L氏からトランプ大統領が仕掛けた関税を引き上げる作戦について私の意見を聞くメールが来ていた。念の為お断りしておくが、W社はガチガチの共和党支持だったが、こと大統領選挙については反トランプ派なのである。更に本社があるワシントン州は反トランプの州の一つである。そのL氏からのメールを訳してみれば

「暫く君から音沙汰がなかったが、体調に何か問題でもあったのかと案じている。ところで、先頃からホワイトハウスが仕掛けている関税率の引き上げ作戦をどう見ているかについて君の意見が聞きたい。私はトランプ大統領のこの関税引き上げの政策は世界全体の経済に必ずしも良い影響は与えないと思っている。

結果的に我々アメリカ市民は輸入品の値上がりに悩まされるだろうし、輸入する原材料のコストが上昇すれば、国内の製造業において雇用も減少するし、その国際教競争力も低下することになってしまうと危惧している。我々はかかる事態に立ち至らないように努力する必要ありと考えている」

*私からは下記のような意見を表明しておいた。

“こちらではトランプ大統領の人気・不人気もさることながら、彼が我が国にとっても脅威となるのではないかという見方も出てきた。そう見られるようになった理由は簡単で、トランプ大統領はTPPから離脱し、我が国に対してもFTAを締結せよと迫ってきた。彼は言った「私の言うことを聞かないと如何なる結果になるかは承知だろうな」と。

彼は既に中国に対しては強硬な貿易戦争を仕掛けたし、その余波が我が国にも向かってくるのは明らかである。消息筋は「最早誰もアメリカ対中国の貿易戦争を止めることは出来ない事態に至っている」と指摘している。

私はトランプ大統領の政策を批判し反対しても無意味であると見ている。それは、トランプ大統領が一度やると言ったことは必ず実行してきた実績というか事実があるからだ。彼は今回の一連の関税引き上げ政策や中国との貿易戦争が世界の多の諸国に如何なる負の影響を与えるかなどにはほとんど無頓着であるようにしか見えない。そこには来たる11月の中間選挙に勝利するためには何をすべきかしか彼の脳裏にはないとしか見えないのだから。

以下は先頃私がブログに掲載したものであり、貴君にも興味を持って貰えると期待して紹介する次第だ。

NHK(覚えていると思うが、これはUKにおけるBBCと同様な存在である)がUSステイールの労働組合員がトランプ大統領に感謝すると述べたと報じていた。その根拠は輸入の鉄鋼製品の価格が25%の関税で高騰した為に、国産品であるUSステイールへの需要が急増したからであり、組合員たちはトランプ大統領の政策を支持する旨を表明していた。

一方ではUSSの工場と同じ州内の大豆農家の夫妻は中国がかけた報復関税のために輸出が急激に減少しただけではなく、その価格も採算分岐点すれすれまでに低下したので、これではお先真っ暗であると窮状を訴えていた。即ち、貿易戦争の悪影響を強調していたのだった。

NHKは更にトランプ大統領は我が国から米国に輸出する自動車への関税を現行の2%から20%に引き上げる危険性が極めて高く、我が国の自動車産業に深刻な影響を与えるだろうと予測して見せた。この引き上げが実行されれば我が国からの輸出が激減し、結果としてアメリカのトランプ大統領の岩盤の支持層であるラストベルトの連中を喜ばせることになるのは明らかである以上、トランプ大統領は中間選挙対策の一環としても関税率の引き上げに踏み切る可能性が高いと指摘していた。

また、ある著名な評論家が最大の発行部数を誇る週刊文春に連載しているコラムで以下のように指摘しているのも面白いので、敢えて引用してみよう。

“貿易戦争の原因の一つはトランプ大統領の出鱈目な国際収支観にある。彼は貿易収支(<経常収支)における黒字をアメリカの得分と看做し、赤字を損失と看做している。お馴染みの「重商主義の誤謬」というヤツだ」”とかなり手厳しいのだ。彼は更に

“だが、「経常収支の黒字赤字は、各国の経済主体が最も有利と判断して選択した行動(=貯蓄投資バランス)の結果としてある」ので、その数字を政策目標として掲げること自体が不適切なのだ。”
とも言っている。ラストベルトでは関税のお陰で国産の鉄鋼に需要が戻ってきたが、自動車の場合にはこの評論家は「アメリカ国内生産に切り替えようとしても生産体制は直ぐには整わない。他の国からの輸入に頼らざるを得ず、赤字全体は減らない。“

と述べていた。“

*上記に対してL氏から今朝返信があったので紹介しておこう。

「アメリカでも多くの経済学者がトランプ大統領は貿易収支の問題夜間税引き上げによる負の影響を理解していないようだと指摘している。原料であれ最終製品であれ、輸入品のアメリカの国内価格が上昇するのは明らかであるという点では大方の意見が一致している。遺憾ながら輸入品の国内価格は直ちに高騰するわけではないので、中間選挙に与える影響は軽微なものになるだろうと見ている。

しかしながら、私の希望的観測?では2020年になれば恐らく事情は大きく変化しているだろうし、共和党は容易ならざる事態に苦しめられていると予測している。」

との見解だった。