新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

スポーツ雑感の補足

2018-09-16 13:45:32 | コラム
イニエスタを冷静に評価すれば:

Wikipediaによれば、スペインの習慣では彼のフルネームは

Andres Iniesta Lujan

であって、Iniestaは父方の姓で、Lujanが母からのそれだという。だが、一般論としては アンドレス・イニエスタ で良いようだ。ここでは彼の姓名を論じようというのではなく、昭和20年(1945年)4月に湘南中学の蹴球部に入って教え込まれた基礎と基本技に基づいて、イニエスタのサッカーの技の優れた点を分析しようというものである。要するに「基本技が如何に重要か」を協調したいのだ。と言うよりも、今朝ほど掲載した雑感では書き漏らした点を補足したいのである。

私の目には「非常に基本に忠実でストッピング、トラッピング、サイドキック、インステップキック等々の使い分けが非常に正確で、その見事さは近年私が見てきた(そして寧ろ嘆かせられた)球扱いの方式とはやや趣を異にした古典的かと言えるほど、我々が1945年から叩き込まれた基本に近いと感じながら見ていた。私がやや違和感を覚えたことは、解説の早野も森岡も彼のサッカーの上手さは称えたが、基本技の非常な正確さには触れていなかった点だった。

彼らは特に後方から来たパスを受けてトラッピングして前を向く基本技の正確さと速さに感心していたが、これこそ基本中の基本であり、我が国ではA代表にまで来ている連中でさえも素早く正確にボールを我が物にして(カタカナ語ならば「コントロールして」か?)瞬間的に前を向くことが出来ていないのだ。その際にイニエスタは当たりに来たガンバのデイフェンダーも瞬時にかわして見せたのは、テレビの画面からは解らなかったが、恐らく行きたい方向の反対側に瞬時にフェイントをかけていたのだろうと想像していた。

相手がその微妙なフェイントに幻惑されない限り、あれほどアッサリと外せるものではないのだ。実は、このように行きたい方向の反対側にフェイントをかけることも基本的なことで、湘南中学の蹴球部では上級生と、あの当時の交通の便が悪い時期に指導に来て下さったOBの方々から厳しく指導されたものだった。だが、現代のサッカーを見ていると、後方から来たパスの受け方が拙劣で、瞬間的に前を向蹴るようにボールを扱うことが出来ずに、欧州や南米の連中でさえ、そのまま後ろに戻してしまうことが多い。

にはこれが基本技の教え方の不足か、サッカーそのものの変化か否かが判断できないのが残念だ。イニエスタはその方向変換をいとも容易く瞬間的にやって見せてくれた。私は敢えて言うが、常にNHKのサッカー解説に出ている早野は「これこそが中学や高校、またはJリーグの下部組織でサッカーを学んでいる子供や生徒たちが模範とすべき技だ」くらいは言って欲しかった。

結論を言えば、イニエスタは「手品師」だの何のと色々欧州では呼ばれているようだが、「それを支えているのは正確に鍛え上げられた基礎と基本技だろう」と言うことなのだ。現在の我が国のサッカー選手たちの基本技を見ていると、言わば「小手先」か言うなれば「小脚先か小足先」でボールを扱っているようにしか見えない。基本技はA代表にまで来てしまった連中に教え直すのは無理だろう。それこそが、初心者に正確に教え込むことが下部組織で指導する者たちの務めではないのか。

そういう意味では昨夜のイニエスタを特集したかのようなNHKのBSの中継には、大いに興味深い点があった。だが、早野でさえあの程度の感想だから、NHKの運動部がそこまで意識出来ていたとも思えないのだが、如何でしょうか、NHKさん。


スポーツ雑感

2018-09-16 10:11:47 | コラム
イニエスタと読売巨人軍他:

サッカーは一人だけ飛び抜けて上手くても:
15日夜はマスコミが褒めそやすので元スペイン代表の花形だったイニエスタが出場するヴィッセル神戸対ガンバ大阪の試合を最後まで見てしまった。イニエスタは何時かのW杯で何度か見たことがあるが、柔らかなというか体の力が抜けていて綺麗なパスを出すプレーヤーだとは認識していた。だが、余りに名手揃いのスペイン代表の中では飛び抜けて上手いという印象はなかった。まして、そういう世界的な名選手が我が国のJリーグの中堅どころの神戸にやってくるなどとは夢想だにできなかった。

解説の早野と森岡が褒めそやし続けたので(消音にすれば良かったのが)それに邪魔をされて、私なりの冷静な評価をし辛かった。上手いことは無類に上手いとは十分に解った。「日本では誰に例えるか」など言えば失礼に当たるかも知れないが、香川真司と全盛時代の遠藤保仁が全身の力をもっとぬく方法を覚えて「何とかして己の力を見せてやろう」という類いの意識から解放されれば、イニエスタのようなサッカーが出来るのかも知れないとは見ている。だが、私にはイニエスタが理想像とは思えなかった。

私の見立てでは彼はヴィッセル神戸の持てる力の限界を見切っており、全身全霊を捧げてこのテイームを引っ張っていったところで2部落ち寸前のところまで低迷しているガンバに勝てるだけの安定した力が備わっていないとの判断で、淡々と試合を進めていたとしか見えなかった。それはペナルティーエリア付近では何とか点が取れそうな形は演出してみせるが、自分から取って見せようという意欲は余り見せていなかったと、私には見えた。

解りやすく纏めれば、イニエスタ一人の実力が周りの10人乃至は9人との間に力の差がありすぎて、彼らがイニエスタを活かす方法が解らず、彼に依存すべきか、あの能力をどう活用すれば最善の結果が出せるかを模索する段階にも至っていないのだと見えた。即ち、「彼以外が下手だ」と言えると思って見ていた。現に、後半を20分ほど残してイニエスタを引っ込めた後の神戸は、まるで別のテイームになってしまっていた。

読売巨人軍に自力優勝の芽が消えた:
巨人軍嫌いの私がさぞかし喜んでいるだろうと思われそうだが、私はその前に自前で日本人の高卒乃至は大学出を育てることを放棄して半世紀以上も経ってしまったことを残念に思っている。お暇があればプロ野球選手名鑑でも買ってご覧になれば解ることで、読売にはこれほど他球団でFAした古手を沢山、金に飽かして取ってきていたかということと、何故これほど役に立たなくなった生え抜きに近い高齢者に高給を払って残しているのかと驚かれるだろう。GMの香取の仕事は「これを辞めましょう」と渡部恒雄に進言すること以外に何があるのか。

次が凡庸監督・高橋由伸と、ほとんど生え抜きというか飼い殺し同様であり、選手育成にまるで役に立たないコーチ陣を何とかすることだろう。高橋由伸の采配というか選手起用も不手際が多過ぎる。もしも彼に同情できる点があれば「上から折角巨人軍とお前の為を思って高額で有能なFA選手を獲得してやったのだから有効的に活用して優勝せよ」と言われたいた場合である。過去にFAでかい入れた者の中で本当に優勝に貢献できた者が何名いたか。

先日も「へー。こいつも未だいたのか」と半ば驚かされたことがあった。それはレフトに起用されていたのが昨年弱将球団に成り下がった中日ドラゴンズでホームラン王を取ったゲレーロが出ていたことだ。と言うことはゲレーロには4億円も払って二軍辺りで飼い殺しにしていたことになる。立派にサードを守って良く打っているマギーヒー(登録名はマギーのようだが)は何と2億6,600万円である。金の使い方が出鱈目だ。

内外野とも選手起用が一定せず、あれでは真の意味のレギュラーが育ってこない。高橋監督は私があれほど駄目だと決めつけた中井を未だに先発に使っているし、二塁手が安定していないのもおかしい。昨日だったかも、慶応高校→慶応大学というヤワで育ちが良い山本を使ったら、とてもプロとは言えないフライボールの落球があった。あれでは後輩だから使っているのかと責められても仕方がない。まともに意外にも育ったのが、智弁奈良出身で年俸¥1,200万円の岡本和馬だけではないか。山本の年俸が¥1,800万円というの皮肉だ。

結論めいたことを言えば「この監督の下で、伸びしろ少ない子飼いも含めて、外国人と他球団からのFA選手に依存していたのでは、丸でさえ2億1,000万円、鈴木誠也が9,000万円の広島から15ゲームも離されたのも仕方がないだろう。それでも、来年も高橋由伸に監督をさせるというのは、私には理解不能であると同時に喜ばしいAHOな決定であると思う。

大谷翔平:
張本勲に倣うわけではないが、私はそもそも「二刀流」という誰が言い出したかも知らない珍妙な起用法は賛成できなかった。なお、何度か指摘したがアメリカでは解りやすく Two wayと言われているし、フットボール界では「両面」と呼んでいる。その両面を本人も希望してMLBに行ったのだから、来年は打者のみに専念させるというソーシア監督の決定はさぞかし残念だろう。

先ほどもTBSでは張本勲がこの決定を如何にも残念と言うような表現で悔しがっていた。MLBに行けばボールも変わるし、ピッチャーマウンドの傾斜と堅さの違いが日本人の投手に悪影響を与えることは、田中将大やダルビッシュ有の先例で解っていたはずではなかったのか。松坂大輔が壊れたのは甲子園での投げ過ぎが一因であると思っているので、甲子園に出なかった大谷翔平は張本勲が常に言うような「走り込み不足」だったのかも知れない。

幸いにも大谷は未だ年齢が若いので、今シーズン終了後にトミージョンだかの手術を受けて来シーズン半ばには打者として復帰出来れば良いかとも思っている。だが、来年は打者のみと言っていることは手術は回避し打者に専念させて、球団としては大谷の集客能力を十二分に活かそうという魂胆かと疑ってしまう。私は打者よりも投手・大谷翔平がMLBで何処まで行けるかの方に関心があったのだ。走力があることはMLBで走っているのを見て初めて知った。凄い素質の一部である。

あの類い希な素質を活かしていく為には、何れにせよ Two way は断念して投手・大谷として成長して貰いたいのだ。もう既にマスコミが騒ぎ立てたベーブ・ルースの記録は抜けないことが明らかになったではないか。私には大谷翔平を半分潰したと同じ状態になった原因が彼自身にあるのか、アメリカのボールの質の違いと野球場の状態の何れであるかは解らない。だが、現状は「遺憾」なのである。