新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月29日 その2 舛添都知事の逃げ切りなるか

2016-05-29 14:32:31 | コラム
彼は形振り構わず逃げ切る気だろう:

これまでの三度だったかの舛添都知事の記者会見の様子を見ていると、彼は絶対に言質を取られないように精密に練り上げた事だけを、如何なる辛辣な質問に対しても同じように繰り返して不誠実に答えてきた。しかも彼に対する突っ込みが参議院議員時代の政治資金の使い方に対する案件が多かった事も、彼に余裕を与えていたし、時には薄ら笑いすら浮かべて慎重に同じようなはぐらかす答弁で乗り切ったと信じている様子だ。

質問する側が、彼を辞任させたいのか、単なる政治資金の使い方に対して非をならすだけのか、政治家としての倫理と道徳観を尋ねているのかが誠に不鮮明であり、高校から東大法学部でならした秀才の頭脳と「狡猾さ」とすら形容したくなるはぐらかしに負けてしまっていたとしか、私には聞こえなかった。舛添都知事は第三者委員会の隠れ蓑までを活用して、何とか逃げ切る作戦であるのは明快であるし、恐らくこれまでの経過を見ていると、彼を辞任に追い込むどころか、任期一杯勤めさせてしまう危険性すら生じてきたと思う。要するに「彼は刑法に触れる事」さえ出なければ逃げる気だし、100%辞任する気はないと思ってる。

万が一彼が辞職した場合の次の候補者問題であるとか、都知事選挙が東京オリンピックと重なる事であるとか、色々取り沙汰されているが、彼は四方八方手を尽くして辞職回避する気だろうし、第三者委員会なるものが法律違反無しなどと結論でも出してしまえば、どうするのか。まさか、「せこい」とか「小さな金額で公私混同があった」とか「自動車を資産勘定にならない手段で購入した」等々というだけの理由で辞職を迫れるものだろうか。

彼は「いや、辞職を迫る法的根拠などない」と承知で、あの態度に出ているのだろう。であれば、都議会の自公両党が余程腹を据えて「推薦した事を忘れて」、彼を追求する側に回れるのかである。その辺りは誠にあやふやではないかと、私は疑っている。彼の逃げ切りのゴールは案外直ぐそこまで来ているのかも知れない。都民としては、彼に残って欲しいとは思っていないのだが。

トランプ大統領の出現の前に為すべき事

2016-05-29 14:05:08 | コラム
直言しないことにはトランプの誤りを正せない:

最早事がここまで来れば、トランプ大統領が出現することが極めて確率が高くなってきたと考えておいても良いだろう。であれば、今のうちに外務省であれ、閣僚であれ、国会議員であれ、いや誰でもトランプに会える伝がある者を活かして、彼がキャンペーン中に声を大にして唱えてきた無知だったかあるいは不勉強だったかの何れだろうが、我が国に対して採ると唱えた政策の誤りと誤解を、何としても是正する努力を怠ってはならないと思う。

その誤りと無知とは先ず「我が国には兎に角非核三原則」がある事。次には「我が国はアメリカに懇請して軍隊駐在して頂いているのでもなく、基地の設置をお願いした訳でもなく、基地の経費の大部分を負担した上に巨額の思いやり予算を計上し、赤字財政の国でありながら予算上の負担は誠に大きく、今更全額負担せよなどと言われる所以も理由もないこと。安保条約を片務条約の如くに言うが「万が一の場合に先ず外敵に対応するのは自衛隊」と条約に明記されている事等々である。

トランプが以上の事柄を承知でありながら、アメリカ人に良くある事で「これを言う事で失うものはない」精神で吹っ掛けているのか、あるいは嘗て私の退役陸軍中佐の友人がオバマ大統領を「政治・経済・軍事・外交・防衛の素人」と形容したのと同様に、トランプももしかすると素人かも知れないのだ。素人を勝手にプロだろうなど誤認して、敬意を表している場合ではない。

ここで重要な事は「今更言わないでも彼は先刻ご承知だろうから、何か物申せば失礼に当たるのでは」とか「先刻ご承知だろうから、何も言わなくとも」などと、我が国独特の配慮をしない事だ。彼らは「相手が言ってこない事か反論しない事は聞かなかった事」と認識し、認めた事と解釈してしまうのだ。故に、失礼だの無駄だのと考えずに彼と接触して「本当の事」を知らせる努力を欠いてはならないのだ。

トランプと親しくしているNY在住のあるエコノミストは「トランプ氏はごく普通の常識人」と言っているそうだと、ある筋から聞いている。私は安倍総理以下、ガッツ欠乏症の疑いがある外務官僚まで、まさかこの期に及んでトランプに接触する道筋を掴んでいないとは思いたくない。”When there is a will, there is a way.”と言われているくらいだから、準備はされていると思いたい。だが、ただ単に「今日は」を言いに行くのではなく、”You are missing the points.”か”You got the points wrong.”か”You are confusing yourself.”くらいから入っていく勇気と度胸が必要だ。

5月28日 その2 オバマ大統領の広島訪問に思う

2016-05-28 16:56:07 | コラム
良かったのだと思う:

実は、昨日もオバマ大統領の広島訪問の実況中継を見ながら、安倍総理は良くぞここまで持ってこられたなと敬意を表していた。また、あのお城のような大統領専用車2台と、その周囲を警護するSP(と言うのかな)の体格の凄さと姿勢の良さを「いつ見ても格好良いな」と懐かしきアメリを見る思いがあって、無関係のような郷愁(nostalgiaか?)に耽っていた。実は、昨夜から考えていたのだが、この歴史的な訪問にも、あの17分と長かった大統領の演説についても、何を言えば良いのかが全く纏まらないままに、今日の午後4時が過ぎでしまった。強いていえば「良かったなー」程度だけだったのだ。

何処の局での有識者の解説かも記憶はないが、ケネデイー大使がそのオバマ大統領に対する影響力を行使してこの広島行きが実現したと聞かされて、あの大使にもそういう働きが出来たのかと意外だなとの感もあって聞いていた。また、私が聞いていたチャンネルでは同時通訳があったために、大統領が何を言っておられたかが、それでなくとも衰えた聞き取り能力と相まって、折角の歴史的な演説もなんだかボンヤリとした印象だけが残ってしまったのが残念だった。

オバマ大統領は原爆ドームには行かれなかったが、被爆者の方と握手やハグまでされて言葉をかけておられたのは流石にあの国の指導者らしい気配りのほどを十分に見せた巧みな演出だったと思って、寧ろ感心して見ていた。演説の原文は未だ読んでいないが、それは大統領自身の手によるものではなく、その意向を十二分に受けた「スピーチライター」との合作だろうと勝手に解釈しているが、一寸聞いた限りでは如何にも彼らしい格調の高さだったと思う。

私は訪問の成功・不成功などを論ずるよりも、我が国の安倍外交の実績と、日米同盟に揺らぎがないことを近隣の諸国、就中中国と韓国に見せつけたことが素晴らしかったと認識しようと思っている。謝罪の有無などを論じるのは、アメリカとはそも如何なる国かを認識出来ていないことを示すだけの議論であり、訪問が実現出来た事の前には雲散霧消することだと思っている。

少し政治めいたことをいえば、核保有国が全てUNのSecurity CouncilのPermanent memberであることを思えば、核兵器廃絶の議論にはどうしても虚しいものが残ってしまうのだ。そうではあっても、オバマ大統領が広島であの演説をされたことの意義は薄れないと思っている。私はあの訪問の成果が如何なる形で現れるかを、我々が見守っていかねばなるまいと認識している。

因みに、私はこれかずっと今もなお”UN”、”Security Council”、”Permanent member”と表現していく。それは、これらのUN関連の訳語が余りにも「お為ごかし」で言語を勝手にご都合主義的に意訳してあり、実態と異なっていると憤慨しているから。念のため申し添えれば、”United Nations”の何処に「国際」という言葉あるのか、敵国条項が残っているのにということ。

かんぽは凄い

2016-05-28 16:13:12 | コラム
かんぽは調査が綿密で素晴らしい:

家内が加入後2年以内に発病して今年の2月に手術をして求償の手続きをした。他の既存の民間の保険会社は定められた書類に病院の主治医の先生の証明書を頂いて求償の手続きをすれば、旬日を出でずして保険金が支払われてきた。と言うのは、私が2006年の最初の心筋梗塞発症以来何度も求償をしてきたので、その経験に基づいて言っているのだ。それ以上の保険求償についての経験も知識もない。

かんぽは近所の郵便局の担当の方からの熱心な勧誘もあって通院中である事を知って貰った上で、加入の手続きをしていた。勧誘があって加入したのだ、念のため。そして、退院後に病院の主治医の先生の証明書を民間会社であると聞くジャパンポスト(で良いのかな?)の郵便局に書類を提出した。その後少なくとも私はそこまでで、この件は失念していた。ところが、本日かんぽから依頼を受けたという組織の方が見えて「かかりつけのクリニックので大病院への紹介までの一件から求償まで」の経緯の調査となった。

他の民間会社との大きな違いに少しく驚いたので、当人である家内以外に私も調査内容を聞いていた。そこで解ったことは「実に緻密に病状を申告し、保険の内容を正しく理解して加入したか等々を細大漏らさず聞き出して書類を作成し、その後にはその調査人の方はその聴取に基づいてかかりつけのクリニックから紹介され手術を受けた病院までにも調査に回られると判明した。

立ち会っていた結果で、私にも少しでも意図的に保険に加入し、保険金を取ろうとした意図があるかないかを事細かに聞き取り調査して報告書を作成する業務を外部に委託しているのだと解った。流石に元はと言えば官庁で、少しでも国費を無駄にしないようにと官僚が細かく規定していた事柄を民間会社に変わったとはいっても立派にその制度を温存していたのだった。少しでも疑いがあるのだったら、担当の局員が調査に行けば済むことだとは思えるが、それを厳正なる第三者機関に委ねているところは流石だと思うが、その為に費用をかけている辺りが素晴らしい?と痛感した。

調査員はそういう意図はないが決まりなので説明しておられたが、質問の内容は明らかに意図的に保険金詐取を狙っていないかと疑いの意図が丸見えだった。そこで言いたくもなったし、その方に言っても詮無いことだったが、それっぽちの金額を詐取するために保険加入などという面倒なことをして、嘗てのお国のお金を取ろうとする意図など最初からないのだ。寧ろその恰もアメリカ式の性悪説にでも立脚したかの如き経費をかけた調査方式には敬意すら表したくなった。

先頃、郵便局の不在通知を置いて行かれた後の電話でさせられるICT化された手続きの面倒なことを批判し非難したが、ジャパンポストというところは未だに役所であった頃の殻を引きずっているのではなく、その制度を温存して踏襲している辺りが不可解であるし、とても好感が持てないのだ。何処かの国の有力となりつつある大統領候補は「アメリカ・ファースト」と叫んでいるが、ジャパンポストには真の意味の「お客様第一」になって頂けると、先ほどのように腹も立たないのだが。


5月27日 その2 商社マンと懇談した

2016-05-27 15:55:27 | コラム
リーマンショック前にも似た不況か?

26日に商社マンと懇談の機会があった。彼は元々悲観論者であるから、何時会っても「売れ行き不振で」と言うのが普通なのだ。だが、今回は「本当に紙は売れていない」と真剣な表情だった。ということは、一般経済の立ち直りが本当に未だしという意味だと解釈した。事実、先週会った専門商社の輸出入のエキスパートも全く同じような調子で嘆いていたものだった。この調子では安倍総理がサミットで「リーマンショック前の状態」との表現を使われたのは必ずしも誇張された表現ではないと言える気がするのが遺憾だ。

不調の件はこの辺りで打ち切って色々と語り合った中に、UNIQLOの売れ行き不振があった。それはここ2~3週間ほど毎週金曜日には入ってくる同社の折込広告(=紙)が入ってこないので、UNIQLOは紙媒体を使った広告を止めるほどの状態かというところから始まった。彼によれば、実態はそうではなく、チラシをまかない場合はどうなるのかを試している模様だと代理店から聞かされている由だった。この代理店にすれば、UNIQLOのような大量の需用者がチラシを中止されては大きな売り上げ減になってしまうのだ。それでなくとも売上数量の減少に悩んでいるこの時期に、大手ユーザーが買い控えられてそは痛手だと十分に解る話だった。

実は、当方も遅ればせながら下着を夏物に入れ替えようと思っていた時に、UNQLOがしきりに”AIRism”と銘打たれたものを買うかと計画していた。しかし、一向にチラシが入らないので、去る20日にしびれを切らして建値の¥1,250(+税)で買うしかないかと出かけると、レジでは税込みで¥1,065となっていた。値引き販売になっていたのだった。ところが、本日は大きなチラシが入り、何年だったかの記念セールで¥790だった。早まって約¥200の損だった!

繊維製品の新製品を発売する際の小売価格の設定方式とセールの価格の立て方にはある程度の知識があるので、このUNIQLOの¥790には驚きはない。だが、同社の不調もさることながら、末端では未だ未だデフレ傾向が拭い去られていないのかと、あらためて見直したような安値だった。私は仮令ここまで下げても、同社は十分に採算を取ってあると解釈する。安倍総理がしきりに表現を曖昧にしておられる消費税率引き上げ延期も、このUNIQLOの例だけで論じる訳にはいかないかも知れぬが、決して故なきことではないと危惧する次第だ。

アメリカの大統領選挙も話題に上ったが、彼も「今やトランプ大統領が出現しても驚くには当たるまい」との見方をしていた。私はその確率はかなり高くなってきたようではあるが、ABCとワシントンポストの直近の調査ではトランプ46%対クリントン44%となっていたことが示すように、未だ拮抗状態と見たいのだ。