新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月10日の「報道1930」に思う

2020-07-11 09:35:35 | コラム
初めて「報道1930」を最後まで見た:

通常は午後8時になるとPrime Newsに切り替えるのだが、昨夜は私にとって興味深い話題が多かったので、最初から最後まで見ていた。ゲストの慶応大学教授の中山俊宏氏も、アメリカ在住の作家・冷泉彰彦氏(という名前だったか)の発言も魅力的だった。お二方に加えてパトリック・ハーランも珍しく(失礼!)中身がある事を言っていたのも良かった。最大の話題は「来たるべきアメリカ大統領選挙で現職のトランプ氏と色々と難があるやに見えるバイデンの何れが勝つか」だったが、結局は「結論を出すのは時期尚早」で纏まったように聞こえた。

しかしながら、リタイアしてここに座っていては到底知り得ない現地の事情や両候補の評判というか乃至は問題点がえぐり出されていたのが面白かった。既に採り上げたことだが、私は現時点の世論調査ではバイデンがトランプ大統領を9~10パーセンテージポイントも引き離しているというのは、当てにならないと思っているし、昨夜もそういう意見が出ていた。私は何れの方が勝たれても、我が国にとっては難しい展開になっていくと見ているし、民主党政権は我が国にとっては“bad news”以外の何物でないのであるという視点を変える気はない。

全く話題が変わるが、番組も終わりに近付いた頃に司会の松原が突如として「チャート」*を取りだして「西村康稔大臣と小池都知事が緊急会談を行って、243名と感染者が増えた東京都における対策が纏まったとして3点ほどを示したのだった。その内容は後で触れるが、私は新型コロナウイルスの感染が始まって以来、その制圧対策の指揮の実権と責任が何処の誰にあって、実務を遂行するのが誰かが極めて不明確で、何回も指摘したように解散させられた専門家会議を表に出した西村大臣の無責任論を述べてきた。

今回も東京都では200人超えが2日も(?)続き、小池都知事は如何にも「夜の街に出掛けた方に問題があるので、自粛して頂ければ」などと、まるで出ていった方に責任があるが如き事をしれっとして記者会見で述べていたし、如何にも東京都の指揮官であるように振る舞いながら、責任を他人に転嫁する作戦に出られたのを「相変わらずだな」と思いながら聞いていた。私は究極の責任は会社ならば社長である内閣総理大臣にあり、現場の指揮を執っているはずの西村康稔大臣には度重なる責任回避等の不手際の責任を負わせて良いと見ている。

小池都知事は一支店長の身分だが、出しゃばりすぎの責任はあると思う。特に、西村康稔大臣を蔑ろにする発言を続けておきながら、今回のような「すは、第二波か」と思わせる事態が発生するや否や西村氏に歩み寄ってみせる巧みさには、厭らしさを越えた責任回避の作戦の巧妙さを見る思いだった。

そこで、チャートに出ていた内容だが、今朝になっても何処のテレビ局も採り上げず、新聞にも出ていなかった。内容は言ってみれば、先月だったか旧専門家会議を代表して尾身副座長のプリゼンテーションにあったようなもので、マスク・手洗い、消毒、三密の排除、不要不急の外出を控えるという程度のことで、東京都における200人超えの対策として特に目新しいものはなかった。私は拍子抜けがしたが、解説の堤伸輔は「彼等は思考停止状態」と酷評したが、遺憾ながら私にも尤も至極と聞こえた。

だが、よく考えなくとも解ることで、アビガンの治験の結果では特に特異差がないほどの効果だったと報じられたので、特効薬もなくワクチンはどう贔屓目に考えても出回るのが来年だろうとなれば、特に有効な対策はなくても不思議ではないのだ。知事会の要望にもあったように特措法の速やかな改正が望ましいのだが、極論を言えば小池都知事の言う「夜の街」というか外飲み業種や接客を伴う飲食店に自粛ではなく、一時期閉店を命令するくらいの強硬手段は必要だろうと思っている。

私は何と言っても政府や東京都が採っている手法の矛盾と、マスコミ報道の偏向は正さねばなるまいと思っている。何が言いたいのかと言えば「経済を回す」という訳が解らないことを言っていながら、何かと言えば外飲み業界やホストクラブに補償をしようという方向に話を持って行ってしまうことだ。彼等を栄えさせて景気が回復するというのか。そんなことはあり得ないだろう。危機に向かっているのは、上場の大手製造会社だ。大減収で四苦八苦している医療機関であり大病院だ。もしも、本気で経済を回そうというのならば、こちらの方角を優先すべきではないのか。

遺憾ながら、内閣でも小池都知事を含めた多くの知事さんたちからそういう視点からの発言もないし、テレビも何処のラーメン屋が廃業の危機に瀕しているという類いの感情論ばかりで、真剣に現在の危機的な情勢の分析の欠片もして見せない。私には閣僚もそうだが、西村康稔大臣も小池都知事も実戦の現場をご存じないようにしか見えない。ご存じではないから、具体策の打ち出しようがないのだと思って見ている。知らなければ知らないで、プロが思いつかないような斬新な手が打てることだってあるのだから、責任回避にばかり専念していないで、思い切りの良さを見せて欲しい。

注:「チャート」*は本来は“chart”で「図表」を意味する。それがテレビ局では何故か「フリップ」(=“flip”)になってしまった。恐らく英語に言う“flip chart”で束ねられた紙を指している言葉の頭だけを取って「フリップ」にしたのだろう。「インフルエンザ」を「インフル」にしてしまったのと同じ手法で、誤ったカタカナ語化で恥ずかしい代物。

7月10日 その2 少し気楽な話題を

2020-07-10 14:13:52 | コラム
我が同胞の服装に対する感覚をアメリカやヨーロッパと較べれば:

小池都知事批判や224人の感染者などという難しくて暗い話題や事柄から離れて、少し気楽な話題を採り上げようと考えた次第。それは、昨日採り上げたBrooks Brothersの経営破綻で思いついた事だ。そこでも、海外にいれば機内だろうと街中だろうと、出会う人が我が同胞だという事は、その服装でほぼ99%は解るのだった。

先ずは最も最近、と言っても2012年の事だったが、カリフォルニア州のロスアンジェルス市の外れにある現地では有名な、我が国の感覚では一寸想像できないほど広い大問屋街“Fashion district”での経験だった。ここは駐在員の方に聞くと「絶対に日本から来られたお客様をご案内してはならない」と厳命されているほど危険だと思われている場所。だが現地の事情に精通したYM氏は「何の問題もない」と言って、現地に永年住んでいて行ったことがないというSM氏と私を案内したのだった。

なるほど、ほとんどの店舗で店番をしているのはヒスパニックか韓国人だったが、SM氏も私も呆気ないほど何の危険も感じなかった。念の為に申し上げておくと、YM氏はコーデユロイのパンツに何処かNHL(アメリカのアイスホッケーリーグ)のテイームのジャンパー、SM氏は革ジャンパーにジーンズ、私は以前にシアトルでセールで買ったBrooks Brothersのコットンのジャンパーにチノパンという出で立ち。その3人が全員英語でまくし立てるのだから、まさか日本人とは思わせなかったと思う。

そこに、明らかに我が同胞としか見えない中年の男性が単独で歩いて来られるのに出会った。我が同胞の特徴である「着飾っている」状況ではなかったが、色彩感覚が明らかに日本的で着衣の色の数が多すぎるし、明らかに四方八方に注意されていた、言うなれば、不安げだった。そこで「日本の方ですね。良くお一人で入って来られましたね。何方かに危険だと聞かされましたか」と声をかけると、ギクッとなった表情で「どうして日本人だと解ったのですか。知人に一度は行ってみればと勧められてきましたが、それほど身の危険は感じませんでした」と言われたが、そうとは見えなかった。

ここで飽くまでも一般論として申し上げておくと、アメリカ人もヨーロッパ人も無地の服を好み、色彩も男女を問わずに圧倒的に原色を選んでいるのだ。しかも、色彩の好みにはほとんど言って良いほど男女の区別がないのだ。換言すれば「赤は女性の色」というような決め付けがないのだ。それと比べれば、我が同胞は明らかに沢山の色を使った細かい絵柄か図柄のものを好むのである。それだと、近くで見れば綺麗だが遠くから見れば細かさが消えてしまって、地味な色彩の服装にしか見えないのだ。

これだけでは未だ説明不足だ思うので、悪い例を挙げておこうと思う。それは最近こそ比較的に減ったが、大企業の偉い方や政治家がお好みの、かのフランスの名品“Hermes”(英語の発音は無味乾燥な「ハームズ」だが)のネクタイである。このネクタイは細かい模様を綺麗に編み込んだか、ヨーロッパ独特の染色の凄さを魅せて、近くで見れば芸術的に綺麗なネクタイのだ。だが、一寸距離を置くと多くの色が特徴を消し合うので、地味な細いネクタイにしか見えなくなるのが、ある意味で特徴だと思う。我が同胞の色彩感覚はこれに近いのであるから、私には直ぐに解るのだ。

このような違いを矢張り文化の違いと決めつけるか、長い間に醸成された芸術的な感覚の相違の何れであるかは私には俄に断定できない。だが、明らかに「遠目」を重んじるか、「近く」を採るかの違いは歴然としてあると思う。その例としては私が「ビジネスマンの服装学」の教科書のように崇めているアメリカのJohn Molloyの、邦題が「出世する服装」となっている名作には「服装における色の数は同系統を1色と数えて3色まで」と規定されている。だからと言うか何と言うか、アメリカの偉い人たちで、これまでの大統領をも含めて、Hermesのネクタイ愛好者を見た事がない。

念の為に申し上げて置くが、私は何も「海外に出て行かれるときに無理をしてアメリカやヨーロッパの感覚に合わせた服装をなさい」と言っている訳ではないのだ。敢えてご忠告申し上げれば「無理をして身上ありったけを投じて余所行きの服装をする必要などありません。普段着で良いのです」と言いたいだけだけなのだ。私が知る範囲内のアメリカ人では本当の意味のアッパーミドルかそれ以上に属する人たちは誠に厳格な服装の規範があるが、そういう世界の人たちに会われて懇談する機会など滅多に巡ってこないと思う。だからと言ってジーパンにジャンパーでも良い訳でもないのだ。

典型的なアッパーミドルの家柄で一流大学のMBAだった上司に教えられた、彼らの休日の寛いだ服装とは「ネービーブルーのジャケット(ブレザー)にフラノのズボン乃至はカーキ色のチノパンを着用せよ」となるのだそうだ。シャツは薄いブルーのボタンダウンのコットンのワイシャツであればもっと良いとなっていた。これにネクタイをすれば金曜日などには出勤も許されるそうだが、私の生涯の最高の上司の副社長は、事前の届けなしにこの服装で出勤することは許さなかった。ましてや、同じスーツで2日続けての出勤などは許される訳もなかった。

実は服装についてはアメリカの方が、我が国で紳士の国と崇め奉っているUKよりも余程厳格なのだ。上記のJohn Molloyの“A New Dress for Success”などはアメリカの金融・証券業界の規範に従っていると教えられていた。念の為に申し添えておくと、アメリカ独自のブランドのスーツには円貨にして1着で20万円以上もする銘柄など幾らでもあるのだ。恥ずかしながら、私もそういうブランドを3着は持っているが、今やクローゼットの肥やしである。


7月9日の東京都の感染者は224名だった

2020-07-10 08:54:36 | コラム
7月9日の感染者が224名とは:

小池都知事が命名された「夜の街」における感染者が大きな比率を占めていても224名とは「最早、夜間の外出をしない人生では関係ないか」などと高を括っていられない数字であり、大袈裟に言えば心胆を寒からしめられる事態であると痛感している。特に、我が新宿区には夜の街の総本山の歌舞伎町を抱えているのだから、恐怖感は自ずと倍加してくるのだ。現実に、小池都知事のおわします都庁がある新宿区の感染者数は、8日の時点で丁度900人と他の区を圧しているのだ。

私は今日のここまでに至った経緯の責任は「女帝」と題された石井妙子氏の本にもある小池都知事にあると思っている。また、それに加えて、これまでに散々批判してきた西村康稔大臣も責任を問われるべき存在だと思っている。私は再選に至までの小池百合子さんの作戦は本当に巧妙だったと見ている。何処かの雑誌の新聞広告にもあったが、見事なほどにテレビと新聞を味方に付けさせていた。何局かが本来はMXに任せておけば良いと知事の記者会見を、毎週のように中継していたことは既に採り上げておいた。テレビで小池さんの顔とお話しに接しない日はなかった。

私には小池百合子都知事が本腰を入れて新型コロナウイルス制圧対策に取り組まれたのだろうとは思いたいし、また都知事としては当然そうあるべきだった。そして実際に打ち出された対策は「果たしてどれだけの罪なき都民がそのカタカナ語の意味を理解できたか知らないが、『ロードマップ』であり『ステップ』であり、『東京アラート』であり、レインボーブリッジの電飾だった」のである。カタカナ語の魔術で如何にも取り組んでいるとの印象を多くの都民に与えることに成功されたのではなかった、仮令、ご本人が何ら具体的な行動に出ておられなくとも。

小池さんはこれらの作戦を打ち出したところまでで「我が事なれり」と思われたのか、唯々時間の経過だけを待っておられた上に「東京アラート」とやらを解除されてしまった。その後に何が起きたかを私がここに云々する必要はないだろう。しかも小池さんの巧みなところは、特措法の規定では各都道府県の知事に権限が与えられている点を有効に活用して、常に担当の西村大臣よりも先に「何をやります」と宣言してしまう所にあった。これでは、閣僚である西村氏が小池都知事の後を追っている形になって、都知事の存在が際立ってしまったと私は見ている。

その成果はと見れば、都知事選挙では小池都知事の新型コロナウイルス制圧対策を評価するという人が60%を超えていたのだった。しかも目出度く再選を果たされた後からは、感染者が6日連続で100人超えとなり、遂にと言うか何と言うか昨9日には200人の大台に乗せたのだった。しかし、うんと意地悪く見れば、小池さんはチャンと「夜の街」を問題点として指摘されただけではなく、歌舞伎町と池袋と具体的な場所まで挙げておられたのだった。私に小池さんが何処まで意図的に振る舞っておられるのか知る由もないが、見た目には極めて巧妙に感じさせる作戦なのだ。

一都民として東京都知事に心からお願いしたいことは「もう再選されるか否かの心配はなくなったのであるから、既に『国難』とまで指摘している向きもあるこの新型コロナウイする制圧対策に、西村康稔大臣を蔑ろにすることなく、常に真剣に対策を打ち合わせて意見や発表に食い違いなどないように協力し合い、何としても第二波の襲来がないように最善の努力を傾けて頂きたい」のである。「努力を傾けろ」と言えば、今まで努力してこなかったと言っていることになるが、実績が上がっていなかったのでは「努力不足」と誹られても仕方があるまい。

小池都知事にとっては再選された以上、オリンピック(もし、本当に来年に開催できればの話だが)には東京都知事として臨めるのだから、都知事として本来の都知事の職務に心置きなく精励できるはずだ。最初の立候補の時に公約された「七つのゼロ」などは何一つとして実践されていなかったことを、よもやお忘れではあるまい。私流に極言すれば「格好付けて好い加減なカタカナ語で罪なき都民を煙に巻く時期はとっくに終わっている」のだ。それとも、一部で言われているように都知事をオリンピック次第では辞任されて、国政復帰から総理大臣を目指されるのかという事。

それが小池百合子さんの本当の狙いであったのならば、東京都は踏み台にされていたのかとなってしまうではないか。現時点では新型コロナウイルス制圧が思うように進んでいない時点にあっては、東京都知事本来の職務に精励して頂きたいのだ。それが、366万票も獲得された都知事としての当然果たすべき義務ではないのか。


7月9日 その2 櫻井よしこさんは語った

2020-07-09 14:13:17 | コラム
カナダのNortel Networksの破綻:

8日夜のPrime Newsに出演された櫻井よしこさんは色々な事柄を取り上げた語られたが、その中で最も刺激的だったのが「この2009年に破綻したとされるカナダの世界的にも著名なIT企業である“Nortel Networks”がどのような経緯で破綻したか」という点だった。中国がこの度香港に適用した「国家安全法」の規定によれば「違反者は外国居住者でも云々」とあるのだから、あそこまでNortel破綻の原因を語られた櫻井よしこさんが今後もしも香港に渡られれば、たちどころに拘束されてしまうのではないかとまで懸念しながら承っていた。

確か桜井さんはブルームバーグだったかの報告書を見ながら語っておられたのだが、その内容を簡単に要約すれば「中国が徹底的にNortelにハッキング攻勢をかけてその持つ技術、例えば5G等々を手に入れ、それを華為等に渡して現在の世界に冠たる5Gや6G等の分野でアメリカを凌駕する先進国にのし上がった」という辺りになるか。テレビに「そこまでいっていいんかい」という番組があるが、私はその番組のタイトルを地でいっているような感で聞いていた。Nortelはその結果で得意先を根こそぎ奪われて破綻したという事だった。

その辺りを検索してみれば、山田敏弘氏のIT mediaに下記のように詳細に報じられていたので、諸賢の参考までに引用してみよう。

>引用開始
10年以上、倒産まで攻撃を続けた中国の手口
 最初に明確にしておきたいのは、中国政府系のサイバー攻撃者やハッカーたちの最大の目的の一つは、知的財産など経済的な情報を盗むことにある。加えて、それらを盗むための足掛かりとなる個人情報をかき集めている場合もある。また、軍部や政府などの機密情報を盗むことも狙っている。要するに、相手を「破壊」するというよりは、経済的・軍事的・政治的なアドバンテージを得るため、産業や軍事などの分野でサイバースパイ行為に力を入れているのである。
 しかもその攻撃は、かなり昔から行われている。ブルームバーグ誌が報じたカナダのケースでは、狙われたのは大手通信機器企業ノーテル・ネットワークスで、1990年代後半から継続してサイバー攻撃が続けられていた。
 ノーテル社からサイバー攻撃によって盗まれたのは、後に4Gや5Gなどにつながっていく米国の通信ネットワーク機器の設計図などの詳細情報や、財務状況、顧客との商談に使うパワポの資料など、貴重な資料の数々だった。ただこうした攻撃は、カナダの諜報機関であるカナダ安全情報局(CSIS)も把握しており、同社にも早くから注意を促していた。
 ただ残念なことに、同社はそれを聞き入れることなく、事の重大さを理解せず、放置した。この「放置」というのは、過去のケースを見ても、大規模なサイバー攻撃被害に見られるありがちなミスである。例えば、2016年の米大統領選では、米民主党全国委員会がロシア政府系ハッカーらの攻撃を受けて、大量の内部情報を盗まれているが、FBI(米中央情報局)はその攻撃を検知して委員会に注意するよう早い段階で連絡を入れていた。だが担当者らはそれを放置し、米大統領選の結果を左右したといわれる歴史的なサイバー攻撃を許してしまった。
 04年ごろになると、中国はノーテル社幹部らのアカウントを乗っ取るところまで深く侵入し、社内情報をそこから上海のコンピュータに送っていた。これは中国のサイバー攻撃の典型的な手法で、APT攻撃(高度で持続的な攻撃)と呼ばれている。とにかく、時間をかけてじっくりと盗んでいくのが特徴だ。しかも根こそぎ情報を盗み出すため、この攻撃は「バキューム・クリーナー・アプローチ(掃除機戦術)」とも呼ばれた。

<引用終わる

私にはこれ以上のことは分かる訳がないが、中国という国の凄さとそのやり口に凄まじさがハッキリと見える気がした。本当にこんな事があったのだろうかというか、出来るものなのかと恐れ入っていただけだった。

アメリカのBrooks Brothersが破綻した

2020-07-09 09:09:57 | コラム
Brooks BrothersがChapter 11の保護を請願:

今朝は珍しく5時過ぎという遅い時刻に起床したところ、テレビのニュースがBrooks Brothers(BB)の経営破綻を報じていた。驚いたというよりも、有名デパートが破綻する時期にあってはBBほどの格式ある人気店でもChapter 11(我が国で言う民事再生法)になるとは、アメリカの景気悪化の中ではこういう言わば高級な洋品店に皺寄せが来るのかと痛感させられた。BBは私の好みのブランドの一つであり、アメリカ出張の度毎にポロシャツやワイシャツやネクタイ等を買い求めていたのだった。

ブランドとしての格というかデザインが垢抜けているかどうかという点は、 Ralph Lauren、即ち“Polo”には一歩譲るだろうとは思う。だが、その少し保守的なデザイン感覚には捨てがたいものがあって愛用していた。但し、スーツだけはアメリカ製には私の身長に合う大きさがなくて、国内で買い求めていた。Chapter 11の保護を求めたという以上はブランドも店舗も残るのだろうとは思うが、最早アメリカに行くこともなければ、お洒落の必要もなくなった人生なので、静かにBBの成り行きを見守るだけになるだろう。

何故、アメリカのブランド品を好んで買っていたのかという疑問をお持ちの方もおられるかと思うので、その理由(ワケ)を順序不同で説明しておこう。先ずは値段である。BBは確かにアメリカでも高級品店の範疇に入るだろうが、そこは為替レートの悪戯で、アメリカで私のような小柄な者にも合うようなサイズの物を買う分には、国内で買うよりも遙かに割安になるのだ。次はデザインだ。Poloと比較すれば明らかに保守的だし斬新ではないが、その分無理なく安心して着ていられるのだ。ネクタイも同様だが、遺憾ながらBBは締め心地が宜しくなかったのは残念だった。

次に重要な点は(仮令アメリカで縫製加工されていなくとも)アメリカのデザインであり、一目見ればその金色の羊(Golden Fleece)のロゴマークも手伝って、アメリカの物と解るのだ。何年前だったか、イタリアに赴任された外交官がその著書に「イタリアで街中の盗難やスリ等の危険を避ける為には、現地に到着するや否やイタリア製の服を買って着用せよ。そうすることで泥棒たちに現地人と思わせれば危険がなくなる」と書いておられたのと同様に、私は考えているのだった。即ち、アメリカにいる限りは、BBでもPoloでも何でも「国産品」の着用を心掛けていたのだった。

その効果があったのかどうかは不詳だが、あれほど長い時間アメリカで方々の街を訪れていても、一度も外国人と思われたことがなかったと思っている。それも何か一言でも英語を話す前でもそうだった。しかしながら残念なこともあった。それは多くの場合に中国系アメリカ人と思われてしまうこと。空港に到着した際にロビーに出た途端に、何度か中国人と思しき者に駆け寄られて中国語で話しかけられたことが数回はあったと思う。もしかすると、アメリカのブランド物を着用に及んでいた効果がなかったのかも知れない。

最後に言わば忠告めいた事を経験から申し上げて置こう。それは「何もアメリカにだけに限ったことではないが、外国に行かれるときには如何にも日本製というか現地のファッション乃至は流行とかけ離れた服装をされないこと」なのだ。私の永年のアメリカ暮らしとヨーロッパにおける経験でも「この方は日本から来られた」と一目で解るのは、その服装に要因がある。現地の人たちの寛いだ服装の中では、その緊張感に溢れた着飾り振りが特に目立ってしまうのだ。しかも、我が国では未だにキャジュアル(「カジュアル」はカタカナ語)な服装を着こなしている方が極めて少ない。

そこには我が国独得のデザインの問題もあるが、外国に行くという事で妙に意識されて堅苦しいよそ行きの服装か、妙に沢山の色を使っている物を選んでおられるので解るのだ。それに「革靴」の愛用者が多いのも特徴だ。観光旅行ではスニーカーで十分なのだ。そんなことを言われても、何処で買って準備すれば良いのかと言われそうだ。それは、一寸足を伸ばせば東京近郊にはアウトレットモールが方々にあるし、BBでもPoloでも一寸した街は販売店がある、デパートだって運が良ければ「セール」に出会うことだってある。でもBBの店舗は残るのだろうか。