1010 Radio

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セルビアでの新憲法承認をめぐって

2006-11-01 | ラジオ

セルビア国民はコソボ自治州を、国の一部と規定する新たな憲法を承認
した。
新憲法案の是非を問う、国民投票に参加したセルビア国民は、52%の投
票参加者がこれに賛成票を投じている。この問題をめぐってロシアの声の
評論委員は、次のようにコメントしている。
今回の国民投票の結果が、最終的に明らかになったのは投票が締め切
られる数時間前という、本当にきわどいタイミングだった。
投票自体は2日間に亘って実施されたが、これに参加した者の数が締め
きり直前に大きく増加したため、決着は最後の最後まで縺れ込んだ形と
なっている。

観測筋は政府が憲法草案の内容を説明する作業を怠り、またセルビア国
民が相次ぐ変動や政治的な不安定さに疲れ果て、政治指導者の公約へ
の不審と無関心を募らせていることが、このような現象に繋がったとの見
方を示している。にも関わらず多くのセルビア国民は、政治的な責任を果
たし国の一体性の保持に関わる、重大な問題をめぐって自らの意見を表明
するため投票所にやってきた。

今回承認されたセルビア憲法の全文では、1997年に実施されたNATOから
の攻撃の結果、暫定的に国連の統治下に入っているコソボに付いて、自治
権を有しているものの、セルビアの領土の一部であるとハッキリ規定してい
る。

これに関連してロシア科学アカデミー・ヨーロッパ研究所・民族政治国家間
紛争担当局を指導するカンデリ氏は、コソボ自治州の将来的な地位をめぐる
話し合いの中で、アルバニア系住民のリーダー達が、西側諸国の後押しで
独立を求めている現在、セルビア人たちが自らの意思を明らかにしたことの
意義は大きいと語った。さらにセルビアは自らの持つコソボ領有権を確認し、
まさにそのことによって譲歩するつもりはないことを示して見せた。
そしてコソボ自治州の地位を、早いうちに決定したいと考えている人々も、こ
の事実に注目するはずだ。
カンデリ氏はこのように語った。

バルカン半島の国境線を引きなおそうと目論む勢力も、民主的な手続きに則
って自国の領土的一体性を守ろうとする、セルビア国民の意思を無視するこ
とは出来ないだろう。
同じように自らの(?)の保持を求める、コソボのセルビア系住民の意思も軽んじ
てはならない筈だ。
尚、今回のセルビ憲法承認の国民投票において、コソボでは74%を超える有
権者が投票所に訪れており、最も高い投票率を示している。

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(?)は聴き取れず

10月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル