1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

日本の核保有論議に対する在日本ロシア大使の会見内容

2006-11-25 | ラジオ
ロシュコフ駐日ロシア大使は東京の記者クラブで行った記者会見の中で、ロシ
アは日本が軍事国家への道を、歩まないだろうとの見方を示していることを明
らかにした。これに付いてロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしてい
る。
ロシュコフ大使が明らかにしていたように、現在日本国内には核保有を見直す
論議が高まっているものの、これに対しロシア政府は、日本の指導部は今後、
この論議を否定するだろうとの考えを示している。
ロシュコフ大使は日本が核保有を行うとすれば、世界の安全保障システムに
対し恐ろしい打撃を与えることになるだろうと述べた。
ロシアは過去に一度のみならず、日本が非核国であることに対し支持を表明し
てきた。ところが日本の複数の政治からが、日本政府は非核三原則を見直し、
防衛を目的とした核保有を行うべきだとの発言を行ったため、ロシア政府内で
はこれを危惧する声が高まっている。

日本でこうした論議が再燃した背景には、10月9日北朝鮮が新しい核ミサイル
の実験を行ったことがある。
この様に核保有論議の再開を望む声を挙げた政治家の中には、麻生外相の
ほか、自民党の中川政調会長が名を連ねている。
一方これに対し安倍首相は、非核原則を放棄する議論は行わないとする、日
本政府の立場を何度も繰り返している。つい数日前、核問題に関する日本政
府の政策を記した文書が公表され、これによって内閣の立場がより明確に示
された。
この文書では必要最低限の防衛を行うために、日本政府は核兵器を保有する
権利を有してはいるが、こうした法的権利を日本が行使することはありえないと
書かれている。
そしてこの文書が出ることによって、核を作らず持たず持ち込まないという非核
原則を堅持する、日本政府の公式の立場が明確にされた。

東京の記者クラブで会見に臨んだロシュコフ大使は、この立場を表明した日本
指導部に対しロシアは安堵していると述べている。
ロシアでは今まで長い年月に亘り、日本の非核三原則に付いて、日本の外交
政策の現実的な姿勢を表したものとしてこれを支持してきた。

世界で唯一の被爆国であり、大国の地位を誇る日本は常に第一線の立場から、
核軍縮を推し進めてきたからだ。
そしてこの非核問題が最も逼迫した局面を迎えた今日、このようにほぼ決定済
みの問題に付いて、このような論議が交わされたことは、ロシアに限らず中国
アジア太平洋地域諸国に憂慮の念を呼び起こした。
こうした一方で日本の安倍首相は、一部の政治家の危険な傾向を支持しておら
ず、こうした態度には希望を持つことが出来る。
こうしたことから考えると日本の内閣の出したこの声明は、核不拡散体制の強化
に対し、従来と変わらぬ姿勢を示したとものとして歓迎することが出来るだろう。

盟約の闇―「核の傘」と日米同盟

日本評論社

このアイテムの詳細を見る

11月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル