1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

北朝鮮のカン・ソクジュ外務次官の北京での声明に関連して

2006-11-29 | ラジオ
北朝鮮外務省のカン・ソクジュ第1次官は北京の空港で声明を表し、北朝鮮は
今後自国の核問題をめぐる6カ国協議の再開に合意をしたとしても、核開発プ
ログラムを中断するつもりはないとの態度を明らかにした。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。

カン・ソクジュ第1次官のこうした発言は、第一に国際社会を当惑させるものだ。
何故なら現在中断されたままとなっている、6カ国協議の再開に向けた動きが
本格化しているからだ。しかも協議参加国らは、現在すでに具体的な開催日程
に関する協議を集中的に行っている。
最近ベトナムのハノイで開かれたAPECのサミットでも、北朝鮮の核開発問題に
は大きな注意が払われた。このテーマをめぐっては議事日程に含まれない、非
公式協議の形で意見が交わされた。
というのもAPECサミットには、北朝鮮の代表が参加していなかった事を理由に、
ロシアと中国が、この話し合いの必要性を強く主張したからだ。
APECのサミット開催より以前に、北朝鮮は6カ国協議に復帰する姿勢を表明しア
メリカ、中国とも高官レベルの会談を行っている。
その際、北朝鮮側の代表者は昨年中断される以前に出された、6カ国協議での
共同声明に付いて、再確認する用意があることを伝えている。
この共同声明は、北朝鮮の核プログラム停止へ向けた内容も含んだものだ。
こうしたことから6カ国協議再開をめぐる問題は停滞を成し、ただ開催日程の決定
作業のみが残されている状態にあると見られていた。

しかし何故この時期に北朝鮮側はこうした声明を発表したのだろうか、これは北
朝鮮の外交方針がハッキリと変化したのか、あるいは自国の立場を強めるため
の一時しのぎのアピールなのか、そこがハッキリとしていない。
しかし北朝鮮が6カ国協議への参加を拒否していないのは明らかだ。とは言えこ
のような条件の下で、残された5カ国が協議再開に同意するのかどうかは明らか
でない。何故なら北朝鮮による核実験の停止という、6カ国協議の原則的な問題
をめぐって合意が得られないのだとしたら、何をテーマに話し合いを行うのかとい
う疑問が生じてくるからだ。
現在の状況は決してよいものではない。この状況は北朝鮮に敵対する国々に、北
朝鮮への制裁を強化すするための、絶好の理由を与えることになるだろう。
そして非常に残念なことに、それは現実のものとなりつつある。

来た、見た、撮った!北朝鮮―カメラが追った“独裁国家”
23年間の記録


集英社インターナショナル

このアイテムの詳細を見る

11月24日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル