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イラク戦争により高まりつつある国際テロリズムの脅威

2006-11-11 | ラジオ
アメリカによるイラクへの軍事攻撃は、国際的なテロリズムの脅威を高め
新たなイスラム過激主義の動きを生じさせると言う結果を招いた。これは
アメリカにある16の諜報機関がまとめた報告書「国際テロリズムの傾向と
アメリカへの影響」の中で述べられているものだ。
この問題をめぐってロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
この報告書はアメリカの指導部にとっては、大きな衝撃を与えたとはいえ
ないだろうが、一方で決して満足すべき内容ではなかったことも確かであ
る。

報告書の結論はそれ程意外なものではなく、作成者達自身がこれまで何
度と無く述べてきたものである。
報告書によればイラク戦争は、テロリズム問題を複雑化させる結果に繋が
り、2001年9月11日に発生した同時多発テロ事件以降、テロの脅威は増大
しつつある。また報告書の作成者達は国際テロ組織アルカイダに対しては、
大きな打撃を与えることに成功したものの、現在の世界において他の組織
から統制を受けていない、数多くのイスラム過激主義勢力が活動をしている
ことを認めている。
これらの勢力の多くは大規模なテロ組織と関係を持たず、独立した行動を続
けている。この報告が発表されたことで、アメリカ上院の中でもブッシュ大統
領に反対する人々は、ブッシュ大統領がイラク政策に対して誤りを繰り返し、
しかもそれを修正しようとしないことで、アメリカはより危険になったという主張
を強めている。

アメリカ指導部は以前からずっと、自分の希望的観測を事実に照らされている
かのように見せかけるという行動を取り続けている。
そして不幸にもイラク政府までもが、それを真に受けてしまっている。
イラクのタラバに大統領はNews week紙からのインタビューに答え、イラクが内
戦状態に陥ってるとの見方を真っ向から否定した。しかし国連のアナン事務総
長までもが、イラク情勢は内戦に近づいているとの見方を示している。
ロシアの政治学者も、イラクは平穏とは程遠い状況にあるとし次のように語って
る「イラクは事実上の内戦状態に陥ってる。戦いはイスラム教のスンニ派とシー
ア派の間だけで行われているのではなく、イラクに駐留しているアメリカ軍全体
に対して、あるいはアメリカ政府の立場を殆ど容認してしまっている、イラクの政
治指導者達に対して、攻撃の矛先を向けられている。したがってイラクの情勢が
正常化しているとか、公正的な方向に向かっているとかいうような情報が流され
たとしても、私はこれを事実から程遠いものだと考える」ロシアの政治学者はこ
の様に述べている。

平和で民主的なイラクの建設の必要性に付いては、これを否定する理由は何一
つない。しかしながらアメリカ軍のイラク攻撃により、国際テロリズムの脅威は高
まる一方である。今回アメリカの諜報機関が示した報告書の中でも、その結論に
対しては同意しない訳にはいかないだろう。

戦争大統領―CIAとブッシュ政権の秘密

毎日新聞社

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9月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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陰山英男先生 総監修!