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北極における国益を一貫して主張する構えのロシア

2008-10-16 | ラジオ
9月17日に実施された国家安全保障会議の会合では、北極地方における
ロシアの国益の保護がテーマとなった。
これに先立ち国家安全保障会議議長は、この地域はロシアの主要な戦略
的資源基盤となるべきだとの見解を示している。
学者らの計算によれば北極地方のロシアの部分だけで、世界の石油埋蔵
量の約25%が集中しているとされる。
また北氷洋の大陸棚には貴金属を含む、豊かな金属の鉱区が広がってい
る。
さらに北氷洋の水中は貴重な生物資源の宝庫でもある。

このためロシアをはじめアメリカ、カナダ、ノルウェー、デンマークといった北
極海に面した国々は、近年北極地方における竜有権の拡大と、
天然資源の開発に大きな関心を示している。
そのなかにはロシアが領有権を主張するゾーンも含まれている。
ロシアの研究者が一連の調査を実施し、ロシアが北極に通じる海底の一部
を自国のものとして主張する、あらゆる根拠を有していることを事実上証明
したことを受けて、北極地域に対する注目は特に高まった。

ロシアの研究者の調査によりロシア領の海域が、地理的にシベリアの大陸
棚と繋がっていることが証明された。
したがって国連海洋法条約に基づき、このゾーンはロシアの経済利益の対
象となる。
しかし他の国々も自国の利益を求め、北氷洋の大陸棚の権利を主張するた
めの根拠を用意している。
そうした国々は最近、この地域での純粋な研究調査を活発化させているほ
か、北極への軍事基地の建設も進めている。

これに対してロシア安全保障会議議長は、ロシアの北部のフランツ・ジョセフ
ランドで最近行われた、安全保障会議の出張会議のなかで次の様に述べて
いる。
「多くの国々が北極地方へ大きな関心を示し、現地でのインフラを発展させて
いる。
それらの国々は北極地方で豊富な鉱物資源を採掘しようとしているだけでなく、
自らの軍事基地の建設も行っている。
もしロシアが今、積極的な行動を起こさなければ、遅れをとり手遅れになってし
まうだろう。
そうなればロシアはここから締め出されてしまう」
ロシア安全保障会議議長は、この様に述べている。

北極の資源を狙う全ての国々は、国益を主張する権利を有している。
しかし重要なのは持論のある問題を解決するため、全ての国家が1982年の国
連海洋法条約をはじめとする、現行の国際法に従うことだ。
これに関連して今年5月末、北極海に面した5カ国はグリーンランドでの会議で、
国際法を基盤として北極での協力を行っていく意向を確認した。
肝心なのはこの宣言が実際に守られるようにすることだ。

北極と南極の100不思議

神沼 克伊,和田 誠,東 久美子,麻生 武彦,渡邉 研太郎
東京書籍


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9月19日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル