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北京でのアジア・ヨーロッパサミット開催を控えて

2008-10-23 | ラジオ
10月24日と25日の両日、中国の北京で開かれるアジア・ヨーロッパサミッ
トでは、世界経済のアクチュアルな諸問題が話し合われる。
参加する45の国の首脳やハイレベルの代表者たちは、会議の上で当然な
がら、世界に広がった世界経済危機からの打開策の模索に、主な注意を
割くことになる。
この話題に付いてロシアの声の評論委員は、次の様にコメントしている。
今の段階において世界経済の差し迫った大きな問題となっているのは、言
うまでも無く先ず全世界を覆った経済危機、そしてエネルギー部門の状況
さらには食糧の安全保障、交通輸送、情報テクノロジーの発展といった問
題だ。

今からちょうど10年前の1998年、ロンドンで同じような会議が催され、当時
とりわけアジア諸国に大きな痛手を与えた、金融状況の不安定化問題が
話し合われたことを覚えている人も居るかと思う。
10年前ロンドンで開かれたこの会議の参加者たちは、痛手を負った国々が
経済的な困難を克服する助けとして、特別の基金を作る決定を下した。
中国の外務大臣は、新華社通信のインタビューに応じた中でこの事に触れ
特別基金の設立はアジアとヨーロッパの協力における、成功の良い例であ
ると指摘し、北京の会合でもアジアとヨーロッパの国々は、現在の複雑かつ
困難な状況を上手く処理し、国際的な金融市場を安定化することが出来る
だろうとの確信を明らかにしている。

現在の金融危機は先ず第一に、アメリカの不動産会社の破綻が引き金とな
った、アメリカ市場の極めて好ましくない状況によって呼び起こされたものだ
が、地元アメリカを含め権威ある専門家たちの多くは、そもそも金融危機の主
要な原因の一つとなったのは、ブッシュ政権の経済政策が効率の悪いもので
あったことだ、との考えを示している。

これに関連してどうしても触れざるを得ないことは、アメリカの一般市民の利益
を蔑ろにして、ブッシュ政権が主権国家であるイラクやアフガニスタンに対する
軍事行動を続け、アメリカ国民の払う税金を犠牲にして、軍事費を拡大している
という事実だ。
アメリカ・ホワイトハウスのせいで、今回の金融危機の悪影響はアジア、ヨーロ
ッパ全体、そして各企業さらには一般の人々一人ひとりにまで及んできている。

この生じてしまった金融問題を上手く解決していくなかで、重要な役割を担って
いるのがロシア、中国、インドといったここ数年、その経済発展のテンポにおい
て世界をリードしている国々だ。
とりわけ金融危機克服において中国の役割は重要で、イギリスのブラウン首相
は、中国の温家宝首相との電話会談の中で、世界共同体は金融状況安定化に
おける中国政府の役割を高く評価していると述べた。

ここで注意を促したいのは金、外貨準備高で中国は依然、世界第一位だと言う
点だ。ちなみにロシアは日本に続いて第三位を占めている。
さて中国の複数のマスコミが17日、伝えたところによると、中国国務院は世界的
な金融危機に対抗する措置の作成を任務とした、特別の小委員会を設けたと言
うことだ。

日本人だけが知らないアメリカ「世界支配」の終わり

カレル・ヴァン・ウォルフレン
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10月19日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル