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オペルの売却撤回に関するゼネラルモーターズの決定によせて

2009-11-11 | ラジオ
アメリカのゼネラルモーターズは、傘下に持つドイツのオペルをカナダ・
オーストリア系自動車部品大手マグナと,ロシアの銀行大手ズベルバ
ンクに売却することでほぼ決定していたが、11月3日この方針を撤回し
た。
これは世界の自動車産業界に衝撃を与えた。

GMとともに

アルフレッド・P・スローンJr.,有賀 裕子
ダイヤモンド社


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自動車生産界に関するドイツの公明な専門家で、ドイツの(?)大学付属
の自動車生産研究センター・カーセンター所長は、ゼネラルモーターズ
がオペルの売却を撤回したことは、大きなリスクを齎す可能性があると
の見解を述べた。
所長はゼネラルモーターズが決定したオペル売却の撤回は、全ての人
を驚かせ将来大きなリスクを齎すであろうとの考えを表し、ゼネラルモー
ターズの傘下として残るオペルの展望に付いて、非常に悪いと評価した。

オペルの労働組合代表を務めるフランツ氏は、売却撤回が発表された前
日の火曜日を、ドイツにあるオペルの2万5千人の労働者にとって、不幸
な日であると言うことを述べた。
フランツ氏はゼネラルモーターズが次に行うのは、ヨーロッパにあるオペ
ルの工場で働く労働者たちの人員削減をしなくて済むように、ゼネラルモ
ーターズの非現実的な発展工場に融資するよう、アメリカやドイツの政府
に働きかけることであると述べた。

またセンター長はオペル(女性アナはこの箇所を「オペラ」と言った)の売
却の話し合いは、当初から多くの反対者が居たと述べ次のように語ってい
る。
「オペルの売却は非常に苦しいものだった。ドイツ政府は売却を支持した。
もちろん前ドイツ政府、そして現在のドイツ政府による支持は大きな価値を
持っている。
しかし売却はオペルの工場を持つEU各国から厳しい批判を呼んでいる。
EU各国にあるオペルの工場はヨーロッパで再建するなかで、恐らくドイツの
オペルの工場よりも苦しい可能性がある。
これはイギリスやポーランド、スペイン、ベルギーなどによるオペルの工場だ。
これの国々はすでにEUの枠内で、オペル売却に反対する立場を示していた」
センター長はこの様に述べている。

ゼネラルモーターズによるオペル売却の取りやめに関して、ロシア政府も大き
な驚きを表した。
ジューコフ第一副首相はこれを受け、たとえオペルが無かったとしても、現在
ロシアの自動車産業界には大きな困難があると述べ、我々は先ず始めにロシ
ア国内の自動車企業の行く先に付いて憂慮しなくてはならない。
ロシアでは経済危機の底を打ち、現在は国内生産の発展で展望が現れてき
ているとの声明を表した。
一方でゼネラルモーターズと近いうちにも、再建プランを提出すると言う約束を
取り交わしていたドイツ政府だが、ドイツの政治家達は定まらない方針に憤りを
隠そうとはしていない。

ドイツのメルケル首相は、ゼネラルモーターズの決定は間違っているとの内容の
声明を表した。
またドイツの公式報道官は、ゼネラルモーターズはオペル支援のために、ドイツ
政府が拠出した15億ユーロを返済する義務があるとの声明を表した。

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小林 英夫,大野 陽男
日刊工業新聞社


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11月5日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル