1010 Radio

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プーチン、ティモシェンコ両首相会談終了によせて

2009-11-26 | ラジオ
プーチン首相はヤルタでの、ウクライナのティモシェンコ首相との会
談を総括し、ロシア・ウクライナそしてヨーロッパの、ロシア産ガス
消費者達は新年を心配なく迎えることになるだろうと約束した。
プーチン・ティモシェンコ両首相は、来年度のガス契約に付いて話し
合い双方は達成された合意に満足している。
プーチン首相はガス料金の不足に対し、如何なる制裁も導入する考
えはないと確認し、先ずウクライナ側を安心させた。

ガスプロムとウクライナのナフトガス社の間では、自分用に注文した
分は払うという原則に従った合意が効力を持っている。
つまり毎年、何立方メートルであるかガスの最低使用量を決め、そ
の量に付いては買い手が指定する義務があるということだ。

最低量、買付けの際、事前に選ばなかった分、つまり超過分に付い
ては別個に、部分として支払わなければならない。
ウクライナは今年度のガス料金が不足している。
しかしウクライナの困難な経済状態を考慮して、ロシア政府はウクラ
イナに対する罰金は課さないことに決めた。
プーチン首相は次の様に語っている。
「我々は消費量が落ち込んでしまったことをよく理解している。
それ故ロシアとウクライナの特別な関係を感慨に入れ、ロシア政府は
どのような制裁措置も取らないと決めた。
ではそうした制裁が来年度、発生しないようにするためにはどうすべ
きだろうか。
ウクライナによるガス買付けの量に付いて、すでに合意は達成されて
いるが、ガスプロムとナフトガスはウクライナへの、新たなガス供給量
に付いて打ち合わせをするということが決まった。
余分な量を契約しなければ、制裁をしなくて済むという訳だ。これはと
ても簡単で、全ての人々にとって受け入れられる解決方法だ」
プーチン首相はこのように述べている。

それ以外に、今年はじめに調印された契約に従って、2010年からはロ
シア・ウクライナ・エネルギー協力の分野で効力を持っていた、あらゆる
特典措置や値引きが無くなる。
一方、ヨーロッパ向けロシア産ガスのウクライナ通貨料も60%上がる。
尚ウクライナは、その歴史上初めて市場価格で、現在払っているものよ
り20%高くなるが、この市場価格、国際価格で消費するガス料金を支払
うことになる。

ティモシェンコ首相は今やウクライナはヨーロッパにおいて、標準的なガ
ス契約を結んだ。
このことはウクライナの主権と独立を改めて示すものになった、と述べる
一方で、ウクライナには国が市場経済に、統合していくことに反対してい
る人々もいると指摘し、次の様に続けている。
「ハイレベルにある多くの政治家達が、今回の契約を気に入っていない。
ガス市場ではここ数年間ずうっと、巨大な汚職のモデルが機能していた
からだ。
何十億ドルものお金が国の予算に入らず、国営企業にも入らず2009年
はじめ我が政府が打撃を与えた、仲介者の懐に入っていた。
ウクライナではこのことに多くの人々が満足していない。
と言うのはそれによって多くのお金を得られなくなったからだ。
それ故、彼らは新しい契約を批判している訳だ」
ティモシェンコ首相は、この様に指摘している。

ティモシェンコ首相のこの発言だが、直接ユーシチェンコ大統領に向けられ
たものと言っていいだろう。
ユーシチェンコ大統領は事あるごとに、ロシア・ウクライナ間の現行のガス
合意に、自分が満足していないことを強調してきた。
そればかりか政府間合意を無視して、11月19日ユーシチェンコ大統領はイ
ンターネットで、メドヴェージェフ大統領に公開書簡を送り、直ちにガス契約
を見直すことを提案し、さもなければウクライナは、ヨーロッパ向けガスの確
実な供給を保障できないと警告した。

ロシア政府も、またEUも、このユーシチェンコ大統領の警告にすぐさま反応
し、公のこうした脅迫そしてパートナーを驚かすような試みは、政治的また
経済的パートナーとの、円熟した大人の関係にとって許すべからざるものだ、
といった同様の趣旨の声明を出している。
ユーシチェンコ大統領がそうしたやり方で、自分の大統領選挙を前に、自分
の抱える諸問題を解決しようと試みたものの、故意に袋小路を選んでしまっ
たということは明らかだろう。

一方ティモシェンコ首相は、ウクライナはロシア産ガスの領内通過義務をは
っきりと果たすだろう。
何か障害が突然発生して、供給に問題が生じるようなことは無いと明言し
ている。

11月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル