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国際制裁のプラスとマイナスは表裏一体(1)

2010-06-17 | ラジオ
国連安全保障理事会は、対イラン制裁決議の定例ラウンドを承認した。
この制裁はイラン政府がウラン濃縮作業を凍結せず、自国の核プログラムが軍事目的でない事を裏付ける証拠を提出するのを拒んだことから、導入されるに至ったものだ。

すでに伝えられているように、イランへの武器供与禁止が拡大され、それ以外に核及びミサイル開発プログラムに関係している、イランの数十もの企業の口座が凍結され、イラン船舶の臨検も規定されている。
この制裁決議は2006年から数えて4回目の国連安全保障理事会決議だ。
イラン指導部は常にこうした措置に対して、強い怒りの反駁を持って反論してきた。
イランの核プログラム及びミサイル開発の制限を求める措置は、今のところそれを促すようには作用していない。4年間、制裁がなされたがイラン政府がイスラエル領内に到達する能力を持つ弾道ミサイル製造を妨げはしなかったし、ペルシャ湾での演習でイランが定期的に、武器を用いることに対しても儒間にはならなかった。
ウラン濃縮に至っては20%のレベルまで達成した。
この様に制裁措置が、どれほど望ましい結果をもたらし得たかについて、効果的であったかは疑問だ。
専門家達は、もしイランが原子爆弾の製造を決めたならば、5年以内にそれを達成するだろうと見ている。

さらにもう一つの例を挙げてみよう。イラクの例だ。
イラクに対する制裁はクウェートに対し、攻撃を開始した1990年8月6日から4日後に導入された。
この措置は国連が出来てからこれまでの間で最も厳しいものだった。クウェートからイラク軍を撤退させ、イラクが貯めこんでいる大量破壊兵器一掃に向けて、当時のフセイン大統領に圧力をかけようとなされたものだった。
しかしクウェートの主権が最終的に回復出来たのは、こうした制裁のお陰ではなく、アメリカとその同盟軍による軍事行動のお陰だった。

一方同時に国際的なまた包括的な制裁というのは、一般市民を苦しめてしまうという側面もある。長年にわたり国連安全保障理事会では、制裁の言ってみれば西側的なコンセプトが効力を持っていた。
そのコンセプトを短く言うと次のようにまとめられる。
国民が制裁によって苦しめば自分達の政府に対し圧力をかけ、国際社会にとって必要な何らかの措置を政府へ取らせる方向へ向かわせるというものだ。
その後そうしたコンセプトの誤りが認識された。
実際のところ、もし政治体制が民主的でなければ、また国民が国の指導部に自分達の意見を反映させるような手段を持っていなければ、西側が期待するような事は起こり得ないということだ。選挙システムが機能しておらず、どのような街頭での抗議行動も阻止されてしまうのだ。

国際制裁のプラスとマイナスは表裏一体(2)へ続く

6月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル