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強まるアメリカ・フィリピン軍事パートナーシップ(1)

2012-02-22 | ラジオ
中国の新聞『環求時報』に、自国領内の米軍プレゼンス拡大プランを進めるフィリピンに対し、中国は経済制裁を課すべきだ、という主張が掲載された。
この報道は今月(1月)26、27の両日ワシントンで開かれたアメリカ・フィリピン交渉に対する、初めての中国公式筋の反応として注目された。
アメリカとフィリピンは、アメリカの海軍艦船をスービックベイ基地に常時駐留レベルで戻す件についてワシントンで話し合った。
20年前フィリピンが、この基地からのアメリカ軍部隊の撤退を求め、それが実現されたことを記憶しておられるリスナーリの方も多いのではないだろうか。
フィリピン政府の態度が今回180度変化したのは、いわゆる中国の脅威の高まりによるものだ。
アメリカ軍部隊のフィリピン領内での展開や、合同演習の頻度増加、回数の増加も計画されている。 

新聞『環求時報』はまた、中国は隣国に対して予備の空港を作るように、中国とアメリカの間でバランスを取るのは正しい選択ではない、という事を示す必要があると主張し、フィリピンの行動に対抗して、フィリピンとの経済交流を縮小するよう訴えている。
今回のような報道は、1990年代の初めに中国の指導者・小平氏が提唱した自分たちの力を隠すべき間は、控えめに影の中で堪えるという戦略を、現代の中国当局が放棄しようとしている新たな証とも見ることができる。
長い間、小平氏が述べたその言葉が、中国の軍事戦略を特徴付けるものと考えられてきたが、ここ数年、中国は自国経済の成長と世界における政治的影響力の拡大を、軍事的な増強に上手く結び付けてきた。

こうした現実は、小平氏の戦略を古くなったと見ている人々の声を強め、彼らは国際舞台で、もっと中国が強い政策を取るべきだと述べている。
国際問題を解決する手段として制裁措置を取ることを、原則として常に反対してきた中国が突然、フィリピンを言ってみれば懲らしめるために、精彩の有用性について語り始めたことは、今述べてきたようなことで説明がつくのではないだろうか。
いずれにしてもフィリピン政府は、中国政府から激しい反発を買う可能性を承知で、アメリカ政府とのパートナーシップにおいて、どれだけ自分達を近づけるか、最終的な判断を下さなくてはならなくなっている。その際フィリピンにとって必要なのは、南シナ海のスプラトリー諸島領有問題をめぐって中国との緊張が高まる条件下、言ってみれば後方を閉じるという事だ。

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強まるアメリカ・フィリピン軍事パートナーシップ(2へ続く

1月31日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル