Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

フツウノ休日

2004-07-25 22:56:26 | 映画
スチームボーイ

を見てきました。
メカとスピード感が気持ちええです。かっこええです。
アクションシーンの緻密なスピード感っていうのかい。
ストーリーとか全体としては直接的な感じで、具体性そのまんまの映画という印象。

スチームボーイっていうから・・・。
ヒステリーな少年ではなかったです。
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捨テゼリフ

2004-07-25 00:57:32 | Fish On The Boat
「あいにくさま」
白ポロシャツを着たおとなしそうな青年との短い出会いを終えて、
彼を背後にしたさいに、クリクリした目を持つモノトーン模様のネコは
こんな気持ちを抱いていただろう。
たぶん。

何年もの野良生活でつちかった経験と、種としての勘に自信を持って正解だったのだ。
ネコといえど、そういった類の読みが当たれば嬉しいものだ。
たぶん。

視界にポロシャツを捉えたとき、少しだけ心拍数が上がった。
きっと、今くぐった黒い車のあるじなんだろう、と察した。
「我が道を行っていただけなんだ。何かから逃げるわけじゃなかったし、
未然に防ぐべき危険に対しての反応も感度の良い鼻にはなかったんだ。
だけど、我が道と彼の道の交点に、偶然お互いが鉢合わせちゃうことに気づいたんだよ。」
その時の気持ちを尋ねることに成功したならば、
ネコはこのようなことをニャアに込めてくれるに違いない。と願う。

ポロシャツの歩くスピードが上がった気がした。
どんなことにも、「もしも」ということがあることはわかっていた。
「もしも」を無視したがために、不幸を背負ってしまうことがあることもわかっていた。

そのネコには、猫背のさかさまのような印象を与えるヒゲが備わっていた。

一瞬立ち止まり、丸い目をさらに丸くする。
確実に道の交点でポロシャツとぶつかることがはっきりとわかったからだ。
その差、約8猫身の距離だ。
心拍数は一気に高くなっていた。

押し寄せる不幸の予感と"ヒゲ"が、ポロシャツと自らよりも先にぶつかりあい戦い始めた。


白黒模様ののら猫は、僕をみるなり、その歩様に大きな一歩を混ぜた。
右脚を大きく踏み出したその動きは猫らしくなく多少こわばっていて、
その前後のしなやかな動きゆえに、際立ってぎこちない一瞬だった。
「こいつ、急に意識したな」
素っ気無く歩いてくるので、車の手前ですれ違うかと思っていたのだが、
直前でタイミングをずらされてしまった。

運転席のドアを開ける前に、猫のほうをちらと見た。
向こうもこちらを横目で見終えるときだった。
両手は荷物でふさがっていたし、かまってやるつもりはなかったのだ。
いたずらされるとでも思ったのかな、「あいにくさま」だ。

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