Fish On The Boat

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『未来型サバイバル音楽論』

2011-05-05 18:09:12 | 読書。
読書。
『未来型サバイバル音楽論』 津田大介 牧村憲一
を読んだ。

音楽ニュースサイト「ナタリー」の代表取締役の津田大介さんと、
音楽プロデューサーなのでしょうか、レーベルをいろいろ作ってこられた牧村憲一さんによる、
これからの音楽の需要と供給についてなどを論じたり、対談したりした本です。

著作権に関するところは難しくてちゃんと理解できないまま読んでしまいましたが、
その他のところ、とくに60年代ころからの音楽史などは、レーベルの名前やミュージシャンの名前を
ちょっと知っているくらいの知識があれば、すんなり読み進められます。

しかし、読んでみると、レコード会社っていうのは、あくどいというか、
弱みに付け込むところもあるし、利益追求しすぎるところもあることがわかります。
僕の個人的な、音楽業界に対するイメージっていうのは、少々浮ついていて、
しっかり戦略を練っているようで、やっぱり扱っているものが、
論理ではどうこうならないような、ハートで判断する手合いであり多様性のある「音楽」ですから、
ふらふらしちゃうっていうものです。
というか、そんなふらふらしちゃうものに対して、なぜか絶対の自信を持って商売しているんだぞっていう、
自負がありすぎるように見受けられるんですよね。
そして、貪欲でありながらスマートであろうとしている様はちょっと滑稽にも見えてしまいます。
97年だったか98年だったかをピークに、CDなどの音楽商品の売り上げは下落していって、
今ではピーク時の半分以下の市場規模だそうです。
カッコつけすぎというか、なんかスノッブな感じのレコード会社には、同情は集まらないんじゃないかと
思う訳です。反面、ライブ特にロックフェスの動員人数が伸びてきているとか。
これはもしかすると、音楽の受容者たちは、レコード会社の商法に嫌気がさしていて、それがCDなどを買う気を
失せさせているんじゃないかと思うのです。心理として。
でも、ミュージシャンも音楽も好きだから、ライブの動員数は伸びているのかな、とも思えました。
まぁ、ライブが伸びているのは違う解釈が主流ですね、生の実感、一回性の贅沢さがいま貴重になっている
ということなのかもしれない。

そんな部分もありながらですが、もっと面白く興味深いテーマも扱われています。
フランスのサラヴァレーベルについては、名前しか知らなかったので、興味深く読みましたし、
このあたりの影響って、もしかすると「ほぼ日」にも当てはまるなぁなんて読み方もしました。
牧村さんは「一人1レーベル」を提唱されています。
僕はこの辺り、なにか、コンテンツを一つ持つ個人でいよう、と言われているような気がしました。
音楽の本ですから、最終的には音楽に繋がることでなのですが、音楽に限らずそうだなぁと。

ツイッターやユーストリームなどの新しいメディアについても触れられています。
津田さんのツイッターへの理解度が高いので、一言でぽんと本質をついておられる
部分もありました。そこはこの本を読んでのお楽しみとしておきましょう。
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