Fish On The Boat

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『生態系のふしぎ』

2014-05-07 12:01:42 | 読書。
読書。
『生態系のふしぎ』 児玉浩憲
を読んだ。

小学校高学年くらいから読めそう。

植物や動物や微生物など、みんな複雑に思いもよらぬところで
関係し合っているものなんだなぁと思い知らされる一冊。

食べる、食べられる、といったわかりやすい関係もありますが、
たとえば日本の「干潟(干潮のときに姿をあらわす浅瀬)」のように、
波の影響が少ないがために生息しているゴカイや貝類らが、
川から流れ込む生活・工業排水の有機物や無機物を分解する役割をして
水を浄化します。さらに、渡り鳥などが中継地として飛来して、
それらゴカイなどをついばんで自分のエネルギーとして、
目的地まで飛んでいきます。
つまり、干潟は、水質浄化とともに渡り鳥の繁殖や越冬地になり、
さらに、ヒトにとっては潮干狩りなどの機会を与える場所になっている。
そんな干潟は最近までその役割が理解されずに、
よく埋め立てられて各地の干潟は無くなってきました。

そんな干潟のような、最近になってわかって、
理解のしやすい生態系もあれば、
もっともっと複雑に相互作用し合っていて、
まだよくわかっていない生態系もあるだろうと思われ、
そういうのを考えると、人知の及ぶ範囲で自然を征服するような、
パワー型の開発なんかはやめたほうがいいよなぁと思えてきます。

また、動物の絶滅の項では、
ステラーカイギュウ(これはこの前読んだ綿矢りささんの本でも言及されていた)、
リョコウバト、絶滅間際までいった種としてはバイソンなど、
人間が自らの享楽のためや、深い欲望や短慮のために、
滅ぼされてきた種が紹介されていました。

そして、人口が多すぎるという点。
地球のもつ、人間扶養能力をもう随分こえているようだ、という指摘がされています。
とくに森林の伐採は深刻なもので、熱帯雨林の消失量のデータをみると、
元気がなくなってきます。

植林についても、植える木の種類まで考えないと効果がなかったり、
悪影響を及ぼしたりするものだという説明もされています。

というように、
この一冊で、ざっくりと「生態系」というものがつかめます。
僕は結構前から、パワーでもって押さえつけるやり方は、いろいろな場面において、
それは違うんじゃないか、ほんとうに短い間の対症療法的な効果しかないんじゃないかと
考えてきたタイプですが、この「生態系」というものを考えた時にも、
その考えはすごく間違っているわけじゃないぞ、という気持ちになりました。

もともと、柔よく剛を制すを地でいく柔道をやってたもので(当時、軽中量級)。
その前でも、なんか、気功なんかを好きだった(当時、小学生)のも
関係があるのかもしれない。

この一冊で、ざっくりと「生態系」というものがつかめます。僕は結構前から、パワーでもって押さえつけるやり方は、いろいろな場面において、それは違うんじゃないか、ほんとうに短い間の対症療法的な効果しかないんじゃないかと考えてきたタイプですが、この「生態系」というものを考えた時にも、その考えはすごく間違っているわけじゃないぞ、という気持ちになりました。
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