読書。
『早稲田の恋愛学入門』 森川友義
を読んだ。
早稲田大学で大人気だという恋愛学講座を書籍化したもの。
これはよく言えば、
人間の生態を写実的に写し取って、
その姿を肯定して「淘汰」を勝ち抜くためのありかたを教える本です。
それは「戦い」であるから、
策略など含めていろいろな手を尽くして臨めといっている風。
でも、小手先感があって、ある意味創造性を感じない論調でした。
性淘汰って適者生存みたいなものだから、
やっぱりそのまま見ていくと殺伐としているシステムです。
この本でいわれていることの前提としては、
社会をよりよくするより、
そして、生きやすさを考えるより、
恋愛でうまくいくことを優先するということ。
それも、かなり強調されてそう書かれている。
だから本書を話半分で聴こうとせずに、
十二分に真に受けてしまったり、
全面的に信じてしまって「信者」みたいになったりすると、
それは恋愛に長けただけのバカになる。
本書のこの早稲田での講義は、ある割合でバカを製造していると思う。
世の人びとは、
それほど、誰かが言うことを全面的に信用しないだろう、
とふまえてこれだけ強めの恋愛講義をしているのかもしれない。
そうじゃなかったとしたら、恋愛原理主義の本ですね。
性のメカニズムこそ正しく、それに従うべきだとする恋愛原理主義は、
人間も昆虫レベルだとしているかのようです。
それでも、恋愛テクニックのところなどでは、おもしろい部分はあった。
たとえば、「秘密の共有戦術」「補完性戦術」
「アドバルーン戦術」「譲歩的説得法」などなどは、
知っておくとまあ使えるだろうし、
小説を書くのにも役立ちそう。
でも、権謀術数を是とする恋愛原理主義なんですよね。
そう感じたり考えたりしてみると、
本書はあんまり良い本ではないかなあ。
恋愛をたのしむ感じがあまりしないですね。
ぼくの知りあいの研究者のひとは、
著者の書く本はおもしろいですよ、と言っていたんだけれども、
ぼくにはあまり合わなかったです。
ひとによりけりな本かもしれないですが、
それでも、恋愛原理主義にはならないほうがいいと個人的に思います。
『早稲田の恋愛学入門』 森川友義
を読んだ。
早稲田大学で大人気だという恋愛学講座を書籍化したもの。
これはよく言えば、
人間の生態を写実的に写し取って、
その姿を肯定して「淘汰」を勝ち抜くためのありかたを教える本です。
それは「戦い」であるから、
策略など含めていろいろな手を尽くして臨めといっている風。
でも、小手先感があって、ある意味創造性を感じない論調でした。
性淘汰って適者生存みたいなものだから、
やっぱりそのまま見ていくと殺伐としているシステムです。
この本でいわれていることの前提としては、
社会をよりよくするより、
そして、生きやすさを考えるより、
恋愛でうまくいくことを優先するということ。
それも、かなり強調されてそう書かれている。
だから本書を話半分で聴こうとせずに、
十二分に真に受けてしまったり、
全面的に信じてしまって「信者」みたいになったりすると、
それは恋愛に長けただけのバカになる。
本書のこの早稲田での講義は、ある割合でバカを製造していると思う。
世の人びとは、
それほど、誰かが言うことを全面的に信用しないだろう、
とふまえてこれだけ強めの恋愛講義をしているのかもしれない。
そうじゃなかったとしたら、恋愛原理主義の本ですね。
性のメカニズムこそ正しく、それに従うべきだとする恋愛原理主義は、
人間も昆虫レベルだとしているかのようです。
それでも、恋愛テクニックのところなどでは、おもしろい部分はあった。
たとえば、「秘密の共有戦術」「補完性戦術」
「アドバルーン戦術」「譲歩的説得法」などなどは、
知っておくとまあ使えるだろうし、
小説を書くのにも役立ちそう。
でも、権謀術数を是とする恋愛原理主義なんですよね。
そう感じたり考えたりしてみると、
本書はあんまり良い本ではないかなあ。
恋愛をたのしむ感じがあまりしないですね。
ぼくの知りあいの研究者のひとは、
著者の書く本はおもしろいですよ、と言っていたんだけれども、
ぼくにはあまり合わなかったです。
ひとによりけりな本かもしれないですが、
それでも、恋愛原理主義にはならないほうがいいと個人的に思います。