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『どうして時間は「流れる」のか』

2015-03-12 16:31:32 | 読書。
読書。
『どうして時間は「流れる」のか』 二間瀬敏史
を読んだ。

物理学者による、
ちょっと難しいけれど比較的分かりやすい、
「時間とはなにか」という問いに答える本。
その性質上、特殊相対性理論と一般相対性理論を扱っていて、
本書の半分以上は宇宙論にもなっています。
重要なキーワードは「エントロピー」でした
このイメージを掴んでおかないと、
時間の流れについてもイメージが湧きません。

エントロピーについては、
僕はたとえば比喩的に、
遊び場でも、仕事場でもネットの掲示板でもいいですが、
「場」というものが壊されてしまうことを、
エントロピー増大にかけて、
「世の中はエントロピー増大に向かうものであるから、
エントロピーを増やすことは難しいことではなくて、
エントロピーを低くしていくことのほうが
つまり情報量を増やすことでもあってそれこそがかけがえのないことで、
場を壊すなどというエントロピーを増やす行為よりも、
場を作るというエントロピーを低くする行為を大事にしていかないか」
とどこかで書いたか考えたかしたことがあります。
生命の誕生っていうものも、家を作ったっていうことも、
エントロピーを低くする行為なんですよね。
宇宙のエントロピー増大っていう流れに逆らう行為にこそ、
面白みと生きがいはあるんじゃないのかって思いました。

そこでこの本ですが、エントロピーを重要視しています。
人間の進化にしたって、原子力廃棄物だの二酸化炭素だのゴミだのが
エントロピー増大にあたるとしていて、
人間の進化だけをみてエントロピー低下とはみなさない、
となっていました。すごくマクロな見方です。

宇宙の始まりから、最新の物理学のトピックまで、
面白く読めました。
超ひも理論はこの世界を10次元と考え、
M理論というのが11次元と考えるという区別ができたし、
僕らが認識する空間3次元と時間1次元のほかの余剰次元は、
ミクロの域にまで折り畳まれていて観測することも出ないと考える
科学者が多いこともはじめて知りました。

そういうわけで、
すべてはっきりとは理解できませんでしたが、
物理学の面白い読み物でした。


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