確率の基礎となる場合の数について。
現行の中学校の教科書には、「場合の数」という記述はない。
確率の計算に吸収されてしまっている。
確率計算のために場合の数が使われている。
そのためか、場合の数をしっかり数えることが希薄になっているようだ。
例えば、サイコロを2回投げたり、大小のサイコロを投げた場合の数が
6×6=36ではなく6+6=12になってしまったりする。
また、硬貨を3回投げた場合の数が2×2×2=8と計算出来なかったりした場面に遭遇した。
少人数制の学力の高いクラスの生徒でこの現象が現れた。
場合の数の積の法則、和の法則をきちんと教える必要があるだろう。
----和の法則---------------------------------------------------
2つの事柄A,Bは同時には起こらないとする。
Aの起こり方がa通りあり、Bの起こり方がb通りあるとすると、
AまたはBが起こる場合はa+b通りある。
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大小のサイコロを投げた場合、大のサイコロ6通りと、小のサイコロ6通りは
同時に起こるので、和の法則はあてはまらない。
----積の法則---------------------------------------------------
事柄Aの起こり方がa通りあり、そのおのおのの場合について、
事柄Bの起こり方がb通りあるとすると、AとBがともに起こる
場合はab通りある。
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この2つの法則は中学校段階で教えておいた方がよい。
で、書店で高校受験の参考書を立ち読みすると、この2つの法則を取り上げている
本もあった。発展的な内容として取り上げることが大事だと思う。