ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

イタリアの美味 パルマのチーズ&パルマの生ハム

2015-08-11 17:11:25 | おいしい食べもん
チーズ続きの話題をもうひとつ。

先月、料理ブロガーを対象とした、イタリアのエミリア・ロマーニャ州のチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」と、「パルマ産生ハム」 の本物の味と香りを堪能するイベントが都内で行なわれ、取材してきました。


パルマを代表する美味食材 “パルミジャーノ・レッジャーノ”“パルマ産生ハム”

イベントの内容は、これらの食材に精通する講師から、基本情報をはじめ、プロならではのカット&スライスの妙技、さらには最高に美味しい食べ方を伝授してもらう、というもの。


講師は イタリア食材専門店「PIATTI」(東京都目黒区)の店主 岡田幸司さん


集まった料理ブロガー32名は、すべて女性!


まずは、“パルマの生ハム”から。



パルマの生ハムの原材料は、パルマで育ったイタリア豚、塩、パルマの風のみ。
着色料や添加物は一切使用が禁止されています。
厳しい条件に合格したものだけが、“パルマの生ハム”を名乗れます。

肉を塩漬けした後、風通しのいい部屋で前熟成、その後、最終熟成を行ない、熟成期間は最低でも合計12カ月になります。
24カ月や30カ月など、熟成期間が表記されていますが、熟成期間が長いからいいというものでもありません。



パルマ生ハムは豚のもも肉からつくられ、部位によって食感や味わいが異なります。

すねのあたりの部分は“ガンベット”と呼ばれ、舌触りはねっとりとろけるような感じで、味わいはしっかりめになります。

ももの中央部分は“センター”と呼ばれ、赤身と脂肪のバランスがよく、しっとりした食感。


こちらは“ガンベット”          ピンク色でしっとりとした“センター”

パルマの生ハムは、専用のスライサーで薄く、面積は大きくスライスします。
もちろん、好みや部位によって厚さを変えたり、スライスではなく、ブロックにカットしたりすることもあります。

おいしく食べるポイントは、スライスしてすぐに食べること。

家庭ではスライサーを持てず、スライスしたものを購入するケースが多いと思いますが、その場合も、なるべく早く食べるようにします。
また、冷蔵庫から出して少し常温に戻してからいただくと、脂が口の中でスーッと溶け、よりおいしくいただけます。

ハムは手でつまんで上に持ち上げ、下から口で受けるように食べるのがオススメです。
ちょっとお行儀悪い気がしますが、これが一番おいしい食べ方だそうです。

イタリアの生ハムはしっとりやわらかなものが多く、「口の中でとろけるような」が、今のイタリアでは最高の褒め言葉になるようです。


脂身が外側に来るように、バラの花びらのように盛り付けるとキレイ

この脂身が気になりますが、脂質部分はオレイン酸の割合が非常い高く、飽和脂肪酸とコレステロールが少ないので、実は意外とヘルシーなんです。
長期熟成による遊離アミノ酸が豊富に含まれるため、消化もいい食品です。

食べ方としては、まずそのままパクリ。
パンに挟んでサンドイッチにしたり、今の季節なら桃と合わせるのが岡田さんのオススメ。



塩気のないプレーンなグリッシーニに巻きつけると、手が汚れないので、パーティーなどでお役立ちです。

ワインを合わせるなら、ベストパートナーは同じ産地のランブルスコ
※ワインとのマッチングは以前の記事も参照ください → コチラ

スペインの生ハムも有名ですね。こちらは身がキュッと締まってドライなタイプが多く、噛みしめるとうまみがよく出てきます。カットの方向も90度違うそうです。



続いて、パルマのチーズ “パルミジャーノ・レッジャーノ”



原材料は、指定生産地域内で搾乳された新鮮な牛の生乳、天然の凝乳酵素、塩のみ
添加物は一切使用しません

直径35~45cm、高さ20~26cm、重さ30kg以上の太鼓型の大きなチーズで、熟成期間は最低12カ月。
12カ月以上熟成されたものは、熟成期間に応じて、“クラシコ”や“エクストラ”といった等級が付きますが、生ハム同様、こちらも、熟成期間が長いから品質がいい、おいしい、というものでもありません。

平均熟成期間は24カ月で、市場に出回っているものも24カ月熟成が多いようです。

パルミジャーノ・レッジャーノは、ビタミンC以外の栄養素はほぼすべて含む食品で、また、非常に消化吸収がいいため、イタリアでは赤ちゃんの離乳食に与えたりします。


パルミジャーノ・レッジャーノは4つの専用ナイフで大きく切り出します



アミノ酸が結晶状に均質に固まり、ポロポロとした組織になっています。
大きく切り出した後は、独特の形をした小型の切り出しナイフ(“アーモンドナイフ”と呼ばれます)でかち割ります。


白く見える粒々は うまみたっぷりのアミノ酸の結晶

ひとくちサイズにかち割り、常温に戻してそのまま食べるのがポピュラーですが、ハチミツやバルサミコをかけたりしてもおいしくいただけます。
すりおろしてパスタにかけたりするのもおなじみですね。

外側の外皮も食べられますが、固いので、カットして煮込んだものをスープ出汁にしたり、フライパンで焼いておつまみにしたり、という食べ方もできます。


外皮をフライパンで焼いたもの  ビールに合いそう!

残ったチーズの保存方法については、「ラップではなく、アルミ箔でピタッと空気を遮断するように包み、冷蔵庫に入れるのがベスト」と岡田さん。
冷凍庫に入れると、チーズに他の食品の匂いが付くそうです。




料理ブロガーの皆さんはとても熱心!


岡田さんが何かするたびにカメラが集中





本物のパルミジャーノ・レッジャーノにはボディの側面に焼き印があり、本物のパルマの生ハムには王冠マークが付いています。

どちらも100%ナチュラル
安心、安全で、おいしく、ヘルシー。
消化もいいので、猛暑でバテバテのカラダにもやさしそうです

※パルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノについては、以前に書いた詳しい記事がありますので、そちらもぜひ参考にしてください → コチラ

コメント
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