ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

「シャトー・メルシャン」新ポートポートフォリオで2018年秋以降順次発売

2018-09-03 16:40:58 | ワイン&酒
今年の6月末、日本ワインのリーダー企業、メルシャン株式会社が都内で記者発表会を開き、同社の主力ワイン 「シャトー・メルシャン」のポートフォリオを刷新すると発表しました。

その内容は、
「シャトー・メルシャン」ブランドのワインを3つのシリーズに明確化し、アイテムを整理、パッケージも刷新する、というもの。




メルシャン株式会社 代野照幸社長

会見時で、代野社長やマーケティング森部長の説明がありましたが、先週、都内で開催された大橋健一MWによるシャトー・メルシャンマスタークラスセミナーで経緯を聴くことができ、なるほど、とさらに合点がいきました。


まずは3つのシリーズを上から紹介すると…

ICON (5アイテム)
メルシャンのトップオブトップ。
世界トップクラスの産地から生まれる、メルシャンの各ワイナリー最高峰ワイン。

TERROIR (22アイテム)
産地と品種が結びついたシリーズ。
厳選した産地の多様性を表現するワイン。

Quality(5アイテム)
圧倒的なコストパフォーマンスを追求するシリーズ。
日本ワインのおいしさを日常の中で楽しめるワイン。


たとえば、「城の平カベルネ・ソーヴィニヨン」や「桔梗ヶ原メルロー」、「北信シャルドネ」などは、名称を少し変更して“アイコン”シリーズに入ります。

ICON
城の平 オルトゥス (山梨県甲州市勝沼地区「城の平ヴィンヤード」)
※参考小売価格:18,000円(税別)

桔梗ヶ原メルロー シグナチャー (長野県塩尻市桔梗ヶ原地区)
※参考小売価格:18,000円(税別)

椀子 オムニス   (長野県上田市「椀子(マリコ)ヴィンヤード」)
※参考小売価格:15,000円(税別)

北信左岸シャルドネ リヴァリス (長野県北信地区)※信濃川左岸
北信右岸シャルドネ リヴァリス (長野県北信地区)※信濃川右岸
※参考小売価格:各6,500円(税別)

この5つを絞り込み、シャトー・メルシャンのアイコンワインとして世界に認識されるために、これまでにどのようなことが行なわれたのか?という話が、大橋MWのセミナーの中でありました。


大橋健一MW

ラベルにする紙の質からデザイン、文字の大きさや色、ラベルに盛り込む情報まで、かなりの試行錯誤があったそうです。
大橋MWならではの、海外のMWらにも意見を聞いた話もありました。

しかし、地名の後に付いている「オルトゥス」や「オムニス」などは、一般消費者には少しわかりにくい言葉かもしれませんね。

オルトゥス ― Ortus はラテン語で、英語ではOriginとなります。
オリジナル、最初、という意味で、城の平がカベルネ・ソーヴィニヨンを最初に植えたオリジンである、ということを謳っています。

シグナチャー ― Signature は、桔梗ヶ原メルローに以前から付いていました。
サイン、署名の意味で、醸造家がサインを入れるほどの高品質ワイン、情熱の込められたワイン、ということです。

オムニス ― Omunis もラテン語で、英語ではAll、すべて、という意味です。
椀子ヴィンヤードは2013年に開園した新しい畑ですが、そのテロワールのすべてを表現したワイン、ということで、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランをブレンドしています。

リヴァリス ― Rivalis もラテン語で、信濃川のRiver(川)から来ています。
元々の「北信シャルドネ」にも右岸と左岸の2つのワインがありましたが、各エリアの最上級キュヴェをアイコンワインの「リヴァリス」とし、その下のテロワールシリーズに「北信シャルドネ」をお手頃価格(3,250円、税別)で持ってきました。
セミナーで「リヴァリス右岸」と「北信シャルドネ」を試飲しましたが、「北信シャルドネ」の品質の良さに驚きました。



大橋MWのセミナーで試飲したワイン


「シャトー・メルシャン」の新ポートフォリオ(5+22+5アイテム)は、すでに発売されているもの、順次切り替えのものもありますが、アイコンワインは、「北信左岸シャルドネリヴァリス」(順次切り替え)を除き、2018年9月4日発売で、ほか大部分も同日発売です。



パッケージデザインも刷新されています。
明日以降、売り場に新しい「シャトー・メルシャン」が並びますので、要チェックです。

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