論文の変化 2002年06月11日 | 大学院修士1年(通学) 久しぶりに論文を読み返してみました。 私が卒論で扱った樋口一葉の『裏紫』関係です。 1970年代くらいのものから、1990年代くらいの論文だと 70年代は作品のよしあしや、作家絡みが多く 90年代になると作品のよしあしではなく、テクスト論が主流になってきます。 つまり、一度作家のことなどを遮断して、作品自体をていねいに読んでいこうじゃないかという姿勢です。 明治20年代後半なら、当時の法律や生活習慣をあげてくるなどして、その作品の可能性を膨らませたり、ひとつを論じるのにも論拠がきちっとしているのです。 私は『裏紫』に関しては近年の論文の引用が多いです。 なぜなら『裏紫』はすごい!! という論より、その作品にどんな意味があり、どんなことが読み取れ、どんな可能性が秘められているかがわかるほうが面白いからです。 そして自分の論じたいことに近かったりするので、引用しやすいのです。 院に入る前、学部の頃は論文を読むのが嫌いでした。 なぜなら難しいからです。 難しい言葉の羅列で何を言っているかわからなかったので、今読むと、情けないくらい当時は読み落としをしていることに気づきました。 今もまだ読み落としをしてしまうのですが・・・ こればっかりは論を読む練習をしていくしかないなと思っています。 そういった意味で演習はやっぱり大事だなと・・・ はやく私の論文のスタイルが出来上がるといいな。