まがりかどの先に

まがりかどの先にはきっと良いことがあると信じ、目の前の人生の小路をてくてく歩き続ける日々の雑記です。

負け組と人の値打ち

2017年03月05日 | 日記
先日ブログで『本の読み方が変わってきた』という記事を書きましたが、ようやく『関ケ原 下巻』を読み終わりました。
 
この歴史小説を読んだのはこれで三度目か四度目にはなると思いますが、今回初めて西軍の三成の視点、立場になって読み込みました。
 
ものすごく誠実で、几帳面で、義を重んじ、家臣や民を大事にしつつも、人間関係不得手で、不器用に一生懸命生きた三成の姿がじつに面白かった。
感動しました。
 
もちろんこれは、司馬遼太郎という天才的な作家の作り出したフィクションの歴史・人間模様ではあるんですが、勝ち負けと人の値打ちは関係ないことも多いんだと気付きました。
 
もう一冊読んでいる『人斬り半次郎』(池波正太郎著)の西郷隆盛さんも負け組だけれどたくさんの人に影響を与えた人物。
勝ち負けなんてことで、人をみてはいかんのですね。
 
勝った側、残った側は、自分に都合のよい視点で、負けた側、去った側を評価し、それがその組織の定説になっていく。

自分も、勝てば官軍の側にいたい、勝ち馬に乗りたいという気持で生きてきたけれど、ごまめが歯ぎしりしたところで、結果的には不器用な自分らしい時間でした。
 
本の文化は衰退傾向だそうだそうですが、あたしゃ、本、好きだなぁ。
 
同じ文章でも、読むときの気持ち(視点)が変われば、ぜんぜん違う世界を見せてくれる。
場所はとるけど、ちょっとした時間を使ってなんどでも読み返せる。
 
司馬遼太郎さん、池波正太郎さん、素敵な時間をありがとう!
今日はそんな気持ちです。
コメント
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