8月26日 経済フロントライン
クラウドファンディングをマーケティングに活用し
開発された製品がある。
ソニーが開発したスマートウォッチ。
バンド部分にスマートフォンの着信通知や電子マネーの機能を入れ
ヒット商品となった。
この製品は入社間もない若手社員がチームのリーダーとなって開発を進めた。
(ソニー 新規事業創出部 Wena事業室 統括課長)
「腕時計として長年培ってきた完成された価値と
スマートウォッチの便利さと両方兼ね備えた商品を作りたいと思って。」
会社ではこうした製品が実際に市場で受け入れられるのかを確認するために
自社でクラウドファンディングの仕組みを作り活用している。
社員の提案の中から有望なものをクラウドファンディングに掲載。
目標金額が集まればニーズがあると判断し製品化に乗り出す。
一方で目標を達成しなければ製品化は行わない。
これにより製品開発を効率よく進めていこうというのである。
スマートウォッチは目標の10倍もの金額を集め開発が決まった。
(ソニー 新規事業創出部 Wena事業室 統括課長)
「クラウドファンディングをやると
お金を払った人のデータを得ることができる。
それがないとこういう商品を事業化するのはなかなか難しい。」
クラウドファンディングを通じてマーケティングを行うことで
これまで5つの製品の開発に成功した。
(ソニー 新規事業創出部 First Fiight プロジェクトマネージャー)
「お客様が欲しいと言っているような商品を常に作りたいと思っているので
実際に共感してくれたお客様の声を大事にして
次の商品を開発していきたい。」
クラウドファンディングには大きな宣伝効果があるとして活用する動きも出ている。
8月に福井市内のキャンプ場を福井銀行とクラウドファンディングの運営会社の担当者が訪れた。
キャンプ場を運営する地元企業は温泉施設を作りたいと考えている。
そこで銀行がクラウドファンディングを運営する会社を紹介し
資金調達を促そうというのである。
(福井銀行 大野支店長 角井康夫さん)
「海岸に近いので雪の量が少ないので冬も使えるのが1つの強み。」
本来は融資をするはずの銀行がなぜクラウドファンディングを勧めるのか。
実はネットを通じて投資を募れば全国にこのキャンプ場の魅力を発信でき
銀行が融資しただけでは得られない集客が見込めるという。
(クラウドファンディング運営会社 READYFOR マネージャー 田島沙也加さん)
「みんなの力で作った所だというような場所になれば
長く続いて皆さんが愛してくれる場所になるので
クラウドファンディング成功させましょう。」
(福井銀行 大野支店長 角井康夫さん)
「福井県の中小企業の方は非常にいいコンセプトを持っていても
それをどう宣伝していくか
苦手な企業が多いのではないか。
全国からお金を集められる
加えて全国に宣伝も一緒にできることが魅力というか大事なところ。」
これまでにこの銀行がクラウドファンディングを紹介した企業は14社。
事業が拡大すれば銀行からも融資をしていきたいと考えている。
(福井銀行 ちゃえる戦略チーム チームリーダー 宮越啓さん)
「1つの成功が必ず次につながっていくでので
今度は大規模な資金調達とかプロジェクトに変質していくことになる。
そこは銀行の役割だと思っているので。」
(クラウドファンディング運営会社 READYFOR CEO 樋浦直樹さん)
「今年に入って加速していて40を超える金融機関と提携しています。
今も話をしているところが2桁ぐらいあるので
これからも増えていく形になる。」