8月30日 おはよう日本
生き生きとした動物の展示で人気の旭山動物園。
多くの観光客が訪れる。
観光客を楽しませてくれるのは動物ばかりではない。
動物園の片隅にできた人垣。
見つめる先にあるのは昔なつかしいあめ細工である。
本州と違って気温や湿度が低くさわやかな北海道ではあめ細工を作る環境が整っている。
子どもの頃を懐かしんでたくさんの大人も足を止める。
作っているのは旭川市のあめ細工職人 小笠原豊さん(53)。
子どもたちが多く集まる夏の動物園で毎年屋台をかまえ
あめ細工を作っている。
フクロウ ペンギン キリン サル アザラシ
小笠原さんが作るのは主に動物園の動物たち。
古き良き日本の文化を大切に残したいと
15年前タクシー運転手を辞めてあめ細工職人の道を選んだ。
(あめ細工職人 小笠原豊さん)
「昭和の時代が好き
雰囲気が好き
昔ながらのものをそのまま残したい。」
小笠原さんは朝6時に起きて仕込みをする。
朝一番でチェックするのは気象情報。
(小笠原豊さん)
「気温によって“あめ”の固まり方のスピードが違うんです。」
素材のあめを煮込んで溶かす。
あめに含まれる水分量を変え
その日の天気によって固まるスピードを調整するためである。
気温が高い日は温度を上げて水分を飛ばし固まりやすくする。
(小笠原豊さん)
「あめ細工を作るよりも仕込みの方が難しいかも。
1度違うだけで全然違うあめになる。
そこはすごい難しいとこ。」
専用の容器に入れられたあめの温度は70度ほど。
あめは取り出して外気にさらされると30秒ほどで固まり始める。
1つのあめ細工を作るのに2~3分が勝負である。
最近はちょっと変わったリクエストにも応える。
自宅で飼っているペットなどの依頼である。
(観光客)
「柴犬を家で飼っていて
柴犬が好きだから。」
小笠原さんはまずあめに色を付ける。
写真を見ただけの小笠原さんですが
すばやく柴犬の特徴を表現していく。
小笠原さんが子どもの頃にあめ細工に受けた感動は
いまの子どもたちも同じである。
(小笠原豊さん)
「今も昭和の時代も変わらず
子どもたちはいつも癒しになるようないい顔してくれる。
それがよくてやめられない。」