6月30日 おはよう日本
生まれたばかりの赤ちゃんを抱いているのは
ニュージーランドのアーダーン首相(37)。
6月 第1子となる女の子を出産し6週間の産休に入り
世界中で話題になった。
アーダーン首相は去年10月 37歳の若さで首相に就任。
その3か月後 妊娠していることを公表し
現職の首相として世界で初めて産休を取得する意思を示した。
(ミュージーランド アーダーン首相)
「多くの女性が道を切り開いてくれたので
首相と母親の両立が可能になったのです。」
産休中は副首相が職務を代行。
首相の決断を国民の多くは好意的に受け止めている。
(市民)
「多くの働く女性が直面する課題を首相が乗り越えられるならすばらしい。」
「新しい風が吹いて
より良い未来になると期待してる。」
こうした背景には国民が誇りにしてきた歴史がある。
実はニュージーランドは
1893年に世界で初めて女性に国政選挙権を認めた国でもある。
10ドル札にはその運動を率いた女性が描かれている。
女性の政治参加に積極的に取り組んできたニュージーランド。
議会ではいま女性議員が全体の40%を占めている。
議場内にも赤ちゃんを連れてくることが許され
授乳も可能である。
子連れの女性議員が発言するときなどには
議長が代わりに赤ちゃんを抱っこしてあげることも。
(マラード議長)
「大切なのは女性が議会に受け入れられていることをはっきりと態度で示すことです。
「議会は社会のあらゆる立場の人の意見を反映させなくてはいけません。」
議会では環境づくりにも力を入れている。
議場のすぐ近くに設置されているファミリールーム。
子どもを寝かしたりおむつを変えたりできるようになっている。
子どもの食事を用意するための台所もあり
議員の家族であれば24時間いつでも使える。
さらに議会に敷地内には保育所もある。
女性議員の要望で作られた。
朝7時半から夕方5時半過ぎまで子どもを預けられる。
「子どもを預けてすぐに職場に行けるのでとても便利です。」
整えられた子育て環境。
そして今回の首相の決断が他の女性議員を強く後押ししている。
ジェンター女性相(38)は8月に出産を控え
最長で3か月の産休を取得することにしている。
(ニュージーランド ジェンター女性相)
「当初はまわりにどう伝えたらいいのか悩みました。
でも首相が前例をつくってくれたので言いやすかったです。」
ジェンター女性相は女性の地位向上を進めるには
政治の現場から積極的に行動する必要があると言う。
(ニュージーランド ジェンター女性相)
「政治家はニュージーランドが目指す姿を示すべきです。
市民も首相と私の決断が
子育てをしながらキャリアを積みたい女性たちの象徴となることを期待しています。」
女性の社会進出で世界をリードしてきたニュージーランド。
6月24日
出産後 初めて公に姿を見せたアーダーン首相は
自らの決断を弾みに
社会がさらに変わっていくことに期待を示した。
(ニュージーランド アーダーン首相)
「子どもたちが将来自ら希望する働き方と家庭のあり方を選択できるようになってほしい。」