日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

ドイツ 郵便局電気自動車戦略

2018-07-25 07:00:00 | 報道/ニュース

7月3日 キャッチ!ワールドEYES


ドイツの街なかを走る黄色い配達車。
郵便流通会社ドイツポストの電気自動車である。
二酸化炭素の削減などを理由に
ディーゼル車から電気自動車への切り替えを進めている。
当初は大手自動車メーカーに製造を依頼したが生産台数が少ないとして断られ
2014年にベンチャー企業を買収。
自前で設計・生産を始めた。
ドイツポストはこれまで45,000台ある配送車の13%を電気自動車に変換。
2025年までに70%にあたる31,500台に増やす計画である。
電気自動車の積極的な利用の背景には
会社が抱える環境目標に加え実用的な理由がある。
(ドイツポスト広報)
「街なかでディーゼル車の通行が禁止になるかもしれません。
 ディーゼル車以外の方法を考えるしかなかったのです。」
ドイツでは2015年にフォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガスをめぐる不正が発覚して以降
大気汚染対策としてディーゼル車の通行禁止をめぐる議論が活発になった。
今年5月末からはドイツで初めて北部のハンブルグの一部の市街地で通行禁止の措置が始まった。
ハンブルグ以外にも約70の都市で大気汚染が基準値を超えており
今後ディーゼル車の通行禁止措置は他の都市にも広がる可能性がある。
こうしたなかドイツポストには外部の企業から問い合わせが相次いだ。
そして去年
アメリカの大手自動車メーカーのフォードの販売網を利用して
他社へ販売に乗り出した。
ハンブルグの販売店にはこの日
ディーゼル車から乗り換えようという電機工場の経営者が訪れていた。
1か月4万円余でリース契約を結ぶつもりである。
(電機会社 社長)
「これなら排ガスが出ないので
 工場内に乗り入れできて便利です。」
ドイツポストは電気自動車の生産能力を上げるため
西部アーヘンの近郊に2つ目となる工場を完成させた。
既存の工場と合わせて年間2万台を製造する計画である。
ここで生産されるのは積載量が4,3㎥と8㎥の2種類の電気自動車である。
車体やソフトウェアなど車の生産に必要な部品はほぼすべて外注し
組み立てのみを行なっている。
郵便配達員の意見を設計に反映させており
使いやすさでは大手自動車メーカーに負けない自信があると言う。
(傘下のベンチャー企業 社長)
「配達用の電気自動車を最初に実用化した強みを生かし
 さまざまな企業の要望に応えたいです。」
ドイツポストの電気自動車を導入する企業も増えている。
バルト海に面するリゾートホテル。
4万㎡を超える広い敷地のあちこちに建物があり
客室のシーツやタオルを運ぶ際に電気自動車を使っている。
荷台の棚がホテル仕様となっているのが特徴である。
街でドイツポストの車を見かけたことがきっかけで
5月からリース契約を始めた。
1度の充電で走れる距離は80キロ。
最高時速も85キロしか出ないが
長距離で使うことがないため全く問題ない。
(リゾートホテル広報)
「ベビーベッドや洗濯ものなど何でも入ります。
 誰にでも使いやすいようにできています。」
ドイツポストにはすでに国内外のパン屋や牛乳配達業者などから注文が入っていると言う。
ディーゼル車から電気自動車へと移る消費者の心をつかめるのか。
異業種から参入したドイツポストの挑戦が続く。





コメント