Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

もたつく権利

2009-02-04 20:53:12 | おっ、と思ったこと
家で仕事をする日は殆ど朝から晩までラジオを聴いている。
J-Waveを。
RIF(Radio France International)の番組をネット経由で流しっぱなしにしたらよいことは分かっていても、ミュージックナヴィゲータと呼ばれる人々のおしゃべりやら音楽やら、ニュースや天気予報、交通情報を聴きながら仕事をしている。

今日、ラジオから「もたつく権利」という言葉が聞こえてきた。
これは公共広告機構が展開しているキャンペーンのタイトルらしい。
高齢化社会になり、駅などの公共の場所で、少しばかり動作がもたもたしてしまったりする人がだんだん増えてくる。そんなときに、「どうぞゆっくりやってください」と言える社会を作ろうというキャンペーンだ。

私が自分の母親の体の不具合(腰や股関節、移動の動作には関係ないけれど顎関節など)に付き合うことを通じて感じたことは「いつまでも人は若くはいない」ということだ。若くなくなれば、若い人と同じペースで歩けないし、エスカレーターの入り口でちょっと止まってしまうこともあるだろう。
電車やバスに乗る時だって、ササッとできない場合もあるだろう。自動券売機の前で考え込んでしまう人も、現にたくさんいる。
とにかく年を取ると「目から鼻に抜けるような動作」ができなくなることは確かだ。

そのような人々を前にして「ちょっと、こっちは急いでるのよ、どいてよ」という雰囲気をあからさまに出すか、「ここでちょっと待ったってたいした差はないさ」とゆったり構えることができるか。

以前、パリの地下鉄で大きな荷物を持っている初老の女性に対して、若い女性が
「お手伝いしましょうか?お荷物おもちしましょうか?」と声を掛けていたのを思い出した。駅の清潔さ、乗り換え表示の親切さは日本の地下鉄の方が格段に上だけれど、地下鉄を利用する人々の心持ちはパリの方が熟成しているかもしれないと、今、ツラツラと思い出したりして・・・・。


私はなんどきでも、もたつく権利を尊重したい。

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5 コメント

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elzaさん (miauleuse)
2009-02-08 19:58:32
わたしのコメント、タイトルと内容がちぐはぐですね。
西欧諸国では「キリスト教精神」からボランティアや助け合い、弱者に対する寛容な精神が育まれているのかもしれない・・・ということを書こうかな?と思いつついたものですから。
でも、立場が変わると「弱者」などとひと括りにしないでほしいものだ、と思うかもしれないし・・・と、うまくまとまらなかったもので・・・すいません(汗)
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キリスト教精神!? (miauleuse)
2009-02-08 19:49:57
elzaさん、こんばんは。
貴重な体験談をありがとうございます。
日本はまだまだなんですね~~。
だからこそ「もたつく権利」などと広報しなければならないのですね。
他の人よりも時間がかかってしまうことに関して、それを「迷惑かけてしまう」とか「迷惑をかけられた」などという気持ちのやり取りが無くなるといいですよね。
ああ、少しずつでもやってかなきゃ、ですね。

「子供叱るな来た道だ、年寄り笑うな行く道だ」だそうです。
でも、行く道だからではなく、それだけの年月を頑張ってきた人たちへのリスペクト精神で、もたつく権利尊重!ですね。



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権利と遠慮と・・・ (elza)
2009-02-08 16:53:45
「もたつく権利」、とっても賛成です。

以前、アメリカディズニーランドに(なぜか出張で)行った時に、70~80代のご夫婦両方ともが車いすでバスに乗り込むところを見ました。
運転手さんも乗客も、なんとそのご夫婦も全く構えた所なく悠々と乗り込んでいきまして、その堂々とした態度に感じ入ったのですが、、、

帰国して母(脊髄関係の病気で車いすです)と温泉に行ったら、「他の人への迷惑になるから」「待たせるから」やめておく。のオンパレード。
ディズニーランドという非日常という条件があったにせよ、あまりにも大きな違いにびっくりというかがっくりしました。
権利を振りかざしすぎるのも問題ですが、その権利がある人が身近にいないと、周りの人も気を使うやり方が身につかないのかなあなんて思ってしまいました。

そういう権利を主張していい人に限って遠慮してしまったりさせてしまったりになるのは、今の日本が成熟していない証拠なんでしょうか・・・落語なんて聞いてると、昔の日本では「権利」(とも意識してなかったでしょうけど)が守られていたみたいですのにね。。。

あらら、すみません、なんだか長くなってしまいました

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若いうちは (miauleuse)
2009-02-07 09:13:27
takakoさん、おはようございます。
若いうちは分からないことってたくさんありますよね。そのなかの一つが、「もたつくことへの理解」だと思うんです。
わたしたちの年齢ではまだ自分のこととしては実感はできないけれど、大変さを想像できるようにはなったのかな、と思うのです。
でも、10代20代の人には考えもつかないことなのでしょうね。
なんでもそうですけどね、人生って経験だから・・・(ハハハ)
いつも思います。20代の自分に今の経験値があればって。

私も渋谷は無理ですが、文化村などへ映画を観にいくときは仕方ないので・・・新宿は数年来、足を踏み入れてはいませんよ。

かなこちゃん張りの店員さんには、”大人”の余裕(ずうずうしさとも言う)で対峙しないと、負けちゃう感じしますね
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・・・・モタモタ (takako)
2009-02-06 01:14:32
優柔不断な私は
ヨーロッパの
ちょっとのんびりペースがちょうどいいです。

あの、柳原かなこチャンばりの
テンション高い販売員がいるだけで、、、
「早く決めろ~早く買え~」
オーラを感じて買い物しにくいです。

同じく東京の渋谷や新宿は
ペースが速すぎてついていけません~

もたついて、
女子大生くらいの女性に「ちっ」と舌打ちされ
超~むっとした経験もあります。

権利主張、大賛成です!!!

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