以前にも書きましたが、フランス映画「La Mome」
インターネットで予告版を観るたびに「ああ、早く日本でも公開されないかな」と思うのです。
私の中で、エディット・ピアフといえば、イヴ・モンタンと付き合っていたフランスの国民的歌手、「愛の賛歌」や「ばら色の人生」を歌った人・・・ぐらいの認識しかなかったのですが、ウィキペディアなどで調べてみると(日本語ではこちら、フランス語ではこちら!)彼女は実に波乱にとんだ47年間の人生を送ったことがわかります。
貧しい家に生まれたがために、母方の祖母や父方の祖母に預けられ、父方の祖母は売春宿を経営していたため、彼女は売春婦たちにかわいがられ育ちます。
18歳で女の子マルセルを出産しますが、2年後、髄膜炎で亡くしてしまいます。
路上歌手として活動していたときに、シャンゼリゼ大通でシックなクラブを経営していたルイ・ルプレーに見出され、キャバレーの歌手としてデビューし、あっと言う間に人気を博し、音楽専用ホールを満員にするほどになります。アメリカでも人気が出てあの「エド・サリヴァンショー」にも出演します。
彼女の生涯で一番の恋は、プロボクサーのマルセル・セルダンとのものでした。2歳でなくした娘と同じ名前なんですね、これも運命か・・・。
しかし、マルセルを飛行機事故で亡くし、そのときの気持ちを歌ったのが「愛の賛歌」です。
彼女の人生は1年単位でいろいろなことが起こっているような印象を受けます。47年という短い生涯でしたが、本当に密度濃く歌に恋に生きた人なんだなぁと思います。
さてさて、この映画「La Mome」のオフィシャルサイトへ行くと2曲目に流れてくる曲、それが「Non,je ne regrette rien(私はなにも後悔してない)」です。
日本語訳は私の拙訳意訳です(汗)
4つ目のパラグラフの1行目から2行目にかけてうまく訳せません。
どなたかお助けください。お願いします。
Non ! Rien de rien ええ、ちっとも
Non ! Je ne regrette rien 私はこれっぽちも後悔なんてしてない
Ni le bien qu'on m'a fait よかったことも悪かったことも
Ni le mal tout ça m'est bien égal ! 私にとっては同じこと
Non ! Rien de rien ええ、ちっとも
Non ! Je ne regrette rien わたしはこれっぽっちも後悔していない
C'est payé, balayé, oublié 償って、清算して、忘れた
Je me fous du passé ! 過去なんてどうでもいい
Avec mes souvenirs 思い出とともに
J'ai allumé le feu 火をともす
Mes chagrins, mes plaisirs 憂いや喜び
Je n'ai plus besoin d'eux ! もう私には要らない
Balayées les amours 今までの恋を清算して
Et tous leurs trémolos そして
Balayés pour toujours 永遠に忘れ去って
Je repars à zéro またゼロからやり直す
Non ! Rien de rien ええ、ちっとも
Non ! Je ne regrette rien 私は後悔なんてしない
Ni le bien, qu'on m'a fait よかったこともわるかったことも
Ni le mal, tout ça m'est bien égal ! わたしにとっては同じこと
Non ! Rien de rien ええちっとも
Non ! Je ne regrette rien 私は後悔なんてしない
Car ma vie, car mes joies なぜなら、私の人生と喜びは
Aujourd'hui, ça commence avec toi ! 今日、あなたとともに始まるから
このサイトへ行くと「Je ne regrette rien(私は何も後悔してない、ジュ・ヌ・ルグレット・リヤン)」を最初から最後まで聴けます。(画面の左下に”再生”や”停止”の小さいボタンが現れるので分かります)
わたしも、わたしの生涯を閉じるときに「Non,je ne regrette rien」と言いたいな。
ところで、「ゼロからの再出発」の意味の repartir à zéroですが、repartir de zéroじゃあないんですね。~から、だとどうしてもdeにしがちですが・・・(汗)
ずっと昔に短いピアフの伝記を読み。
彼女の、男と蒼い背広にまつわるエピソードと、マルセルの切なく優しい愛の言葉が強烈に胸に残ったのを思い出します。
(映画にもそのセリフが出るなら見たいなぁ)
その伝記にも、彼女が自分の人生をどう考えていたか、短いセリフが出てきますが、この歌はまさに彼女の生き様だったのですね。
早く映画が公開されるといいですね。
コメントは初めてです,宜しくお願いします
ピアフさんは越路吹雪さんにも甚大な影響を与えた方ですよね,
越路さんのドラマで見ました(笑)
訳すのって本当に難しいですね!
音楽聞いてみました☆
歌詞,“Balayées les amours...”以下はどうやら1文のよう。
実は“Et tous leurs...”ではなく,“avec leurs...”と歌っています。
あまり重要な要素ではなさそうですが,それらの恋のトレモロ(のようなもの),とか震えるような余韻とかそういうことかもしれません。(見てみたのですが英語版では訳出されていない気がします。)
あとはmiauleuseさんのお力にお委ね申し上げます
……難しいです!
あとわたしには“le bien”“le mal”の“le”が“la”に聞こえるのですが,語法・文法上それはないですよね……。歌詞も“le”ですし,歌ですからある程度自由ですし,聞こえるだけですよね?
それでは,ありがとうございました!
この曲、日本語では「水に流して」っていう題名付いてますよね。そのまま「私は後悔しない」でも全然いいのに。
Balayeesと複数形になっているのは何かにそう載っていたんですか?だとしたら何が主語になるかで訳し方が変わるような・・・・。
(J'ai)Balaye mes amours avec leurs tremolos.だと、私は今までの恋を、その心を通わせ振るわせた思い出とともに清算した。永遠に・・・・。みたいな感じになるかな、と。
マルセルの切なく優しい愛の言葉の場面出てくるのでしょうか?公開されたら、確かめなきゃ!!
オフィシャルサイトの予告編を観ると、マルセルは優しそうないいオトコです
この俳優さん、要チェックかも。
ところで、erimaさまにとってはゴンザさんがマルセルですよね? (←この絵文字入れるシチュエーションじゃないですね?)スイマセン。
そうそう、わたしも「avec leur」と聞こえたような気がしていたのです。
歌詞はParole net (http://www.paroles.net/)というところから持ってきました。
歌詞の訳って、ホント、難しいです。
Yuppyさんのように英語もOKなら、英語訳からアプローチする手もありますね。
Tremolos 一語に託された意味を汲み取るには、文の構成は文法的に読み解くこと(省略されている主語を補うなど)と更に、歌詞の背景に思いを巡らす必要がありますね。
勉強になりました
歌詞はParole net (http://www.paroles.net/)というサイトで検索して持って来ました。
NON, JE NE REGRETTE RIEN
Paroles: Michel Vaucaire, musique: Charles Dumont, enr. 10 novembre 1960
Non ! Rien de rien ええ、ちっとも
Non ! Je ne regrette rien 私はこれっぽちも後悔なんてしてない
Ni le bien qu'on m'a fait 誰かにしてもらったいいことも,
Ni le mal tout ça m'est bien égal ! 悪かったことも,もうどうでもいい。
Non ! Rien de rien ええ、ちっとも
Non ! Je ne regrette rien わたしはこれっぽっちも後悔していない
C'est payé, balayé, oublié 支払って、清算して、忘れた
Je me fous du passé ! 過去なんてどうでもいい
Avec mes souvenirs 思い出に
J'ai allumé le feu 火をつけて燃やした
Mes chagrins, mes plaisirs 哀しみも,喜びも
Je n'ai plus besoin d'eux ! もうどちらも要らない
Balayé les amours 細かいことも何もかもひっくるめて
Avec leurs trémolos 今までの恋を清算して,
Balayé pour toujours 永遠に忘れ去って
Je repars à zéro またゼロから出発よ
Non ! Rien de rien ええ、ちっとも
Non ! Je ne regrette rien 私は後悔なんてしない
Ni le bien qu'on m'a fait 誰かにしてもらったいいことも,
Ni le mal, tout ça m'est bien égal ! 悪かったことも,もうどうでもいい。
Non ! Rien de rien ええちっとも
Non ! Je ne regrette rien 私は後悔なんてしない
Car ma vie, car mes joies 私の人生も,私の喜びも
Aujourd'hui, ça commence avec toi ! 今日、あなたとともに始まるのだから。
tremoloの意味、なんとなくわかりました。
しかし、50年も前の歌なんですね、これ。
この先50年後にもきっと残っていることでしょう。
この歌詞のよくわからない部分を解決すべく検索していますと
こちらのページですでに数年前に議論されておられたようでとても感激しました。
今後この名曲の歌詞に興味をもたれてこちらにお邪魔する方のために
私の考えをつけ加えさせていただきたく思います。
問題になるのはmiauleuse様もおっしゃっておられるように第4スタンザの最初の3行です
Balayées les amours
Et tous leurs trémolos
Balayés pour toujours
これは、過去分詞の性・数の一致が起きておりますので、この場合は受け身と考えるのが妥当ですから
les amours (sont) balayées
Et tous leurs trémolos (sont) balayés pour toujours
の形をetre動詞を省略して倒置していますので、文法的には正しいと思います
ただ、Yuppy様やmiauleuse様がおっしゃりますように、ピアフが歌っているようにEt tous を Avecに変えるとすると
Balayées les amours
Avec leurs trémolos
Balayées pour toujours
のように3行目の Balayés を Balayées と女性形しないと文法的に正しくないかと思われます
なぜなら
avec がつくことで leurs trémolos が主語になることができなくなりますので
Les amours avec leurs trémolos (sont) balayées
(Les amours avec leurs trémolos sont) balayées pour toujours
が元の形だと考えられるからです
さらにもう1つの謎であります trémolos は
"tremolo is a metaphorical use, even in the French original. Literally, it would refer to a rhythmic wavering of sound, where the sound goes up and down equally from the central/main note. "
「トレモロはフランス語原曲でも比喩的に使われています。文字通りに考えると、それは音がリズミカルに揺れることを言っているのかもしれませんし、そこでは音が中心のメインの音から等しく高くなったり低くなったりします」
のようにups and downs「高くなったり低くなったり、浮き沈み」と考えている方がおられます。
http://songmeanings.com/songs/view/3530822107858515145/
このことを踏まえて
Balayées les amours 昔の恋は忘れさられる
Avecs leurs trémolos 良いことも悪いこともあったけど
Balayées pour toujours 昔の恋は永遠に忘れさられる
のような意味では?と現在の私は考えています
不備な点がございましたら、ご指摘いただき、この名曲の歌詞の本当の意味に近づけたらと思っています
夜分お邪魔しました
受動態の倒置で、etreの省略ですね。
そしてtrémolos の意味を解釈くださってありがとうございます。
歌詞というのは、制限のあるなかに意味を込めるものなので、その言葉の向こう側に広がる意味をとらえる必要がありますね。
ところで、私のブログの記事が少しだけでもお役に立てたのかな?と思うと嬉しいです。
フランス語関連の記事がなかなかアップできませんが、たまにはお立ち寄りいただけると嬉しいです。
しかし・・・やはりこの歌はいいですね。