まず、第一に「殯(もがり)」という字は普通の日本語変換では出てこず、IMEパッドで手書きしてみつけました。
殯とは死者を敬う時間、またはその場所、という意味だそうです。
今年のカンヌ映画祭でグランプリ(1番いい賞はパルムドールという賞で、その次がグランプリ)を受賞した河瀬直美監督の作品「殯の森」です。
母と一緒にNHKのBSハイビジョンで観ました。
母いわく「三叉神経痛の痛さがなかったら、とっくに寝ちゃってるね、この映画」だって。
それは、イコール、つまらない、退屈だ、という意味ではなく、ハリウッド映画のような、次から次への場面の展開が全くと言っていいほどない、ということです。
でも、行間を読ませるんですね、この映画。
33年前に亡くした妻への思いをずっと持ち続けている認知症の男性と、幼い息子を亡くした若い女性ヘルパーの物語です。
私が一番ググッと来た場面シーンは、2人が山深くへ分け入り、沢に差し掛かったところ。認知症の男性が沢を渡ろうとしたときに、女性ヘルパーさんが「行かんといて!!!」と必死で叫び泣き崩れるところ。
自分が心を砕いて思いを寄せて、大切にしてきた存在が、いなくなろうとするそのとき、きっと「行かないで」と叫びたい気持ちになるのでは・・・・と切実に思いました。
映画を観ているとき、「この台詞、フランス語の字幕はどんなふうについたんだろう」と和文仏訳をしている自分もいました。ハハハ!
この映画、私も気になっていました。
(BSついていないので今回の放送では観れませんでした)
映画祭とか賞とかにはあまり興味ないのですが
なんか感じるものが大きそうな作品だと思って・・・。
茶畑の風景も素敵でしたし。
miauleuseさんの記事を読んで、ますます観てみたくなりましたよ。
観ている最中は、「ドキュメンタリーなの?この映画」などと思ってしまうほど、出演されている皆さんが自然で(芝居がかってない・・・というか)淡々と過ぎていく映画でした。
でも観終わって時間がたつと、とても印象に残る映画だ、と感じます。
茶畑の緑、森の緑、本当にきれいでしたよ。