みどりの野原

野原の便り

1月19日 初めての天理図書館 見学

2023年01月19日 | Weblog

天理図書館の見学を計画して下さったので参加させてもらった。

久しぶりの天理。駅前はきれいに整備されていた。
早めに行ったので、本通りをうろうろ。
帰りに通るかわからないので小芋買っちゃった。重~い。

駅前でお昼ご飯を食べて、集合時間ギリギリ。


本通り商店街を抜けて、天理教本部。

天理参考館 
『世界各地の生活文化資料・考古美術資料を収集・研究・展示する博物館』
多数の収蔵資料の一部を一般公開されている。
前に1度だけ入ったことがある。


「卯」の花文字とウサギの絵 ハボタンでできている。 
建物の上から見た方がよく見えるだろう。


ヒマラヤスギがたくさん植えられ大木に育っている。
枝には球果がいくつか残っていた。
下にはバラバラに崩れた種鱗と、シーザーローズと言われるバラの花のような球果の先も落ちていた。


天理図書館 正式には「天理大学附属天理図書館」
初めて来た。


落ち着いたクラシック建築

今日は図書館の方が案内をしてくださる。

天理図書館は、2022年11月に文化庁の文化審議会で、有形文化財として登録されることが決まったそうだ。
後に書く、昭和5年(1930)竣工の西館と、昭和38年(1963)に増築になった東館も合わせて有形文化財に登録されたという。

重厚で入りにくいイメージがあるが、誰でも利用できる。

図書館の発足のお話を聞く。
天理教2代心柱中山正善氏が、天理教布教のため広い視野を持つ人材を育成するため、天理大学の前身天理外国語大学の創設時に図書館の設置を決められた。
天理図書館と命名して発足。以前から収集されていた図書を移された。

その後、天理外国語学校附属天理図書館となる。

現在の図書館は昭和5年(1930)に新築された。
有名な設計者による洋風の建物。

戦後、天理外国語学校は大学に昇格し、図書館の名も「天理大学付属図書館」となる。

その後、昭和38年(1963)に東館を増設。書庫棟となっている。

元の西館と東館は、同じ設計者で、東西の建物は違和感なく一体化した建物になっている。

撮影禁止等の注意の後、いよいよ館内へ。


玄関入口の外側 ここまでは撮影可。

ロビーに入る。正面に受付カウンター。
カウンターは大理石。漆喰の壁 シャンデリア 天窓の唐草模様の鉄枠。
入ったところの床は寄木造りで、端の方は雷文つなぎという違う組み方。
いいなあ。写真撮りたいなあ。・・うまく撮れはしないだろうが・・
その代わり、建物の見どころの印刷物をくださった。

誰でも利用できる図書館というが、本が並んだ棚が見えない。
書籍の多くは閉架式といって公開されていない。
それは保存を重視しているからだという。

どうしたらいいのかというと、検索機などで目的の本を探して、カウンターへ伝えると、奥の書庫より出してきてくれるシステム。

本を眺めながらどれにしようかと探す楽しみというのはないかもしれない。
出し入れしない分確かに保存性はいいだろう。

西館閲覧室 
ずらりと並んだ閲覧テーブル 時代を感じさせる重厚さ、クラシック感がある。
デスク灯はスイッチで点く。

閲覧室のお客様はお1人だけ。
静かで、読書に没頭できるかな? 静かすぎてかえって落ち着かないかも。

続く新館(東館)の閲覧室。
同じようなテーブルが並ぶが、西館と比べるとテーブルの色調も少し新しさを感じる。

2階は「特別閲覧席」がある。

天理図書館の蔵書数は150万冊(和漢書・洋書 各分野にわたる)と言われるが、まだ未整理のものも多く、データ入力も続行中で、実際の蔵書数は不明なのだと言われた。

その中でも、国宝が6点・重文87点・その他貴重な文献を数多く所蔵。
貴重書・特別文庫資料の閲覧は、あらかじめ申し込みをして許可を得る必要がある。
規則に基づいて「特別閲覧席」で閲覧することができるものもある。

そして、何人も実物(原本)を閲覧することが出来ない本もあるのだとか。
原本は書庫の中で厳重に保管されているそうだ。

原本は見れないが、図書館の出版物として発行され、そのデジタル画像をこの部屋で閲覧できるものもある。

デジタル画像は原本の文字や絵を写真に撮り、本物に近くなるように写真の色彩なども細かく調整されて、見比べてもわからないほどだという。

古事記・万葉集・延喜式神明帳・徒然草・明月記 風土記は5種が残る。

いくつか図書館のデジタル画像の出版物も見せてくださった。
昔のものは、書き手独特の筆使いや濃淡など魅力がある。

元々本は書き写しで伝わってきた。
元の本を書き写すのには時間も日にちもかかる。1つの書物に何人もの手が入ることもある。中には写し間違いも起こる。

後、文字や絵を1枚の板に彫って作った版で複製する「木版印刷」になり、同じものをたくさん複製できるようになる。

その後、外国から「活版印刷」が伝わり、鉛で作った活字を1文字ずつ並べて文章にした「活版」を作り、それに塗料を塗って転写する。
文字の組み換えもできて便利で、いろんな種類の本を作れるようになったが、日本の文学は漢字仮名混じりで、文字がつながった草書体もあり・・で、定着しなかったそうだ。

本の印刷を見て、隅に隙間ができるのが活版印刷の特徴だそうだ。
その後印刷技術はどんどん進んでいった。

丁寧な説明で、聞き間違いはあると思うが自分なりにいろんなことがわかった。

建物や閲覧室などもよかったので、建築好きの娘に「良かったよ。機会があれば行ったら」とラインをしたら「11月に家に来た帰りに行ってきた」とのこと。
登録有形文化財になると決まった時、見学会があったらしい。
さすが、耳が早い。

他には立ち寄らずに駅に向かう。

コメント
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