自然史博物館での講演を聞きに早めに長居公園へ。
ヒメキンギョソウ(リナリア)や、キンギョソウが満開
①今日は大阪女子マラソンの開催日。
テープが張られ、パトカーが何台も止まって物々しい雰囲気。
もうすぐ、スタート時間らしいので、見ていくことに。
たくさんの見物人が続々と集まってくる。
ヤンマースタジアムを12:15スタートというが遅れているようだ。
そして、先導の車が通ってしばらくして、報道の背の高い車が通り・・
白バイの後ろに選手の姿が見えてきた。
大阪府警交通機動隊の女子白バイ隊だそう。後で知った。
主役は白バイではなく、選手です・・😿。
カメラも準備して、スマホでも撮ろう・・と思ったのに・・速い!
あっという間に目の前を通り過ぎ・・写真はむつかしい。
先頭集団が通った後、2番手3番手の集団や選手が次々と通り抜ける。
すごいなあ。駅までの短い距離も走れないのに。
年1回の五條市の42.195キロのウォークを4年連続参加完歩したことはある。
9時間ぐらいかかり、ヘトヘトだった。
後で優勝選手の記録を見たら・・2時間18分59秒の日本新記録。すごい!
最後尾の選手が走り抜けた後、トラックも人が横断できるようになり、博物館に向かう。
②「小笠原の自然 固有植物の進化と多様性」
講師は高山浩司氏
小笠原父島へは2000年8月友達と4人で行ったことがある。
小笠原のお話は楽しみだ。
今も渡るのは船だけで24時間かかるというのは変わってないようだ。
小笠原諸島は、火山の噴火でできて以来、一度も大陸と陸続きになったことがない「海洋島」。生物のいない状態から生態系が始まっている。
小笠原諸島は、小笠原群島(父島列島・母島列島・聟島列島など)と、火山群島(北硫黄島・硫黄島・南硫黄島)と、孤立した南鳥島・沖ノ鳥島・がある。
小笠原諸島は、1830年ハワイなどからの移民が父島に入植するまで無人だった。
今も民間人が居住しているのは、父島と母島だけ。(硫黄島には航空基地があり関係者が居住)他の島はすべて無人島。
1944年には人口約8000人も住んでいたらしい。(今は総人口2600人)
戦後はアメリカ統治下に置かれていたが、1968年日本に復帰。
その豊かな生態系から2011年、世界自然遺産に登録された。(硫黄島除く)
狭い面積に並外れた高いレベルの固有種があるのが評価されたらしい。
シマウツボ(寄生植物)・モンテンボク・ヤロウド・オオバシロテツ・アカガシラカラスバト・・他、固有種や希少種のお話。
父島にあって母島にはないもの。逆のもの。島々に独自の生物が存在する。
在来種と外来種のお話も面白かった。
外来種「ノヤギ・クマネズミ・ノネコ・グリーンアノール(ペットから)・アカギ(繁殖力すごい)・・」などによる自然環境の被害は大きい。
人間生活により持ち込まれたものがほとんどのように思う。
「ノヤギ」は駆除活動にも関わらず父島ではいまだ根絶していないそうだ。
外来種が減って固有種がよみがえったところもある。
でも、外来種のノヤギが減ると、そこに別の外来種モクマオウが増える。
クマネズミを駆除したところに外来種ギンネムが増え、ギンネムを駆除するとササが増える。・・といった問題も起こるらしい。
アカギは繁殖力が強く、なかなか根絶やしは困難な外来種らしい。
黄金色をした小笠原固有の寄生植物 シマウツボ(ハマウツボ科)は絶滅危惧ⅠA類。
蜜が多く、昆虫の他、メジロが訪花しているのも確認されているらしい。
寄主のヨモギがない所では、ヤロウド(キョウチクトウ科)・ムニンゴシュユ(ミカン科)・外来種のアカギ(コミカンソウ科)の根に寄生するなど「寄主の転換」も見られるそうだ。
アカギをなくすと、そこに寄生するシマウツボがなくなってしまう・・ということも。
外来種が組み込まれているなかで、在来種・固有種をどのように守っていくか。
悩ましい問題だ。
講師の高山氏は、南硫黄島に学術調査団として入られた方。
南硫黄島の調査のお話も聞けた。
南硫黄島に入った調査団のことは、テレビの放映を見た。
火山列島(硫黄列島)の内、北硫黄島は、今は無人だが、かつては製糖工場もあった。硫黄島は今も航空基地があり人が住む。
南硫黄島だけが、人の定住を拒んでいる。
上陸困難(海岸がない)・水系が少ない・・ことなどによる。
それで、手つかずの自然が残っていて、「原生自然環境保全区域」となっている。クマネズミもいない。
調査団は「持ち込まない・持ち出さない」を徹底して島に入る。
衣服や持ち物・排泄物まで・・クリーンルームや冷凍なども使い、島に外からのものを持ち込まない、持ち出さないことを徹底している。
三角形のような南硫黄島。切り立った山の斜面で、テントを張る平地もないそう。
なので、調査の各界の専門家以外にも、登山家や海洋の専門家他の協力が不可欠だとか。
山岳技術を持つ登山家の協力で梯子や鎖を張ってもらいながら山へ登りながらの調査。
79年ぶりに南硫黄島で固有のラン科 シマクモキリソウが見つかったそうだ。
一方、海鳥に付着して入ったらしい外来種も見つかっているという。
すごく興味深いお話を聞くことができた。
講演が終わってから、今日はお休みの娘と待ち合わせ。
③臨南寺の前で落ち合う。
曹洞宗 含松山 臨南寺(臨南禅寺)長居公園に接している。
江戸時代創建、開創360年という禅寺。
建物は新しい。
かつては、本堂、庫裡、土蔵、薬医門、禅堂、鎮守堂などを有したそうだ。
今はがらんと広い境内
そこには「臨南の森」という、うかつに入ると迷ってしまうほどの深い森(33,000㎡)が広がっていたという。
今の境内からは到底信じられない。
国鉄の時代には「臨南寺駅」がそばにあった。
1928年(昭和3年)計画された総合公園の名称は「臨南寺公園」だったとか。1934年(昭和9年)「長居公園」に改称された)
いかに大きい立派なお寺だったのかわかる。
先日、学芸員さんから「臨南の森」にあった樹齢700年の御神木の「椎の大木」の話を聞き、見たいと思って来たわけだ。
その椎の大木は、1950年(昭和25年)のジェーン台風で倒れてしまったという。
倒れて74年。かつての大木の面影はない。
生きていればさぞ貫禄があったことだろう。
そばには棱伽白龍大権現 が祀られている。
よく来る長居公園のすぐそばに、こんな歴史があることを知ったのは良かった。
久しぶりに会う娘と喫茶店でおしゃべりをして帰る。