週刊正論編集部
メルマガ「週刊正論」令和3年1月19日号
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【朝日新聞にそっくり返したい「説明責任」】
朝日新聞は19日付朝刊の社説で「首相の覚悟が見えない」と題し、菅義偉首相の施政方針演説を批判しました。新型コロナウイルス対策とともに取り上げたのが、「桜を見る会」問題でした。
「首相は『政治家にとって、何よりも国民の信頼が不可欠』とも述べたが、本気でそう思い、説明責任を尽くそうとしているのか、はなはだ疑わしい』
そっくりそのまま朝日新聞に返したいと思います。というのは、朝日新聞は「桜を見る会」を執拗に追及しますが、朝日新聞自身が推し進めた「従軍慰安婦の強制連行」について「説明責任」をとうてい果たしていないからです。
慰安婦問題をめぐっては、元朝日新聞記者の植村隆氏がジャーナリストの櫻井よしこ氏らを相手取って名誉棄損で訴えていました。
最高裁は昨年暮れ、一審・二審に続き、植村氏の請求を棄却し、植村氏の敗訴が確定しました。
月刊「正論」2月号で編集部の安藤慶太編集委員が、「司法も事実認定した元朝日記者の『ねつ造』」と題し、詳報していますのでぜひお読みください。一部をご紹介します。
「(判決で)植村氏の記事に意図的な事実の捻じ曲げがあった、即ち『捏造』だったことを裁判所が事実認定したのである。
これは朝日新聞がこれまで、繰り返し述べてきた説明を根底から覆すものである。植村氏の『捏造』が事実として認定されたことで、今後の焦点は朝日新聞社が推し進めた『従軍慰安婦の強制連行』という虚構の報道における新聞社としての具体的な意図や悪意を解明することになるだろう」
朝日新聞は2014年8月の検証記事で、「意図的な事実のねじ曲げはない」と結論づけました。
しかし、櫻井氏や同じく植村氏から訴えられた麗澤大学客員教授、西岡力氏の判決(一審・二審)で、植村氏が意図的な事実の捻じ曲げによって、事実と異なることを「あえて」書いたと認定されました。安藤氏も書いているように「朝日新聞がこれまで単なる言葉の誤用に過ぎないとしてきた説明が根底から崩れ去る重大事」であるのです。
朝日新聞はさきほどの社説で「まずは、菅政権が前政権の『負の遺産』を直視し、信頼回復に全力を挙げることが不可欠である」と書きました。
朝日新聞も慰安婦問題ですべきことはこの問題を直視し、安藤氏が強調したように「当時の編集意図や作為について具体的に説明」することでしょう。
(以下略)
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「新聞に大々的に事情説明記事を載せたから、既に説明責任は果たした」、というスタンスですね、確か。
とにかく訂正記事なんて、まず出さない「大」新聞社。出さない理由は「記事の信頼度を下げるわけにはいかないから」。「ロールスロイスの故障車無料修理伝説(修理どころか故障があったことすら認めない)」みたいだけど、「報道」が第一の新聞とは質が違う。
そこに「信頼度」とか「信用」とかを持ってくるべきなのは「商いの道」。