「変見自在 トランプ、ウソつかない」より、今回は表題の記事から一部転載、ということで。
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(略)
日本は先の戦争でアジアを植民地化していた欧米を叩き出した。おかげで戦後、植民地は独立し、宗主国たちは小さな欧州の故郷に追い返されていった。
それが悔しくてオランダは独立したインドネシアのスカルノにオランダが作った運河や石油基地の建設費用60億ドルを返せと迫った。
スカルノは困って「侵略国日本」にたかってきた。日本は首をかしげながら旧蘭領東インドに賠償金とデヴィ夫人もつけてやった。
フィリピンのキリノも右に倣って日本にケタ違いの80億ドルを要求した。日本が拒むと、モンテンルパ刑務所につないでいた日本人BC級戦犯14人を吊るして脅しをかけた。
恥知らずは旧植民地だけでなくイタリアやスイス、オランダも日本に賠償よこせの列に並んだ。
そんなわけで大人たちは焼け跡に佇んでいる暇もなく戦前の倍以上も働いて賠償金を払い続けた。
(略)
賠償の支払いは昭和50年代も続いたが、大きな財政負担を強いてきた併合朝鮮との縁が切れたこともあって、そのころには少しはゆとりも生まれてきた。
海外旅行も解禁になった。ただ向こうでは日本への風当たりが強かった。
当時のECは日本人を「兎小屋に住む働き中毒」と報告書で侮辱した。
仏首相エディット・クレソンは「日本人は黄色い蟻。何度潰しても出てくる」と日本大使の面前で言い放った。
日本のせいで仏領インドシナも蘭領東インドも英領ビルマも無くなった。ただの貧乏国になった欧州諸国は助け合うためにECを創った。日本への恨み言の一つも言いたくなる。今はEUに発展したけれどその心根は変わらない。
欧州の新聞は自分たちを貧乏に追い込んだ日本人の団体客を見れば侮蔑の一言も書きたくなる。
日本人は当惑しながらも「お互い助け合うEUの精神が素敵ですね」とかお世辞のつもりで余計を言ってまた彼らを苛立たせた。
先日の朝日新聞に朝日的文化人が「日本人は昔から礼儀正しくはなかった」とそのころを書いていた。日本人も昔は酷かった。「駅弁の食いかすやごみを座席の下に突っ込んでいた」とか「日本人観光客が世界に迷惑をかけていた」とか。
だから今のあまりにひどい支那人のマナーを嗤うな、「どの民族だって時間が経てば振る舞いもよくなる」と。
毎度聞かされる自虐の台詞だ。そして日本だけは上から目線でけなす。他は支那朝鮮も含めて下から仰ぎ見て温かく書く。それが文化人たる者の基本姿勢と思い込んでいる。
彼らも日本と同じに上から見るがいい。そうすれば支那人は何年待っても変わらないことが判るし、欧州人の発言の後ろにあるルサンチマンも見えてくる。
ただ、そうやって物事を見ると「弱者救済」とか「原発反対」の馬鹿らしさも見えてきてしまう。
だから文化人は考えない。鳥越俊太郎みたいに反戦平和とか一つ覚えの文句を痴呆老人のようにただ繰り返していても務まるのだ。
新潮文庫
「変見自在 トランプ、ウソつかない」
高山正之著 より
「変見自在 トランプ、ウソつかない」
高山正之著 より
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「文化人」を気取るヤツほど程度は低い。
その心は、彼らは自虐意識からのひたすら謝り続ける発言ばかりで、本当は欧州諸国が白人優越思想から日本を貶し続けているだけであることや、シナ朝鮮が日本と冷静に向き合おうとしない理由等を論理的に考え、解析しようとはしない。その「程度の(能力の)低さ」しか持ち合わせていない、ということ。論理的に考えようとしないから、当然考えは深まらない。
結果、十年一日のごとく一つ覚えの文句を繰り返しているだけなのだ、と。